下請け脱却の方法は?元請けに頼らず直接受注を増やす5ステップ

直接の仕事を取る、5つの順番。

記事の監修

株式会社めぐみや
代表取締役社長

大浦 理

「はじめてのWebサイト運用・集客入門」著者

Web集客・マーケティングの専門家として、15年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。

3行でわかる。この記事の要点
  • 下請け脱却とは、元請けからの受注に頼る経営から抜け出し、自社で仕事を獲得できる状態を目指すことです。下請けの仕事はすぐにやめなくても、直接の仕事を増やして1社に頼る割合を下げることから始めれば十分です。
  • 自社商品の開発より先に、今の技術のまま発注者から直接相談が来るホームページを作ると、小さく始められます。
  • 進み具合は、売上に占める直接受注の割合で確かめます。途中の目安は、直接の問い合わせの数と問い合わせ率です。

元請けや親会社からの仕事が中心で、こんなことが気になっていませんか。

「単価や支払いの条件を、こちらから決められない」
「元請けからの発注が減ったら、売上がそのまま落ちる」
「自社で営業をしたことがなく、人も広告費もない」

Yahoo!知恵袋にも、同じ悩みが寄せられています。外壁塗装の職人の方の「元請けの単価が低かったり、支払いを遅延されたりで思うように収益が上がりません。私としては、下請けを抜け出して自社で仕事を受注していきたいと考えています。」という質問です。

めぐみやにも、製造業やブランディング会社から「直接の問い合わせを増やしたい」というご相談が届きます。製造業などのWeb集客をご支援している立場から、下請けの仕事を続けながら直接の仕事を増やしていく順番をお伝えします。

この記事はこんな人におすすめ

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下請け脱却とは?意味と目指すゴール

下請け脱却とは?意味と目指すゴールを示した図解で、下請けと元請けの違い、脱却のゴール、下請けのままがよい場合について説明している。

下請け脱却(脱下請け)とは、元請けからの受注に頼る経営から抜け出し、自社で仕事を獲得できる状態を目指すことです。Web集客を専門とするめぐみやは、下請けの仕事をなくすより、1社に頼る割合を下げるほうが始めやすいと考えています。本記事では、「直接の仕事を増やして、1社に頼る割合を下げること」を脱却と呼んで進め方をお伝えします。

下請けと元請けの違い

元請けは、発注者(施主やメーカーなど)から仕事を直接請け負う会社です。下請けは、元請けが請け負った仕事の一部を引き受ける会社です。建設業では元請けの下に何層もの下請けが連なることがあり、製造業では部品や加工を親会社や商社経由で受ける形がよく見られます。

下請けの立場では、価格や納期、支払いの条件を元請けが決めることが多くなります。発注者と直接やり取りしないので、自社の技術がどこで評価されているのかも見えにくい立場です。なお、製造の委託などで下請けとの取引のルールを定めた法律(下請法)は、2026年に名前が変わりました。くわしくはよくあるご質問で触れています。

脱却のゴールは、1社に頼らない売上の形

脱却のゴールは、上位の取引先1社の発注が減っても、会社を続けられる売上の形にすること。元請けからの仕事が安定していること自体は、会社の強みです。困るのは、売上の大半が1社に集まり、条件を選べない状態が続くことです。

めぐみやでは、下請けの仕事はやめなくてもよいと考えています。そのうえで、自社集客で仕事を獲得できる状態を持っておくほうが安心です。直接の仕事が増えれば、元請けからの依頼を条件で選べる余地が生まれます。

下請けのままのほうがよい場合もある

すべての会社が、今すぐ脱却を目指す必要はありません。次のような場合は、下請けの仕事を中心にしたまま、取引の偏りだけを定期的に確かめる方法もあります。

  • 元請けとの条件に納得していて、今後の発注の見込みも安定している
  • 今の受注で手が埋まっていて、新しい仕事を受ける人手や設備に余裕がない
  • 事業の引き継ぎなどで、新しい取り組みに回せる時間が当面取れない

直接の仕事を増やすには、ホームページに相談の入口を作り、問い合わせに答え、見積もりから代金の回収までを自社で行う手間がかかります。その時間を取れるかどうかも、始める前に確かめておきましょう。

