3C分析とは?中小企業のやり方・順番とテンプレート・記入例

調べたあと、何を決める? 中小企業の3C分析のやり方

記事の監修

株式会社めぐみや
代表取締役社長

大浦 理

「はじめてのWebサイト運用・集客入門」著者

Web集客・マーケティングの専門家として、15年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。

「3C分析という言葉は知っているが、顧客の欄に何を書けばよいか分からない」
「大企業の事例を読んでも、自社に置き換えられない」
「表は作ったが、そこから何を決めればよいのか分からない」

同じ迷いは、Yahoo!知恵袋にも投稿されています。「Appleを3c分析するとき、customer のところはどんなことを書けば良いのでしょうか?」という質問です。中小企業で戦略づくりを任された方からは、「中期事業戦略を策定せよという指示を貰いましたが、なにぶんにも全くそういう学びをしていないので、さっぱりです。(以下略)」という相談も寄せられています。

中小企業のWeb集客を、戦略から実装までご支援している、めぐみやの立場からお伝えします。3C分析は、戦略づくりの最初に使われるフレームワークです。中小企業では、大企業の事例をまねるより、手元にある記録とWebで集まるデータで3つの欄を埋めるほうが進めやすくなります。この記事のゴールは、最後に3つを重ねて「誰に・何で選ばれるか」を1文にし、Web集客に生かすところまでです。

本記事では、

  • 3C分析の意味と目的、顧客→競合→自社の順に進める4ステップ
  • テンプレートと、中小企業(地域の印刷会社)の記入例
  • 結論をWeb集客に生かす方法、使える材料、SWOT分析などとの違い、うまくいかない原因

を順にご紹介します。顧客・競合・自社それぞれの詳しい調べ方は、個別の記事に譲ります。

この記事はこんな人におすすめ
  • 3C分析の名前は知っているが、各欄に何を書けばよいか分からない方
  • 自社に置き換えられる、中小企業の記入例を見たい方
  • 3C分析の結果を、ホームページや集客の方針に生かしたい経営者・担当者の方

\通勤中・作業中にどうぞ!/この記事のAI音声版ポッドキャストが聴けます

3C分析とは?顧客・競合・自社の3つから事業の環境を分析するフレームワーク

3C分析とは何かを、意味・目的・中小企業が使う場面とともに示した図解。

3C分析とは、顧客・競合・自社の3つの視点から、事業を取り巻く環境を分析するフレームワークです。顧客はCustomer、競合はCompetitor、自社はCompanyで、3つの頭文字がどれもCで始まるため、3C分析と呼ばれます。経営コンサルタントの大前研一氏が提唱した考え方として知られ、マーケティングや事業の戦略を考える最初の段階で使われます。

3C分析の意味:顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)

3つのCがそれぞれ見るものは、次のとおりです。

3つのC 見ること
顧客(Customer) 市場の動き(需要が増えているか、減っているか)、お客様の困りごと、依頼や購入を決める前に迷う点
競合(Competitor) お客様が比べる相手(同業他社や、代わりになる手段)と、その相手が伝えていること・(お客様の困りごとや迷う点のうち)伝えていないこと
自社(Company) お客様に選ばれている理由、実際にやっていることとできないこと、今の集客の数字

顧客・競合・自社は、別々に行う調査ではありません。3C分析は、顧客が求めていることを軸に、競合がそれを伝えているか、自社が提供できるかを見比べるための枠です。

3C分析の目的:成功の鍵(KSF)を見つけ、誰に何で選ばれるかを決める

一般に、3C分析の目的は、市場で成功するための鍵を見つけ、戦略の方向を決める材料をそろえることだとされます。この鍵は KSF(Key Success Factor、重要成功要因)と呼ばれます。顧客が何を求め、競合がどこまで応えているかが分かれば、自社が力を入れる場所は絞りやすくなる、という考え方です。

中小企業では、使える人と予算に限りがあります。限られた力を集中させる先を決めるため、本記事ではKSFを「誰に・何で選ばれるか」と言い換え、それを決めることを3C分析の目的とします。決まった答えは、ホームページの文章、広告の言葉、営業の説明に共通する土台です。

