記事の監修

Web集客・マーケティングの専門家として、15年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。
商品の差別化とは、他社の商品と同じ土俵で比べられない「選ばれる理由」を作ることです。差がつく場所は、商品そのものだけでなく、価格・買いやすさ・伝え方・買った後の体験にもあります。同業と商品がほとんど同じでも、差別化の余地は残っています。
この記事では、人が商品を選ぶ理由から整理した「差がつく7つの要素」と、商品が同じでも差別化できる考え方を解説します。中小企業白書に載った中小企業の事例、差別化を進める3段階の考え方と4つの手順、差別化した商品をWebサイトで伝える方法までを一続きでまとめました。
読み終えたときに、自社の商品は「どの要素で差をつけるか」を1つ選べる状態を目指します。
- 良い商品なのに、価格で比べられて選ばれない経営者・商品担当の方
- 同業他社と商品がほぼ同じで、どこで差をつければよいか分からない方
- 大手企業の差別化事例を読んでも、自社に当てはめられなかった方
商品の差別化とは?差がつく7つの要素の全体像
商品の差別化とは、自社の商品を他社の商品と区別し、顧客に「これを選ぶ理由がある」と感じてもらうための活動です。良い商品を作るだけでは差別化になりません。顧客が選ぶ理由になる違いを作り、それを顧客に届けて初めて差別化と呼べます。
差がつく要素は、人が商品を選ぶ理由から逆算すると7つに整理できます。合理的な判断で選ばれる「機能的価値」が4つ、感情で選ばれる「情緒的価値」が3つです。
| 差がつく要素 | 顧客が選ぶ理由 | 向いている商品の例 |
|---|---|---|
| 1. コスト | 同じ品質なら安い、または価格に見合う付加価値がある | 日用品、消耗品、相見積もりが前提のBtoB部材 |
| 2. 機能性 | 他社にない機能がある、使いやすい | 家電、ソフトウェア、工具 |
| 3. 買いやすさ(流通経路) | 欲しいときに手に入る、納期が短い | 受注生産品、店舗販売の食品、部品 |
| 4. 広告・メディア | 商品の存在と得られるメリットを知っている | 新商品、認知の低いカテゴリの商品 |
| 5. ブランドイメージ | そのブランドを持つこと自体に意味がある | アパレル、化粧品、贈答品 |
| 6. 愛着心(ロイヤルティ) | 一度使って気に入った、乗り換える理由がない | 定期購入品、保守契約のあるBtoB商品 |
| 7. 気分 | パッケージや限定感に惹かれた | 菓子、飲料、雑貨 |
7つの要素の詳細は「人が商品を選ぶ理由から見る『差がつく7つの要素』」の章で説明します。差別化そのものの考え方や、マイケル・ポーター氏の競争戦略などの総論は、下記の記事にまとめています。
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「製品差別化」と何が違うのか|目的は価格で比べられない状態を作ること
マーケティングの教科書では「製品差別化」という用語が使われます。製品の機能や品質で違いを作る意味合いが強い言葉です。この記事では、「商品の差別化」に、製品の中身に加えて売り方・伝え方・買った後の体験まで含めています。中小企業が差をつけやすいのは、製品の中身よりも、売り方・伝え方・買った後の体験の側だからです。
差別化の目的は、価格競争から抜けることです。類似商品が多い市場では、顧客は違いが分からないと価格で選びます。価格以外の選ぶ理由を作れれば、顧客はその価値を基準に商品を選ぶようになり、値下げをしなくても選ばれ続けます。
商品の差別化の進め方は「コンセプト→戦略→メッセージ」の3段階
商品の差別化は、次の3段階で進めます。先に「何で差をつけるか」というコンセプトを決め、次にそれを市場で成立させる戦略を立て、最後に顧客へ届けるメッセージを設計します。順番を入れ替えて、キャッチコピーから考え始めると、伝える中身が無いまま言葉だけが先行します。
STEP
01
「人が選ぶ理由」からヒントを見つける
商品そのものの価値と顧客の感情に寄り添う
顧客が商品を選ぶ理由は、機能的なメリットだけでなく、感情的な価値にもあります。自社の強みを「機能」と「感情」の両面から掘り下げ、他社にはない独自性を見つけることが差別化の第一歩です。
STEP
02
「戦略」を立てる