売上の波を小さくする考え方は、次の記事にまとめています。

あわせて読みたい

下請けから抜け出しにくい3つの理由

下請けから抜け出しにくい理由として、新規顧客が増えない、差別化できない、開発が進まないことを示した図解。

下請けから抜け出しにくいのは、技術が足りないからとは限りません。仕事の取り方が元請け任せのまま年月がたち、自社で仕事を取る準備が育ちにくいことが大きく関わります。よくある理由を3つ挙げます。

仕事が来るので、新しいお客様を探す仕組みが育たない

元請けから毎月仕事が来る間は、新しいお客様を探さなくても会社が回ります。その間に、営業の担当も、問い合わせを受ける窓口も、ホームページを直す人も置かないまま時間が過ぎます。元請けの発注が減ってから動こうとしても、何から手を付ければよいか分からない状態になりがちです。

Yahoo!知恵袋には、大企業の2次受けで仕事をしている方の「正直、一人なので忙しくてどうしようもない。広告打つのもお金が掛かる、人も雇えない。」という声もあります。目の前の仕事が忙しいほど、仕組みづくりは後回しになります。

強みが元請けの言葉のままで、自社の言葉になっていない

下請けの仕事は、元請けの図面や仕様書どおりに進みます。そのため、自社の強みを「〇〇社の部品を作っている」「指定どおりに納めている」のように、相手の仕事の一部として説明しがちです。これでは、初めて会う発注者に、何が得意な会社なのかが伝わりません。

これまでのご支援を振り返ると、集客に成功している会社に共通しているのは、自社の強みを理解していることです。強みを自社の言葉で言えるかどうかが、直接の仕事を取る出発点になります。

価格以外で選ばれる理由の作り方は、「商品の差別化とは?差がつく7つの要素と中小企業の事例・進め方」の記事で詳しく解説しています。

自社商品の開発から始めて、資金と時間が続かない

下請け脱却の方法として、自社商品の開発がよく挙げられます。ただ、商品を作るには開発費と時間がかかり、売れるまでの間も本業の受注を続けなければなりません。Yahoo!知恵袋にも、下請け会社で働く方の「下請けから脱却すべく現在他社と共同で商品開発に勤しんでおりますが、すぐに結果がでるとは思えません。」という声があります。

自社商品は脱却のゴールの1つになりますが、最初の一歩としては負担が大きくなりがちです。本記事では、今の技術のまま始められることから順に進めます。

下請け脱却の主な方法を比べる

直接の仕事を取る方法には、営業・紹介・展示会・商社・マッチングサービス・自社のホームページ・自社商品の開発などがあります。得意なことと負担がそれぞれ違うので、自社の人手と予算に合うものから組み合わせます。

方法 得意なこと 負担・注意点
飛び込み・電話の営業 こちらから発注先を当たれる。準備が少なく始められる 断られることも多く、担当者の時間がかかる
紹介 信頼を引き継いだ状態で相談が来る 件数を自社で増やしにくい
展示会 実物を見せて、その場で話せる 出展の費用と準備がかかり、会期の後に接点が途切れやすい
商社・代理店 自社だけでは届かない取引先に広がる 間に入る分、価格や条件を自社で決めにくい
マッチングサービス・業界のポータルサイト 発注先を探している人に届きやすい 掲載料や手数料がかかることがあり、価格で比べられやすい
自社のホームページ 検索で探す人の入口になり、ほかの方法で知った人の確認先にもなる 成果が見えるまで時間がかかる
自社商品の開発 価格を自社で決められる 開発費と時間がかかる

どの方法を選んでも、自社の強みを発注者の言葉で説明できることと、相談を受ける窓口は欠かせません。本記事では、営業の人手や広告費が少ない会社でも始めやすいホームページを軸に、進め方をお伝えします。ホームページを先に整えるのは、新しい取引先を探している発注者に見つけてもらえる余地があるからです。展示会や紹介で名前を知った相手も、社名や技術の名前で検索して、何ができる会社かを確かめることがあります。そのときにページが無かったり、何ができるかが分からなかったりすると、候補に入りにくくなります。

下請け脱却の進め方は5ステップ

下請け脱却は、取引の偏りを数字で確かめ、強みを発注者の言葉にし、直接の相談の入口を作る順に進めます。自社商品や新しい販路は、直接の相談が来るようになってからでも遅くありません。