中小企業が3C分析を使う場面

3C分析が役立つのは、次のような場面です。

  • 新しい商品やサービスを始めるとき
  • 問い合わせが減った、または価格だけで比べられるようになったとき
  • ホームページを作る、または作り直すとき
  • Web集客の方針を見直すとき

どの場面でも、「誰に・何で選ばれるか」が言えないまま手を動かすと、作業のたびに判断がぶれます。3C分析は、その判断の軸をそろえるために使います。

この記事で進める3C分析の手順と章

本記事は、次の順に読むと、自社の3C分析を表にまとめ、使い道まで決められる構成です。章の名前を押すと、その章に移ります。

読む順 やること この記事の章
1 目的を決め、顧客→競合→自社の順に調べて結論を出す 3C分析のやり方
2 テンプレートに書き込み、記入例と見比べる テンプレートと記入例
3 結論をホームページや記事に生かす 結論をWeb集客に生かす
4 2で欄が埋まらないときに、材料を集める 3C分析の材料
5 SWOT分析などを使うかを決める SWOT分析などとの違い
6 うまくいかないときに、原因を確かめる 3C分析がうまくいかない原因

3C分析のやり方|顧客→競合→自社の順に進める4ステップ

3C分析のやり方の前半を、準備・顧客から始める順番・顧客の欄とともに示した図解。

3C分析は、目的を1つに絞ってから、顧客→競合→自社の順に調べ、最後に3つを重ねて結論を1文にする流れで進めます。この章では、各ステップで欄に何を書くかを説明します。材料をどこで集めるかは、材料の章の表にまとめています。

準備:何のための3C分析かを1つに絞る

3C分析を始める前に、何のために分析するかを1つに決めます。「新しいサービスの売り先を決めたい」「ホームページからの問い合わせを増やしたい」のように、目的によって調べる範囲が変わるためです。あわせて、対象の商品、地域、お客様の種類も絞ります。会社全体を一度に分析しようとすると、欄に書くことが増えすぎて結論が出ません。

目的がいくつも出てくるときは、いま一番困っていることから1つを選びます。めぐみやでも、ご相談の段階でその点を伺い、目的を1つに絞っています。いま一番困っていることから始めれば、分析の結論がそのまま次の打ち手になるためです。

3C分析の順番:顧客から始める理由

3C分析は、顧客→競合→自社の順に進めるのが一般的です。めぐみやも、ご支援の中でこの順番で進めています。顧客から始めるのは、お客様が何を求めているかを知らないまま自社を見ると、自社の言いたいことを並べやすいためです。成果が出ていないホームページについてご相談を受けると、見込み客のニーズより、会社の言いたいことが前に出ている例が多く見つかります。

中小企業向けの解説には、身近な自社から始める方法を勧めるものもあります。自社から書いた場合でも、最後に顧客の欄と照らし合わせる作業は欠かせません。お客様が求めていない項目を外せば、同じ結論にたどり着けます。

ステップ1 顧客:お客様は何に困り、決める前に何に迷っているか

顧客の欄には、市場の動きと、お客様の困りごと、依頼や購入を決める前に迷う点を書きます。市場の動きは、需要が増えているか減っているかが分かれば十分です。手元の問い合わせの増減や、検索される言葉の増減で確かめられます。困りごとは依頼のきっかけになった悩み、迷う点は依頼先を決める直前に引っかかったことです。特に書き出したいのは、この迷う点です。迷う点は、そのまま依頼先を選ぶ決め手につながるもの。お客様が探すときに使う言葉(検索語)も、顧客の欄に書いておきます。お客様が何と比べたかは、次のステップ2で競合の欄に書きます。


困りごとと迷う点は、お客様自身の言葉で集めるのが基本です。既存のお客様数名に、何に困って依頼を考えたのか、なぜ選んでくれたのか、決める直前にどんな不安があったかを聞くのが近道です。選んだ理由は、ステップ3で自社の欄に書きます。めぐみやのご支援でも、初期に、ご支援先の既存のお客様3名ほどにオンラインでお話を伺えるよう、ご協力をお願いしています。お客様に話を聞くときに、ほかにどこと比べたか、そこで何と言われたかも聞いておきたいところです。比べた相手から言われたことは、ステップ4で役立ちます。その相手が、サイトに書いていないことを実際にやっているかを見分ける手がかりになるためです。顧客の欄の詳しい進め方は「顧客分析とは?中小企業が使う5つのフレームワークと進め方」で解説しています。