独自の価値を活かした戦略を計画
見つけ出した独自の価値(コンセプト)を、どのように市場へ売り出すか具体的な戦略を検討します。ターゲット、価格、プロモーションなど、コンセプトを成功させるための計画を立てます。
STEP
03
「メッセージ」を設計する
ストーリーで顧客の心を掴む
戦略に基づき、顧客の心に響く言葉を設計します。顧客の感情に訴えかけるキャッチコピーやストーリーを作ることで、商品の価値が伝わりやすくなります。
この3段階は考え方の流れです。STEP01のコンセプトを決める材料は、「差がつく7つの要素」の章と「中小企業の商品差別化の例」の章にあります。STEP01とSTEP02を実務に落とした手順は「4つの手順」の章に、STEP03のメッセージは「メッセージ設計」の章にまとめています。
商品が同じでも差別化できるのか|差がつく場所は商品の外にもある

商品の差別化で最も多い行き詰まりは、「うちの商品は他社と同じだから差別化できない」という思い込みです。商品そのものが同じでも、顧客が商品を手にするまでの過程と、手にした後の体験には差がつけられます。この章では、その考え方を先に押さえます。
「同じ製品なのに価格は高い」という悩みへの答え
Yahoo!知恵袋には、次のような相談が投稿されています。
営業職の方に質問です。他社と差別化するのが難しい製品をどう売ればいいですか? ものすごい極端に言って、まったく同じものを販売しているとしてどこで差別化を図りますか? しかも自分たちのほうが価格が高い状況で。(中略)弊社は規模が小さく、競合4社のどことくらべても、人数がその4分の1から5分の1くらいしかいません。
出典:Yahoo!知恵袋「営業職の方に質問です。他社と差別化するのが難しい製品をどう売ればいいですか?」
製品が同じで価格が高く、会社の規模も小さい。この条件で「製品の機能」で差をつけようとすると、答えは出ません。中小企業のWeb集客を支援している弊社(めぐみや)の立場から見ると、この相談者が持っている差別化の材料は製品の外にあります。人数が少ない会社ほど、担当者が最初から最後まで顧客を見ているのが普通です。そのため「連絡の速さ」「相談のしやすさ」「納品後の対応」が顧客の選ぶ理由になっているケースが目立ちます。
社内で当たり前になっている対応は、社内の会議では強みとして挙がりません。答えを持っているのは顧客なので、直近に自社を選んだ顧客に「なぜ他社にしなかったか」を聞くことが出発点になります。
差がつく3つの場面|買う前・買うとき・買った後
商品が同じ場合、差がつく場面は3つあります。それぞれの場面で、顧客が何に困り、何を評価するかを整理すると、自社の打ち手が見えてきます。
| 場面 | 顧客が困っていること | 差がつく打ち手の例 |
|---|---|---|
| 買う前 | どれを選べばよいか分からない、比較に時間がかかる | 選び方の情報を先に出す、見積もりの回答を早くする、用途別に提案する |
| 買うとき | すぐ欲しい、まとめて頼みたい、手続きが面倒 | 短納期、小ロット対応、注文から納品までの窓口を1つにする |
| 買った後 | 使い方が分からない、不具合時の連絡先が分からない | 導入後の説明、不具合時の対応時間の明示、消耗品の定期案内 |
表の打ち手は、どれも製品の中身を変えていません。顧客の手間や不安を減らす対応そのものが、価格以外の選ぶ理由になります。後述する中小企業白書の事例1(空調部品メーカー)は、この「買うとき」の場面で、製品を変えずに納期だけで差をつけた例です。
差別化が難しい商品の例と打ち手
差別化が難しいとされる商品には共通点があります。規格が決まっていて中身に差が出ない、相見積もりが前提で価格を比べられやすい、購入頻度が高く顧客が深く考えずに選ぶ、の3つです。共通点ごとの打ち手と、どの商品にも使える打ち手を挙げます。
- 規格品・部材(ネジ、包材、建材など):中身では差がつかないため、納期・小ロット・在庫の持ち方・図面対応など「買うとき」の手間で差をつける
- 相見積もりが前提のBtoB商品(印刷、加工、清掃など):見積もりの速さと内訳の分かりやすさ、過去の同業種の実績を見せることで、価格以外の判断材料を与える
- 購入頻度の高い消費財(飲料、日用品など):パッケージ・限定・売り場での見つけやすさで「気分」の要素に働きかける。定期購入で「愛着心」に育てる