ステップ やること この記事の章
1. 偏りを確かめる 直接受注の割合と、いちばん大きい取引先の割合を出し、取引先ごとの利益・条件を並べて目標を決める ステップ1
2. 強みを書く 同じ技術で検索に出る競合のサイトを調べ、何を・どこまで・どの条件でできるかを発注者の言葉で書く ステップ2
3. 入口を作る 技術・サービスのページに強みと事例を置き、問い合わせのフォームまでつなぐ ステップ3
4. 数字で確かめる ページの閲覧数・問い合わせの数と率、問い合わせの中身を見て、直す箇所を決める ステップ4
5. 商品・販路を広げる 直接のやり取りから次の用途を拾い、展示会などとWebの役割を分ける ステップ5

ステップ1:今の取引の偏りを数字で確かめる

取引の偏りを数字で確かめるための手順を、取引の割合、条件の比較、目標の割合の決定とともに示した図解。

最初に、売上のうち直接受注(元請けや商社を通さない仕事)の割合と、いちばん大きい取引先1社の割合を数字で出します。偏りの大きさが分かると、直接の仕事をどこまで増やせばよいかの目安が立ちます。

直接受注の割合と、上位の取引先の割合を出す

直近1年分の売上を取引先ごとに集計し、多い順に並べます。取引先ごとの売上を売上全体で割ると、その取引先に頼っている割合が出ます。この記事では、売上がいちばん大きい1社を「上位の取引先」と呼び、その割合を偏りの目安にします。2社目以降も並べておくと、偏りの全体が見えて便利です。帳簿や請求書の控えから出せるので、費用はかかりません。

取引先 年間の売上 割合 条件のメモ
A社(元請け) 3,000万円 60% 単価は先方が決める。支払いは月末締め翌々月末払い
B社(元請け) 1,200万円 24% 単価の相談に応じてもらえる
C社(商社経由) 500万円 10% 小ロットで急ぎの注文が多い
直接のお客様 300万円 6% 単価をこちらで決められる

表の数字は、説明のための例です。この例では、A社1社で売上の6割を占めています。

脱却の進み具合を見る主な数字は、直接受注の割合です。計算は「直接のお客様の売上÷売上全体×100」で、この例では300万円÷5,000万円で6%になります。上位の取引先の割合だけを見ていると、A社の仕事がB社に移っただけでも割合が下がり、脱却が進んだように見えてしまいます。元請けの間で仕事が動いただけでは、直接受注は増えていません。そのため、2つの割合を並べて見ます。

取引先ごとの利益と条件を並べる

売上の大きさと、利益の大きさは一致しないことがあります。売上が大きい取引先でも、単価が低く、急な納期や仕様の変更が多ければ、利益は薄くなります。取引先ごとに粗利(売上から材料費や外注費を引いた額)を出し、価格の決まり方・支払いまでの期間・納期の厳しさも書き添えておくと便利です。直接の仕事を増やしたときに、どの取引の割合を下げたいのかが見えてきます。

目標の割合を決め、増やす売上を出す

次に、直接受注の割合をどこまで上げ、上位の取引先の割合を何割まで下げたいかを決めます。どの会社にも当てはまる正解の割合はありません。考え方の1つは、上位の取引先の発注が半分になったとき、手元の資金と毎月の固定費で何か月持ちこたえられるかです。その月数が短いほど、上位の取引先の目標の割合を低めに(偏りを小さく)置きます。

目標の割合が決まると、増やす売上を金額で出せます。上の表の例で、A社の割合を60%から40%に下げたいとしましょう。A社の売上3,000万円が今のまま続くとすると、それが全体の40%になるのは、売上全体が7,500万円のときです。A社以外の売上は今の2,000万円から4,500万円へ、年2,500万円増やすことが目安になります。この2,500万円をすべて直接の仕事で取れたとすると、直接受注は300万円から2,800万円になり、割合は6%から約37%に上がります。

元請けとの契約で確かめておくこと

直接の仕事を受ける前に、元請けとの契約書や取引の取り決めを読み返します。見ておきたいのは次の3点です。

  • 秘密保持:元請けから預かった図面・仕様・取引先の名前を、自社の実績として出してよいか
  • 取引の制限:同じ発注者や同じ製品の仕事を、直接受けることに制限があるか
  • 実績の公開:ホームページに製品の写真や仕事の内容を載せてよいか

判断に迷う取り決めは、元請けに確かめるか、弁護士などの専門家に相談してください。「元請けのお客様(施主やメーカー)とは直接取引をしない」のように、今の関係を損なわない範囲を先に決めておくと、安心して始められます。