3C分析のやり方の後半を、競合のチェック・自社のチェック・3つを重ねた結論とともに示した図解。

ステップ2 競合:お客様が比べる相手は何を伝え、何を伝えていないか

競合の欄には、お客様が比べる相手を書きます。相手は同業他社に限りません。ネット通販や、自分で作るという選択も、お客様から見れば比べる相手になります。印刷を例にとると、ネット印刷や、社内のプリンターで刷ることも比較の対象です。

相手ごとに、何を伝えているかと、何を伝えていないかを書き出します。基準にするのは、顧客の欄に書いた困りごとと迷う点です。それぞれを1つずつ取り上げ、相手のサイトや資料がそれに答えているかを確かめます。ここでいう「伝えていない」は、相手が実際にやっていても、お客様から見える場所に書かれていない状態も含みます。お客様が比べるのは、目に見える情報だからです。相手の見つけ方と比べる項目は「競合分析とは?中小企業が自社でできるやり方と比べる項目」で詳しく扱っています。

ステップ3 自社:お客様が選んだ理由と、自社が実際にやっていること

自社の欄には、お客様が選んだ理由と、自社が実際にやっていることを書きます。社内で思っている強みより先に、ステップ1で聞いたお客様の言葉を置くのがこつです。そのうえで、提供できないことも書きます。できないことが書けると、誰に向けないかが決まります。あわせて、今の集客の数字(どの検索語で見つかっているか、問い合わせは月に何件か)も、後で変化を比べる基準として書いておきたいところです。

実際にやっていることは、社内では当たり前になっていて見落としがちです。めぐみやがお手伝いするときは、経営者の方にお話を伺いながら、その会社の特徴と、競合との差になる要因を整理します。そのとき伺うのは、なぜその事業をしているのか、どのようなときにやりがいを感じるか、といった問いです。自分たちで進めるときも、同じ問いに答えてみてください。答えの中から具体的な取り組みを拾い、お客様が挙げた理由を裏付けるものを、選んだ理由の後ろに書きます。自社の欄の書き方と強みの見つけ方は「自社の強みの見つけ方|わからない3つの原因と4ステップ・例文」にまとめています。

ステップ4 3つを重ねて、結論を1文にする

3つの欄が埋まったら、重ねて結論を1文にします。結論に入れてよいのは、次の3つの条件をすべて満たすものだけです。

  • 顧客が求めている:顧客の欄に、お客様の言葉として書かれている
  • 競合が伝えていない:競合の欄の「伝えていないこと」に入っている
  • 自社が提供できる:自社の欄に、実際にやっていることとして書かれている

3つのうち1つでも欠けると、選ばれる理由になりません。顧客が求めていなければ伝えても響かず、競合も伝えていれば横並びになり、自社ができなければ約束を守れないためです。結論の1文は、「(誰)に、(何)で選ばれる」の形で書くと、次に何をするかを決めやすくなります。

2つ目の条件「競合が伝えていない」には、2つの場合があります。相手が実際にはやっているのに書いていない場合と、相手が実際にやっていない場合です。どちらも結論に入れてかまいませんが、書いていないだけなら、相手が書き足した時点で横並びになります。相手が実際にやっていない場合は、追いつくのに仕事のやり方から変える必要があることも多く、差が続きやすくなります。比べる相手ごとに、その相手が実際にやっていない要素が結論に1つは入っているかを、確かめておきたいところです。ただ、相手が実際にやっているかどうかは、相手のサイトや資料だけでは分からないこともあります。ステップ1で聞いた、お客様が比べた相手から言われたことが手がかりになります。

