昨今のインターネットが整備されている環境において、ホームページを見られる機会も増えてきたのではないでしょうか。企業規模の大小に関係なく、ホームページを持つ事業者も増えてきました。
では、企業の事業運営にはホームページは必要なのでしょうか。今回は、ホームページの必要性について焦点をあてていきます。たとえば、過去から見るホームページの必要性は「どのように変わってきたのか?」を参考に、これからの時代にホームページ運営側に求められる考え方やスキルを紹介していきましょう。
目次
従来のホームページの意義
従来からのホームページを運営する意義とはどのようなものだったのでしょうか?従来のホームページは、企業の紹介として「名刺」のような役割にも捉えられました。
「事業運営をしていたら、ホームページの1つくらいなければSNSで肩書を証明できない」など、ホームページがあることで周囲に自社の存在をアピールするだけのものでした。
そのため、企業のホームページは、コーポレートサイトとして必要最低限の会社案内でよかったわけです。内容的には、以下の項目さえあれば企業ホームページは成り立っていました。
- 会社概要・沿革
- 経営理念
- 代表挨拶
- 事業所・スタッフ紹介
トップページを含めて2、3ページほどの堅苦しい内容で構成された企業のホームページが掲載されていたのです。
つまり、インターネット上に「自社を紹介したホームページがある」という信頼感を与えるためのものでした。そのため、ホームページを持たない企業も多かったのです。
従来であれば、ホームページから集客することなど考えもつかなかった状況でした。
ホームページの必要性に変化
しかし、時代は変わってきたのです。ホームページの必要性は「単なる名刺のような役割」ではなくて、インターネットを利用するユーザーに行動を起こさせるほどの影響力を持つようになりました。
整備されたインターネット環境
その背景として、インターネット環境が整備されたことがあげられます。従来ならば、「自宅に戻ってからネットで確認します」という言葉が不要になるくらい、どこからでもインターネットに接続できる環境が整ってきたのです。
具体的には、フリーWi-fiやモバイルWi-fiの利用拡大で、電波さえ届けばインターネットに接続できる環境を保てるようになりました。
スマートフォンの普及
さらに、Wi-fi環境の整備とともにスマートフォンなどのモバイル端末の普及がインターネットを身近なツールとしていったのです。スマートフォンの普及により、インターネットサービスの個人需要が拡大してきました。
その結果、インターネット上に自社の情報がない状態は、事業活動をしていないことに匹敵するくらいの影響力を持つようになったのです。
企業にホームページが必要な理由
このように、インターネット利用者が増えた昨今では、ホームページを持つことの重要性が高まっています。それでは、企業にホームページが必要な理由について、具体的に見ていきましょう。
商品やサービスを求めている人をつなぐ
企業のホームページがあることにより、その企業が扱う「商品」や「サービス」を利用して満足する検索ユーザーとのつながりを構築できるのです。検索ユーザーは、自分が知りたいことをインターネットで検索します。
検索結果に出てきた「商品」や「サービス」さらに、それを扱う企業の情報を知ることができるのがホームページの存在なのです。つまり、自社の営業能力以上の認知拡大や集客が可能になります。
24時間365日無休でサービスを提供できる
しかも、ホームページはリアル店舗のように、お店の開店準備をしたり、時間になったら閉店をしたりする必要がありません。インターネット上で公開しておけば、24時間365日フル稼働で営業ができるのです。
競合他社との差別化要素を見込み客へ訴求できる
また、ホームページでの集客の場合、競合他社と同じ土俵で競い合う必要がありません。競合他社にはない自社の特徴を差別化要素として、ちがった角度から見込み客に訴求ができます。
具体的には、競合がひしめき合う「中古車販売」を事業とする場合は、車の無料メンテナンス診断をサービスにすることで、ちがう切り口から見込み客を集めることです。つまり、リアルな営業とはちがって、あらゆる可能性を試しやすいのがホームページになります。
ホームページがあるメリット
次に、自社にホームページがあるメリットについて見ていきましょう。
継続的な見込み客の獲得による売上の安定
ホームページは、一度インターネット上に公開することにより、自動的に営業活動ができる仕組みを持っています。そのため、商品やサービスによっては継続的な見込み客を獲得することができるでしょう。
さらには、継続した顧客獲得が実現できれば、売上の安定にもつながります。
スピーディーな情報発信
また、ホームページは新聞や雑誌などに掲載する広告とちがって、スピーディーな情報発信が可能です。公開されているホームページで新商品の紹介や新しい取り組みなどを更新するのに、時間をとらない点がメリットとなるでしょう。
身軽な営業が可能
ホームページは、営業にかかる人的コストを軽くしてくれます。それは、営業職が1日に10件の訪問営業をするのが限界だとしたら、ホームページを使った営業の場合、その10倍、もしくは100倍以上の営業活動ができるのです。
共有のしやすさ
ホームページからの事業活動は、インターネット上で共有されやすくなります。企業が提供するサービスに価値を感じたユーザーが、他のユーザーに情報を共有する可能性があるからです。
そのため、ホームページは自社の想定した顧客獲得数以上に認知拡大が増していく可能性を秘めています。
ホームページを持つデメリット
続いて、ホームページを持った場合のデメリット部分について見ていきましょう。
手間と維持コスト
ホームページのデメリット部分は、制作と維持をしていくための運用にかかるコストだけです。ただし、会社にフルタイムの従業員を1人雇用するよりも時間的にも金銭的にもコストがかかりません。
特に、Web経験の浅い自社の人材を育てるよりも、専門家に相談されることで時間的コストの削減につながります。
ホームページのない企業の傾向
次に、ホームページを持っていない企業について見ていきましょう。ホームページのない企業には、次のような傾向がみられます。
オフラインで集客ができている
そもそも、インターネットで情報を公開しなくても、十分に集客ができている企業の場合、「今以上にサービスを拡大する必要がない」と判断してホームページを持たないケースもあるでしょう。
オフラインで集客ができていれば、新しい顧客の獲得に動かないことも考えられます。立地条件に恵まれていて、黙ってでも集客ができている駅前の飲食店などは、あえてホームページを持たないケースもあります。
Webでは売れないと判断している
また、違った理由でホームページを持たない事業者もいるでしょう。それは、「ホームページを持っていても商品が売れるわけがない」と決めつけてしまっている事業者です。
このような企業の傾向としては、「自分の目の届く範囲で商売をしなければ上手くいくはずがない」と始める前から、Web集客を信用していない状態があげられます。
このような傾向では、インターネットの可能性を実施する前から閉ざしてしまっていることにもなるでしょう。
コストがかけられないと判断している
さらに、ホームページを運営することに「会社の経費をかけられない」と判断している企業もいるのです。有形の設備投資にはコストをかけて、無形の施策にはコストがかけられない経営者も少なからずいます。
このような判断になると、インターネットを駆使したビジネス展開はむずかしくなるのです。
ホームページのない企業のデメリット
では、ホームページにない企業はどんなデメリットがあるのでしょうか?