ステップ2:競合と比べ、発注者が探す言葉で強みを書く

競合と比べ、発注者が探す言葉で強みを書くためのステップを示した図解。ステップには、競合サイト調査、検索語作成、条件明確化、実績提示が含まれる。

次に、同じ技術を持つ競合のサイトと比べながら、発注者が検索で使う言葉で自社の強みを書き出します。ここで書いた言葉が、ステップ3で作るページの中身になります。

同じ技術で検索に出る競合のサイトを調べる

製造業やブランディング会社から「直接の問い合わせを増やしたい」とご相談をいただいたとき、めぐみやが最初に行うのは競合のサイトの徹底的な分析です。自社で進めるときも、自社の技術や加工の名前で検索し、上位に出る会社のサイトをいくつか開いてみます。見るのは次の点です。

  • 何ができるかを、どんな言葉で書いているか
  • 対応できる素材・サイズ・ロット・納期を書いているか
  • 実績や事例を、どこまで具体的に載せているか
  • 問い合わせの前に、何を用意すればよいかが分かるか

競合が書いていない条件や、競合より対応できる範囲が広い点が、自社の強みとして書ける候補です。あわせて、「どんな発注者の、どんな条件の仕事で選ばれたいか」を1行で書いておくと、ページに載せる言葉を選びやすくなります。

技術名・加工名・素材名を掛け合わせて検索語にする

発注者は、自分の困りごとに合う言葉で検索します。「精密加工」のような広い言葉だけでなく、技術・加工・素材・用途の名前を組み合わせて探すことがあります。

合成樹脂関連の総合メーカーである南部化成様のご支援では、技術名・サービス名・商品名を掛け合わせた言葉でページを作り、集客につなげました。組み合わせ方の例は次のとおりです(例の言葉は説明のための仮のものです)。

  • 加工名×素材:「アルミ 切削加工」「樹脂 押出成形」
  • 加工名×用途:「試作 板金加工」「医療機器 部品 加工」
  • 加工名×条件:「小ロット 金型」「短納期 溶接」

書き出した言葉で実際に検索し、競合がどんなページを出しているかも確かめます。手順の詳細は、「製造業のWeb集客|問い合わせが来ない原因と技術を伝える手順」の記事で詳しく解説しています。

「何を・どこまで・どの条件で」できるかを書く

発注者が知りたいのは、自分の仕事を頼めるかどうかです。「高い技術力」「丁寧な対応」だけでは判断できません。次の項目を、数字や具体的な言葉で書きます。

項目 書く内容の例
何を 加工の種類、対応する素材、得意な形状
どこまで 対応できるサイズと精度、試作から量産までのどこを受けるか
どの条件で 最小ロット、納期の目安、対応できる地域
設備 主な設備の名前と台数
相談の仕方 図面が無くても相談できるか、見積もりにかかる日数

強みがうまく言葉にならないときは、「なぜこの事業をしているのか」「どのようなときにやりがいを感じるか」を社内で話してみてください。めぐみやでも、お客様の強みを言葉にするときに伺っている質問です。

取引先の名前を出せないときの実績の見せ方

下請けの仕事では、元請けや最終製品の名前を出せないことがよくあります。名前を出せなくても、次の形なら実績として伝えられます。

名前を出さずに実績を伝える書き方
  • 業種で書く:「自動車部品メーカー様」「住宅設備メーカー様」
  • 用途で書く:「屋外で使う機器のカバー」「食品工場の搬送部品」
  • 工程で書く:「図面の段階から相談を受け、試作から量産まで担当」
  • 数字で書く:「月〇個の量産」「〇日の納期で対応」

写真や図面を載せる場合も、ステップ1で確かめた契約の範囲に収めます。迷うものは、掲載前に取引先へ確認してください。

技術を発注者の言葉にした例に、押出成形加工のエクセル東海様のご支援があります。リニューアル後に減っていた集客を立て直す際、めぐみやが工場を見学して独自技術を理解し、Webサイトの言葉に落とし込みました。その後、それまでの取引先以外の新しいお客様からもお問い合わせが届き、大型受注も獲得されています。