- どの商品にも使える打ち手:商品に点検・交換・使い方の相談を付けて、「商品+サービス」の形で売る
商品の外にある差別化の種は、社内の会議よりも第三者の目で見つかることが多くあります。弊社のWeb集客コンサルティングでは、顧客ヒアリングと競合比較から差別化の軸を決めるところを支援しています。
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人が商品を選ぶ理由から見る「差がつく7つの要素」
商品の差別化を進めるには、人がどのように商品を選ぶのかを先に理解します。人が商品を選ぶ理由を知れば、自社がどの要素で差をつけるかを、根拠を持って決められます。
人が商品を選ぶ理由は、大きく「機能的価値」と「情緒的価値」の2つに分かれます。前者は合理的な判断、後者は感情による判断です。
機能的価値|合理的に選ばれる4つの要素
機能的価値とは、商品の利便性や性能、価格、手に入れやすさ、商品について得られる情報など、合理的な思考に基づいて選ばれる価値です。差別化の要因(要素)としては、次の4つがあります。
コスト
最も分かりやすい差別化の要素は価格(コスト)です。同じ機能と品質なら、少しでも安いほうが選ばれます。ただし、低価格を追い続ける戦略は利益を圧迫し、規模の大きい競合に勝てません。
中小企業がコストで差をつけるなら、「安い」よりも「価格に見合う理由がある」形にします。高品質な素材、手間のかかる工程、購入後のサポートなどの付加価値を価格の根拠として示すと、同じ価格帯でも選ばれる理由になります。
機能性
商品の性能や使いやすさも、選ぶ際の判断材料です。スマートフォンならカメラの画質やバッテリーの持ち、業務用の機器なら処理速度や設置のしやすさが該当します。
他社にない機能を加える方法と、既存の機能の使い勝手を上げる方法があります。顧客が「便利になった」と感じられる違いであれば、大きな新機能である必要はありません。
買いやすさ(流通経路)
良い商品でも、手に入らなければ選ばれません。欲しいときに手に入る、必要な量だけ買える、納期が読める、といった買いやすさは、それ自体が選ぶ理由になります。
実店舗の取り扱いを増やす、オンラインで買えるようにする、決まった納期で届ける、といった流通の工夫が該当します。BtoBでは、短納期や小ロット対応もここに入ります。
広告・メディア
商品の存在を知ってもらうための広告やメディアも、機能的価値に含めています。顧客の側から見ると、商品のメリットを事前に知ることができる状態そのものが、合理的に比べて選ぶための材料になるからです。テレビCMやWeb広告、SNSなど、ターゲットに合わせた媒体で、商品から得られるメリットを伝えます。
伝える中身は、「この家電を使えば家事の時間が半分になる」のような具体的なメリットにします。「新商品」という事実だけでは、顧客は自分に必要かどうかを判断できません。
情緒的価値|感情で選ばれる3つの要素
情緒的価値とは、ブランドイメージや共感、その時の気分など、論理だけでは説明できない「人の心に訴えかける価値」です。次の3つがあります。
ブランドイメージ
人は「どこのブランドの商品か」で商品を選ぶことがあります。高級ブランドとして認知されている企業の商品は、値下げやキャンペーンをしなくても売れています。
顧客にとっては、そのブランドを選ぶこと自体が、ステータスや社会貢献の実感といった価値です。企業の理念やストーリーを伝えることで、ブランドへの共感と信頼が生まれ、それが選ぶ理由になります。
愛着心(ロイヤルティ)
一度使って気に入った商品には、「また買いたい」「これしか使わない」という愛着が生まれます。愛着は商品の品質だけから生まれるものではありません。
丁寧なカスタマーサポート、会員限定の特典、利用者同士がつながる場など、購入後の体験全体から育ちます。顧客と長く関係を続けることで、乗り換えの理由を無くしていきます。
気分
「なんとなくこれがいい」「パッケージが可愛いからこれにする」と、その時の気分や直感で商品を選ぶことも珍しくありません。
目を引くパッケージ、限定コラボ、季節ごとの企画で、「買いたい」という衝動に働きかけます。日用品や嗜好品など、深く考えずに買われる商品ほど、この要素の影響が大きくなります。
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中小企業の商品差別化の例|中小企業白書の事例と支援実績