情報発信がやりにくい
ホームページのない企業は、売上の伸び悩みにあったときに集客を考えます。そこで取り組む販促活動が、従来からある広告やチラシなどがあげられます。紙媒体での宣伝活動は、コストに見合わない結果にもつながるのです。
さらに、自社の商品を求めている顧客層がWeb上にいる可能性が高いのに、Web上には情報がないことにもなります。自社のホームページがないため、情報発信をやりにくくなるのです。
営業エリアの拡大できない
また、ホームページがないことは、自社の商品やサービスの紹介をオフラインで行うことになります。そのため、実際に行動を起こす営業エリアの拡大には限界が出てくることでしょう。営業エリアの規模が小さければ、見込み客の獲得規模も大きくならないのです。
これからの運営者に求められる考え方
いかがですか?ホームページを持たないことにより、営業活動も“頭打ち”の状況になっていきます。現在の消費者行動からもWeb検索によるホームページへの訪問は外せない施策となるのです。それでは、ホームページを持つために求められる考え方について、案内しましょう。
ユーザーはWeb検索により認知・比較・検討すること
ホームページを運営するにあたって、具体的に知っておくべき消費者行動があります。それは、インターネットユーザーがWeb検索を使って、企業の商品やサービスを認知し、比較し、検討します。
この一連の行動により、消費者自身が購買を決定するのです。そして、無人の営業システムとなるホームページ経由で購買行動が行われます。この流れを十分に理解しておいてください。
長期的な運営体制の構築
もう1つ、ホームページの運営は作ってしまえば終わりではありません。ホームページの運営は長期的な戦略になります。そのため、ホームページ運営に必要な体制を構築していく必要があるでしょう。
ホームページ運営者に必要なスキル
では、ホームページ運営の体制を整えるのにあたって、どのようなスキルを持った人材が必要になるのでしょうか?見ていきましょう。
コンテンツ企画スキル
ホームページを運営するために、最も必要なスキルがコンテンツを企画できるスキルです。コンテンツに企画とは、ホームページの中身すべてにおいて、顧客目線で捉えた情報やデザイン、配慮がされた内容を施策することがあげられます。
Webでは、リアルな営業活動と違う一方通行な展開が必要になるため、顧客を優先したコンテンツを企画できるスキルは重要な部分となるでしょう。
デザイン・コーディングスキル
また、Webデザインやコーディングのスキルも必要になります。インターネット上に公開したホームページが表示されなくなったり、デザインがくずれて見えづらくなったりした際に対応ができないと、ホームページへの訪問者が減ってしまうからです。
解析・改善スキル
ホームページを運営することは、日々のホームページの状態を解析して、改善点を抽出して実行していく地道な作業も必要になります。そのため、ホームページの運営にはWeb解析に情通していることも求められるのです。
ホームページ運営は専門業者に相談
ホームページの運営は、生半可な知識だけで取り組むと、多くが途中で挫折してしまいます。せっかく作ったホームページも、途中で断念してしまえばWeb集客の大きな成果を得られないままで終わってしまうのです。
そこで、Web集客に不安を抱えている状態であれば、ホームページの運営は専門業者に相談してみることにより、継続へのヒントを得られることでしょう。
ホームページ制作と運営は違う
ここで、ホームページの運営を専門業者に相談することを案内しましたが、ホームページ制作と運営は違うことを理解しておいたほうがいいでしょう。
あくまで、ホームページ制作はホームページのコンテンツやデザインなど土台になる「家づくり」のようなものです。できあがった家をよりよく維持していくために必要な取り組みがホームページ運営となります。
まさに、ホームページの運営は経験と実績がなければ長く維持していくことも難しくなるのです。そのような理由からも、専門業者への相談が必要になります。
外注によるメリット
ホームページの運営を専門業者に依頼した場合、外注契約となるでしょう。外注のメリットは、自社の人材でホームページを運営するよりも、経験豊かな専門家が担当してくれることです。
外注に依頼することにより、時間や人的コストを削減することができます。つまり、本業に集中できることがメリットとなるのです。
まとめ
ここまで、ホームページの必要性について、詳しく解説してきました。企業規模に関係なく、Web集客の可能性を理解できたことでしょう。また、ホームページを運営するにあたって、知識や経験が必要になるのです。
そのため、ホームページ運営を内製で乗り切ろうとして、失敗する前に「自社の状況を踏まえて」専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。