ご支援実績株式会社エクセル東海様 押出成形加工業/静岡県

工場見学で独自技術を理解しWebサイトの言葉に落とし込み、リニューアル後に減った集客をV字回復。大型受注も獲得。


強みが見つからないときの手順と例文は、次の記事にまとめています。

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ステップ3:ホームページに直接の相談の入口を作る

ホームページに直接の相談の入口を作る手順を、技術ページからつなぐ・信頼の材料を置く・相談フォームを用意する・新しい実績を足すの4つの項目とともに示した図解。

書き出した強みを技術・サービスのページに置き、事例と問い合わせへつなげます。ここでいう入口は、初めての発注者が「この会社に相談してみよう」と思えるまでの、ひと続きのページです。

元請け経由の仕事が中心の会社から届くご相談で、めぐみやがよく見るホームページの状態は2つあります。1つは更新が止まっていること、もう1つはお問い合わせ窓口までの説得材料が無いこと。ホームページはあるのに直接の相談が来ない場合は、この2つから確かめてください。

技術・サービスのページから事例・問い合わせへつなぐ

発注者がたどる順番は、何ができるかを読む、実際の事例を見る、相談する、です。技術・サービスのページの下に関連する事例を置き、事例の下に問い合わせへの案内を置きます。会社概要と設備一覧だけのホームページでは、この流れが途中で切れてしまいます。

ご支援の現場で最初に直すことになるのは、トップページとサービスページです。直接の相談の入口づくりも、トップページとサービスページから始めます。

問い合わせの前に、任せてよいと判断できる材料を置く

初めての発注者は、問い合わせる前に「この会社に任せて大丈夫か」を確かめます。問い合わせのボタンだけがあっても、判断できる材料が無ければ相談には進みにくくなります。技術・サービスのページの近くに置きたい材料は、次のとおりです。

  • ステップ2で書いた「何を・どこまで・どの条件で」
  • 名前を出さない形の事例と、作ったものの写真
  • 設備・資格・品質への取り組み(取得している認証があれば、その名前)
  • 相談から納品までの流れと、見積もりにかかる日数
  • 会社概要(所在地・創業年・従業員数・代表者)

建設業なら、建設業の許可の種類や番号、社員が持っている資格も、任せてよいかを確かめる材料になります。

図面や仕様のまま相談できるフォームにする

発注者の手元には、図面や仕様書、写真があることが多くあります。問い合わせのフォームで、それをそのまま送れるようにすると、相談のハードルが下がります。

  • 図面や写真のファイルを添付できる
  • 「見積もり」と「相談だけ」を選べる
  • 数量や希望の納期は、分かる範囲でよいと書いておく
  • 入力項目を、返事に必要なものに絞る

秘密保持の契約を結んでから図面を渡したい発注者もいます。その場合の進め方を、フォームの近くに書いておくと安心です。フォームの直し方は、「問い合わせフォームの改善|直す順番と、項目を減らしすぎない決め方」の記事で詳しく解説しています。

更新を止めず、新しい実績を足していく

ページを作った後も、新しい事例や、対応できるようになった加工を足していきます。最後の更新が何年も前のままだと、発注者は今も同じ対応ができるのかを確かめられません。実績を足す担当と時期を決めておくと、更新が止まりにくくなります。

問い合わせが届くホームページに共通する特徴は、次の記事にまとめています。

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ホームページが無い場合や、今のページでは入口を作りにくい場合は、作り直しも選択肢になります。

めぐみやのWebサイト制作

効果的なWebサイトを作りたいけれどどうすれば良いかお悩みではありませんか?
集客と運用の実績を活かし御社ビジネスの成果に直結するWebサイトを構築致します。

ステップ4:直接の問い合わせを数字で確かめて増やす

ステップ4の図解で、問い合わせ数や閲覧数を確認し、問い合わせ内容を比較し、自社集客の目安を知る方法を示した。

入口ができたら、直接の問い合わせが増えているかを数字で確かめます。件数だけでなく問い合わせの中身も見て、元請け経由の仕事と比べます。

見る数字は、技術・サービスのページの閲覧数と問い合わせ率

めぐみやも、アクセスが増えないというご相談では、最初にサービスページの閲覧数を見ます。売上に近いページが見られているかを、先に確かめるためです。直接の相談の入口が働いているかは、次の3つで確かめます。

数字 分かること 分からないこと
技術・サービスのページの閲覧数 ページが読まれているか(発注者以外の訪問も含む) 読んだ人が相談したいと思ったか
問い合わせの数 直接の相談がいくつ来たか 閲覧が増えた影響か、ページを直した効果か
問い合わせ率 訪問のうち、問い合わせが発生した訪問の割合 問い合わせの中身(単価や条件)