差別化の解説記事に載る事例は、大手企業のものが中心です。この章では、中小企業庁が公表している中小企業白書の調査データと事例、それに弊社の支援実績から、中小企業の規模で再現できる例を3つ紹介します。
データで見る差別化の効果|22.1%が単価上昇と数量増加を同時に実現
中小企業庁の「2020年版 中小企業白書」は、製品・サービスの差別化に取り組んだ中小企業の業績への影響を分析しています。差別化への取り組みの結果として、差別化に取り組んだ企業の22.1%が、販売単価の上昇と販売数量の増加を同時に実現しています。値上げと数量増が両立しているのは、価格以外の選ぶ理由が作れたことを意味します。
同じ白書は、差別化の成果を測るもう1つの指標として労働生産性も見ています。どの取り組みで労働生産性の上昇幅が大きかったかを、業種別に示したのが次の表です。
| 業種 | 労働生産性の上昇幅が大きかった取り組み |
|---|---|
| 製造業 | 付帯製品・サービスの開発/特定顧客向けの製品・サービスの開発/製品・サービスの高機能化 |
| 卸売業 | 製品・サービスの高機能化/広告・プロモーション強化/新規出店・事業所開設 |
| 小売業 | 用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発/特定顧客向けの製品・サービスの開発/類似のない新製品・サービスの開発 |
| サービス業 | 用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発/特定地域向けの製品・サービスの開発(ローカライズ)/特定顧客向けの製品・サービスの開発 |
参照元:中小企業庁「2020年版 中小企業白書」第2部第1章第4節 製品・サービスの差別化
表の取り組みの多くは製品・サービスの開発であり、中身を変える方法でも成果は出ています。一方で、「特定顧客向け」は4業種中3業種で上位に入り、「特定地域向け(ローカライズ)」「付帯製品・サービス」も上位に入っています。製品を根本から作り直さなくても、誰に向けるかを絞る、周辺のサービスを足すといった方法で成果を出した企業があると読めます。
事例1:受注から中2日の短納期で差別化した空調部品メーカー
白書の事例2-1-9に、宮城県の株式会社アステム(従業員90名)が載っています。空調設備の吹き出し口やダンパーを製造する会社で、製品そのものは同業他社と大きく変わりません。
同社は、同業では通常2週間程度かかっていた受注から納品までを「中2日」に短縮し、これを最大の特徴にしました。生産管理板や生産管理システムの導入、社員の多能工化で、残業に頼らずに短納期を続けられる体制を作っています。その結果、吹き出し口製品で国内第3位のシェアを持つまでになりました。
「商品が同じでも差別化できるのか」の章の表で示した、「買うとき」の場面で差をつけた例です。製品を変えずに、納期という買いやすさの要素で選ばれる理由を作っています。
事例2:配送先の困りごとを引き受けて差別化した物流会社
同じく白書の事例2-1-10に、大阪府の大日運輸株式会社(従業員50名)が載っています。建設現場へ建材を運ぶ物流会社です。配送は価格競争に巻き込まれやすいサービスです。
配送先の現場には「外壁のコーナー部材を寸法に合わせて加工する手間がかかっている」という声がありました。同社はその加工を引き受ける建材加工サービスを始めました。配送した外壁資材から出る端材を回収し、現場の寸法に合わせてコーナー部材に加工して再納品する仕組みです。この事業は総売上高の30%を占めるまでに育ちました。加工サービスで得た現場からの評価をもとに、本業の配送業も取引先が広がっています。
この取り組みは、「商品が同じでも差別化できるのか」の章で挙げた「商品+サービス」の打ち手に当たり、場面としては「買った後」で差をつけた例です。白書はこの会社を、本来の製品やサービスに付随的なサービスを加えて差別化に成功した企業として挙げています。
事例3:技術と製品の強みを「伝わる形」に変えて閲覧数を伸ばしたメーカー
3つ目は弊社の支援実績です。合成樹脂総合メーカーの南部化成株式会社様は、技術力と製品の強みを持ちながら、Webサイト上でそれが伝わる形になっていませんでした。