問い合わせ率は、GA4(Googleの無料のアクセス解析ツール)で見られる数字です。そのためには、問い合わせの完了を「キーイベント」(成果として数える操作)として計測しておく必要があります。設定は、ホームページを管理している会社か、Web集客を任せている会社に頼むと進めやすいでしょう。

設定ができていれば、GA4の「セッションのキーイベント率」が問い合わせ率の目安になります。セッションはGA4での訪問の数え方で、この率は「キーイベントが発生した訪問の数÷訪問の総数」です。問い合わせ以外にもキーイベントを設定しているサイトでは、この数字がそのまま問い合わせ率にはなりません。設定した会社に、問い合わせだけの率を出してもらいます。

この率は、サイト全体の訪問で計算した数字です。技術・サービスのページを見た訪問に絞った割合も、GA4の「探索」という機能で出せます。

問い合わせ率が上がっても、ページを直した効果とは言い切れません。検索・広告・紹介などの流入経路の内訳もあわせて確かめてから判断します。

問い合わせの中身を、元請け経由の仕事と比べる

直接の問い合わせが来たら、件数とあわせて中身を記録します。単価・ロット・納期・支払いの条件を、ステップ1の表の元請け経由の仕事と並べて比べます。問い合わせと受注は別なので、問い合わせの記録に受注したかどうかも書いておくと比べやすいでしょう。

直接の仕事では、元請けが担っていた見積もり、契約、請求と代金の回収、お客様への対応を自社で行います。単価が上がっても、その手間が増えれば、手元に残る利益が増えるとは限りません。比べるときは単価だけでなく、見積もりや打ち合わせにかかった時間も含めて、仕事ごとの利益で見ます。初めての取引先とは支払いの条件を契約で決めておくと、代金の回収が遅れたときに困りにくくなります。

条件の合う直接の仕事が増えてくれば、元請けからの依頼を条件で選べる余地も出てくるでしょう。脱却が進んでいるかは、売上に占める直接受注の割合が上がっているかで確かめます。あわせて、上位の取引先の割合がステップ1で決めた目標に近づいているかも見ます。

自社集客が育つまでの目安は約半年から1年

めぐみやのご支援では、自社集客の成果が見えてくるまで、約半年から1年を目安にしています。今のホームページの状態や競合の多さによって変わるので、判断できるだけの件数がたまるまで続けます。

南部化成様のご支援では、最初にサービスページから手を付け、3ヶ月でサービスページの閲覧数が60%増えました。問い合わせの数が動く前に、閲覧数のように先に動く数字から確かめていくと、続けるかどうかを判断しやすくなります。

営業の入口を変えた例に、システム開発のglorious future様のご支援があります。それまでは、こちらから働きかけるpush型の営業が新規開拓の軸でした。そこにホームページへの流入と問い合わせを増やす取り組みを加え、有効なお問い合わせが届くようになりました。

ご支援実績株式会社glorious future様 システム開発/東京都

push型の営業が中心だった新規開拓に、ホームページからの集客を加え、有効なお問い合わせが届くように。


問い合わせが少ないときの原因の切り分け方は、次の記事にまとめています。

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めぐみやのWeb集客コンサルティング

Webサイトを活用して売上と利益向上を目指しませんか?
めぐみやが集客からサイト運営まで一貫してサポート致します。

ステップ5:自社商品・新しい販路は、直接の相談が来てから

自社商品・新しい販路に関する図解で、直接のやり取りや用途ごとのページを足すこと、役割を分けて活用することを示している。

自社商品の開発や新しい販路は、直接の相談が来るようになってから考えても遅くありません。直接のやり取りには、元請けを通していたときには聞けなかった発注者の声が入っているからです。

直接のやり取りから、次の商品や用途の手がかりを拾う

直接の問い合わせでは、発注者が何に困っていて、何に使うのかを聞けます。同じような相談が何度も来る場合は、それを自社の標準のサービスとして用意できないかを考えます。試し方は、用途ごとのページを足す、よく出る条件をまとめて案内する、のような小さな形で十分です。

エクセル東海様も、今後Webサイトで実現したいことを次のように話されています。「まだ当社を知らない方々に広く知ってもらい、未知のお客様と新たな製品を作り出していきたいです」