強みを顧客の言葉で言語化し、サービスページで伝える形に変えたところ、サービスページの閲覧数が伸びました。差別化の要素があっても、伝わらなければ選ぶ理由になりません。この事例は、「伝え方」だけで成果が変わることを示しています。
商品の差別化戦略を成功させる4つの手順

ここからは、差別化の軸を決めて市場で成立させるまでの実務を4つの手順で説明します。「進め方は3段階」の章のSTEP01(コンセプト)が手順1・2、STEP02(戦略)が手順3・4に当たります。「他とは違う」だけでは足りず、その違いが顧客にとって価値のあるものである必要があります。
手順1:自社にしかない強みを見つける
最初に、自社にしかない強みを特定します。「高品質」「低価格」のような、他社でも言える抽象的な言葉は強みになりません。
強みとは、製造技術や特許、長年の経験で培われた職人技、特定のサプライヤーとの関係、独自の企業文化など、他社が簡単に真似できない自社だけの価値です。老舗の和菓子店であれば、「創業以来変わらない製法」や「特定の地域でしか手に入らない素材」が強みに当たります。「美味しい」は他店でも言えるため、強みになりません。
強みは社内で考えるより、顧客に「なぜ選んだか」を聞くほうが早く見つかります。社内で当たり前になっていることほど、社内の会議では挙がらないからです。
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手順2:顧客にどう思われたいかを決める
次に、顧客から見て「どのような存在になりたいか」というブランドイメージを決めます。企業理念と混同されがちですが、ここで決めるのは「差がつく7つの要素」の章で述べた「情緒的価値」の土台です。
ファッションブランドを例にすると、「トレンドの最先端を行くブランド」と「長く愛される定番のブランド」では、目指す姿が違います。商品のデザインも価格帯も、宣伝の方法もそれに合わせて変わります。顧客に「このブランドを選ぶことで、自分は◯◯な人間になれる」と感じてもらえるかどうかが、価格で比べられなくなる分かれ目です。
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手順3:競合分析で空いている場所を見つける
自社の強みと、顧客に提供したい価値を決めたら、競合他社がどこに立っているかを調べます。競合の価格帯、商品の機能、ターゲット顧客、宣伝の方法を並べて比較します。
比較すると、自社が狙うべき市場や、競合がカバーしていない「空いている場所」が見つかります。競合が低価格帯に集中しているなら、高品質・高価格帯の小さな市場を狙うことで、独自の地位を作れます。競合の弱点を自社の強みで埋める戦略も有効です。
手順1で見つけた強みと、ここで見つけた空いている場所を重ね、7つの要素のうちどれで勝負するかを1つ決めます。納期で勝てるなら「買いやすさ」、顧客対応で選ばれているなら「愛着心」というように、要素の名前で言えるまで絞ります。
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手順4:独自の発信方法を決める
最後に、見つけた強み、決めたブランドイメージ、競合との違いを、どの媒体と経路で顧客に届けるかを決めます。差別化は「どこで、何を通じて伝えるか」で成果が変わります。前章の事例3(南部化成様)は、伝える場所(サービスページ)と言葉を変えて数字が動いた例です。言葉そのものの作り方は次章で扱います。
高級感を売りにする商品なら、テレビCMより、雑誌の広告や洗練されたブランドサイト、SNSでのビジュアル中心の発信が合います。親しみやすさを打ち出す商品に合うのは、ユーモアのあるSNS投稿や、顧客参加型のイベントです。
BtoBの部材や加工なら、テレビや雑誌よりも、自社サイトの事例ページ、業界の展示会、既存顧客からの紹介が届きやすい経路です。この4つの手順を踏むことで、価格競争から抜け出し、選ばれ続ける独自のポジションを築けます。
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顧客に選ばれるためのメッセージ設計

差別化の軸が決まっても、顧客に届く言葉になっていなければ選ばれません。「進め方は3段階」の章のSTEP03に当たるのが、この章のメッセージ設計です。ここでは、顧客の購入意欲を高めるメッセージの作り方を3つに絞って説明します。
キャッチコピーは商品の説明より「使った後の変化」を伝える