展示会・商社・ポータルサイトとWebの役割を分ける

それぞれの方法の得意なことと負担は、主な方法の比較の表のとおりです。直接の相談が来るようになったら、ほかの方法とホームページを次のように組み合わせます。

方法 ホームページとの組み合わせ方
展示会 名刺を交換した相手に、技術・サービスのページを案内する
紹介 紹介された相手が確かめに来るページに、事例と対応できる条件を載せておく
商社・代理店 担当者が取引先へそのまま案内できるよう、仕様と対応できる範囲をページにまとめておく
マッチングサービス・業界のポータルサイト 掲載から自社のページへつなぎ、詳しい情報で判断してもらう

新しいお客様を探す方法の全体像は、「新規顧客開拓を成功に導く7つの鉄則とは?インバウンドとアウトバウンドの役割」の記事で詳しく解説しています。

まとめ

下請け脱却は、元請けからの受注に頼る経営から抜け出し、自社で仕事を獲得できる状態を目指すことです。本記事では、下請けの仕事を続けながら直接の仕事を増やし、1社に頼る割合を下げる進め方をお伝えしました。自社商品の開発から始めると負担が大きいので、今の技術のまま直接の相談が来る入口を作るところから始めます。

進め方は5つのステップです。取引の偏りを数字で確かめ、競合と比べながら発注者が探す言葉で強みを書き、ホームページに直接の相談の入口を作ります。そのうえで問い合わせの数と率、中身を確かめ、売上に占める直接受注の割合で進み具合を見て、直接のやり取りから次の商品や販路を考える、という流れです。営業・紹介・展示会などのほかの方法も、ホームページと組み合わせると効きやすくなります。

「自社の技術を、直接の問い合わせにつながる言葉にしたい」という方は、お問い合わせフォームよりご相談ください。

この記事のまとめ
  • 下請け脱却は、元請けからの受注に頼る経営から抜け出すこと。下請けの仕事を続けながら、1社に頼る割合を下げることから始められる。
  • 取引の偏りを数字で確かめ、競合と比べて強みを書き、ホームページに直接の相談の入口を作る。
  • 進み具合は売上に占める直接受注の割合で確かめる。自社商品や新しい販路は、直接の相談が来てから考える。

下請け脱却に関するよくあるご質問

最後によくあるご質問をいくつかご紹介致します。
みなさまのWeb集客にお役に立てば幸いです。
その他、ご不明な点がございましたら以下のリンクよりお気軽にご相談下さいませ。
無料オンライン相談はこちらからどうぞ。



Q

下請けの仕事を減らすと、元請けとの関係は悪くなりませんか?

A

すぐに下請けの仕事を減らす必要はありません。めぐみやでは、下請けの仕事は続けながら、自社集客で仕事を獲得できる状態を作っておくほうが安心だと考えています。直接の仕事を受けるときは、元請けとの契約の範囲と、今の関係を損なわない線を先に決めておきます。

Q

元請けとの契約で、直接受注の前に確かめることはありますか?

A

秘密保持、取引の制限、実績の公開の3点を確かめます。図面や取引先の名前を自社の実績として出してよいか、同じ発注者の仕事を直接受けてよいかは、契約によって違います。判断に迷う取り決めは、元請けに確かめるか、弁護士などの専門家に相談してください。

Q

自社商品がなくても下請けから脱却できますか?

A

自社商品が無くても、今の技術や加工を発注者から直接受ける形で、1社に頼る割合を下げることを目指せます。何を・どこまで・どの条件でできるかをページに書き、直接の相談の入口を作ることから始めます。自社商品は、直接のやり取りから手がかりが見えてから考えても遅くありません。

Q

小さな会社や一人で営んでいる場合でもできますか?

A

できる範囲から始められます。最初に要るのは、取引先ごとの売上の整理と、何ができるかを書いたページです。問い合わせに答える時間を取れるかを先に確かめ、受けられる量に合わせて入口を広げます。

Q

ホームページを作れば、すぐに直接の問い合わせが来ますか?

A

作ってすぐに来るとは限りません。めぐみやのご支援では、自社集客の成果が見えてくるまで、約半年から1年を目安にしています。今のホームページの状態や競合によって変わるので、ページの閲覧数と問い合わせの数を見ながら続けます。

Q

取適法(旧・下請法)とは何ですか?

A

下請法(下請代金支払遅延等防止法)は改正され、2026年1月1日から名前が変わりました。新しい正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法で、代金の支払いの遅れなどを防ぐための法律です。自社の取引が対象になるかや、具体的な決まりは、公正取引委員会の取適法の案内で確かめてください。

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