キャッチコピーは、商品の価値を一言に凝縮して顧客の注意を引く道具です。「新商品」「吸引力◯倍」のような商品側の説明よりも、顧客がその商品を使った後の変化を連想させる言葉のほうが心に残ります。
掃除機なら「吸引力が◯倍」より、「掃除が楽しい時間に変わる」「子供も掃除をしたがる」のほうが、顧客は自分の生活に置き換えて想像できます。ターゲットの悩みや願望を把握し、「この商品を使えば、今より良くなる」という期待を届ける言葉を選びます。
商品の背景をストーリーで伝える
人は理屈だけでは行動しません。商品の背景にある物語を伝えると、顧客にとって商品は「買った物」から「共感して選んだ物」に変わります。物語とは、開発者の想い、製造工程での試行錯誤、商品を通じて実現したいことなどです。
高級ブランドが商品の販売だけでなくブランドの歴史や職人の技術を語るのは、この考え方に基づくものです。「誰が、なぜ、どんな想いでこの商品を作っているのか」が伝わると、顧客は価格以上の価値を感じます。
媒体ごとに言葉のトーンを変える
同じメッセージでも、媒体によって響く言葉は変わります。日本酒を例にすると、若年層向けにInstagramやTikTokで発信するなら「いつもの夜が特別な時間に変わる」のようなカジュアルな言葉が合います。ビジネス層向けにLinkedInで発信する場合に必要なのは、「大切な人に贈る、語らいの一本」のような信頼感のある言葉です。
メッセージは一貫性を保ちながら、媒体ごとにトーンだけを変えます。軸がぶれると、どの媒体でも印象が薄くなります。
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商品の差別化でやってはいけない4つのこと
差別化を進める際に、成果につながらない進め方があります。支援の現場で繰り返し見てきた4つを挙げます。
- 値下げを差別化と呼ぶ:価格を下げるだけでは、価格競争の土俵から出られません。「差がつく7つの要素」のコストで述べたとおり、価格に見合う理由を示す形にします
- 顧客にとって意味のない違いを作る:社内では画期的でも、顧客の困りごとを解決しない違いは選ぶ理由になりません。違いを決める前に、顧客が何に困っているかを確かめます
- 根拠のない言葉で差別化を主張する:「業界No.1」「最高品質」のような裏づけのない表現は、短期的に注目を集めても、期待と現実のずれで信頼を失います。数字・事例・工程など、確かめられる根拠とセットで伝えます
- 一度決めた差別化を放置する:差別化しても競合が追随します。顧客の声を定期的に集め、選ばれている理由が変わっていないかを確かめ、伝え方を更新し続けます
差別化した商品をWebサイトで伝える方法
差別化の軸が決まったら、それをWebサイトに反映します。検索やSNSから来た見込み顧客が最初に見るのはWebサイトであり、そこに差別化の要素が無ければ、比較の段階で候補から外れます。
差別化の要素を置く場所は4つ|トップページ・商品ページ・事例・FAQ
Webサイトの中で、差別化の要素を置く場所は決まっています。
- トップページのファーストビュー:差別化の軸を1文で書き、社名の次に目立つ位置に置く。「高品質・低価格」のような他社でも言える言葉では、訪問者にページを閉じられる
- 商品・サービスページ:7つの要素のうち、自社が選んだ要素を、根拠(数字・工程・体制)とセットで並べる
- 事例・お客様の声:顧客が「なぜ選んだか」を語った言葉をそのまま載せる。第三者の言葉は自社の主張より信頼されます
- FAQ:買う前に顧客が抱く不安に先回りして答える。「商品が同じでも差別化できるのか」の章で示した「買う前」の場面に対応します
差別化の軸を決める段階から専門家に相談する
7つの要素と4つの手順は、社内でも進められます。一方で、自社の当たり前を強みとして見つけるには外の目が必要です。顧客ヒアリングの設計や競合との比較を第三者が担うと、社内では出てこなかった差別化の軸が短期間で言葉になります。
めぐみやのWeb集客コンサルティングでは、差別化の軸を決めるところから、Webサイトやコンテンツにどう反映するかまでを一貫して支援しています。差別化の軸が決まっていない段階からのご相談にも対応していますので、下記からサービス内容をご覧ください。

めぐみやのWeb集客コンサルティング
Webサイトを活用して売上と利益向上を目指しませんか?
めぐみやが集客からサイト運営まで一貫してサポート致します。
まとめ
商品の差別化で作るのは、価格で比べられない「選ばれる理由」です。差がつく場所は商品の中身に限らず、価格の根拠、買いやすさ、伝え方、買った後の体験にもあります。
人が商品を選ぶ理由は、機能的価値4つと情緒的価値3つの7つの要素に整理できます。中小企業白書の事例が示すとおり、製品を変えずに納期や付帯サービスで差をつけ、業績を伸ばした中小企業は実在します。
進め方は「コンセプト→戦略→メッセージ」の3段階です。前の2段階を実務に落としたのが4つの手順です。強みを見つける・顧客にどう思われたいかを決める・競合分析で空いている場所を見つける・発信方法を決める、の順に進めます。最後の段階で、決めた軸をキャッチコピーとストーリーに落とし込み、Webサイトのトップ・商品ページ・事例・FAQに置きます。
- 差別化の目的は価格競争から抜けること。差がつく要素は機能的価値4つ+情緒的価値3つの7つ
- 商品が同じでも、買う前・買うとき・買った後の3つの場面で差はつけられる
- 強みは社内で考えず顧客に聞く。決めた軸は根拠とセットでWebサイトに置き、定期的に更新する
商品の差別化からWebサイトでの伝え方、集客までを一貫して進めたい場合は、弊社のWeb集客コンサルティングをご検討ください。差別化の軸を客観的に整理し、選ばれるための仕組みを一緒に作ります。
商品の差別化に関するよくあるご質問
Q
商品の差別化とは何ですか?
A
他社の商品と区別され、顧客が「これを選ぶ理由がある」と感じる状態を作る活動です。製品の中身だけでなく、価格の根拠・買いやすさ・伝え方・買った後の体験まで含めて差をつけます。
Q
商品の差別化と製品差別化は同じ意味ですか?
A
製品差別化は、製品の機能や品質で違いを作る意味合いが強い用語です。商品の差別化は、それに加えて売り方・伝え方・購入後の対応まで含めて使っています。中小企業が差をつけやすいのは後者の領域です。
Q
他社と商品がまったく同じ場合、どこで差別化できますか?
A
買う前・買うとき・買った後の3つの場面で差をつけられます。見積もりの速さ、短納期や小ロット対応、購入後の相談窓口など、顧客の手間や不安を減らす対応が価格以外の選ぶ理由になります。
Q
価格競争に陥らずに商品を差別化するにはどうすればよいですか?
A
「安い」以外の選ぶ理由を作ることです。価格に見合う付加価値を根拠つきで示す、特定の顧客層に向けて商品を絞る、購入後のサポートを明示するなど、顧客が価格以外の価値を感じる形にします。
Q
中小企業が大手と差別化するにはどうすればよいですか?
A
大手の強みは規模です。中小企業は、顧客との距離の近さ、対応の速さ、特定顧客向けの作り込みで勝負できます。中小企業白書でも、特定顧客向けの製品・サービスの開発や付帯サービスで成果を出した企業が報告されています。
Q
差別化のポイントはどうやって見つけますか?
A
自社を選んでくれた直近の顧客に、他社を選ばなかった理由を聞くことと、競合の打ち出しを並べて比較することです。社内で当たり前になっている対応ほど、顧客に聞いて初めて強みだと分かります。
Q
商品の差別化はBtoBとBtoCで進め方が違いますか?
A
進め方は同じ4つの手順ですが、効きやすい要素が違います。BtoCは感性やライフスタイルに基づく情緒的価値が効きやすく、BtoBは納期・対応・導入効果・サポート体制などの合理的な判断材料が重視されます。
Q
技術力や資金が無くても商品を差別化できますか?
A
できます。納期、相談のしやすさ、購入後のフォロー、パッケージや限定企画など、製品開発の技術や大きな投資に頼らない要素でも差はつけられます。中小企業白書の事例には、配送先の困りごとを引き受けるサービスを足して差別化した物流会社もあります。
Q
商品の差別化でやってはいけないことは何ですか?
A
値下げを差別化と呼ぶこと、顧客にとって意味のない違いを作ること、根拠のない言葉で差別化を主張すること、一度決めた差別化を放置することの4つです。いずれも短期的には動いても、選ばれ続ける理由にはなりません。
Q
差別化した商品の強みをWebサイトのどこに書けばよいですか?
A
トップページのファーストビュー、商品・サービスページ、事例・お客様の声、FAQの4か所です。差別化の軸を1文で書き、数字や工程などの根拠、顧客の言葉とセットで置くと、比較の段階で候補に残りやすくなります。