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3C分析のテンプレートと記入例

3C分析のテンプレートと記入例を、地域の印刷会社の例と結論の確かめ方とともに示した図解。

3C分析は、3つの欄と結論の欄を持つ表1枚にまとめると、社内で共有しやすくなります。この章では、そのまま使えるテンプレートと、中小企業の記入例を紹介します。

3C分析のテンプレート

次の表を、紙や表計算ソフトに写して使えます。「書き出す問い」に答える形で埋めると、何を書けばよいか迷いません。

欄 書くこと 書き出す問い
顧客(Customer) 市場の動き・お客様の困りごと・決める前に迷う点・検索語 需要は増えているか、減っているか/お客様は依頼(購入)の前に何に困っていたか/決める直前に何に迷ったか/お客様はどんな言葉で探しているか
競合(Competitor) 比べられる相手と、その相手が伝えていること・伝えていないこと お客様は誰(何)と比べたか/その相手は何を売りにしているか/顧客の欄の困りごとや迷う点のうち、その相手が書いていないことは何か
自社(Company) お客様が選んだ理由・実際にやっていること・できないこと・今の数字 お客様は何を理由に選んだか/それを裏付ける実際の取り組みは何か/自社にできないことは何か/今の集客の数字はどうか
結論 誰に、何で選ばれるか(1文) 顧客が求め、競合が伝えておらず、自社が提供できることは何か

冒頭で紹介した「customer のところはどんなことを書けば良いのか」という質問への答えが、顧客の欄の3つの問いです。大企業でも中小企業でも、問いは変わりません。違うのは、答えの材料をどこから集めるかです。

記入例:社員10名の地域の印刷会社の3C分析

テンプレートを、地域の印刷会社に当てはめた例です。説明のための仮の例で、実在の会社ではありません。法人向けのチラシやパンフレットの印刷を手がける、社員10名の会社を想定しています。目的は「ホームページからの問い合わせを増やすために、誰に何を伝えるかを決める」です。

欄 記入例
顧客(Customer) 相手:地元の中小企業や店舗で、販促物を担当する総務の方や店長。社内に専任のデザイナーはいない
需要:問い合わせの記録では、この1年で「急ぎ」「少部数」の相談が増えている
困りごと:既存のお客様3社に聞くと、「デザインを作る時間が無い」「急に必要になる」「100部ほどでよい」が挙がった
迷った点:「デザイン料が別にいくらかかるか分からない」「急ぎのときは電話で相談したい」
検索語:「チラシ 印刷 (市の名前) 即日」「チラシ デザイン 依頼」
競合(Competitor) ネット印刷:価格の安さと発送の早さを伝えている。データは自分で用意する前提。デザインの相談、電話での急ぎの相談、100部前後の注文については書いていない
市内の同業2社:価格は自社と同じ水準。「高品質」「短納期」と設備の紹介を伝えている。注文は500部から。デザインの相談と、電話での急ぎの相談については書いていない
代わりの手段:社内のプリンターやテンプレートで自作する
自社(Company) 選んだ理由:「メモ書きの原稿のままで相談してよいと言われた」「急ぎの依頼でも、電話ですぐに相談に乗ってくれた」
実際にやっていること:社内にデザイナーが2名いて、当日の電話相談に応じている。100部から刷れる
できないこと:数万部を最安で刷る注文では、価格でネット印刷にかなわない
今の数字:ホームページからの問い合わせは月5件ほど。Search Console(Googleの無料の検索分析ツール)では「チラシ 印刷 (市の名前)」で表示されているが、「チラシ デザイン 依頼」ではほとんど表示されていない
結論 デザインを作る時間が無い地元企業の担当者に、メモ書きの原稿からのデザイン相談、電話での急ぎの相談、100部からの印刷を、1つの窓口で引き受けることで選ばれる

印刷会社の結論を、3つの条件で確かめる

記入例の結論は、記入例の表の最後の行に書いた1文です。結論に入れた要素は、デザインの相談・電話での急ぎの相談・100部からの印刷の3つ。これをステップ4の3つの条件に当てはめると、次のようになります。

  • 顧客が求めている:「デザインを作る時間が無い」「急ぎのときは電話で相談したい」「100部ほどでよい」が、お客様の言葉として顧客の欄にある
  • 競合が伝えていない:デザインの相談と、電話での急ぎの相談は、ネット印刷も同業2社も書いていない。少部数は、同業2社が500部からで、ネット印刷も100部前後の注文について書いていない
  • 自社が提供できる:社内のデザイナー2名によるデザイン相談、当日の電話相談、100部からの印刷を、すべて自社の1つの窓口で受けている

ただし、上の2つ目の条件では、相手が書いていないだけなのか、実際にやっていないのかまでは分けていません。そこで、ステップ4で勧めたとおり、相手ごとに実際にやっていない要素が結論に入っているかを確かめます。目安は、相手のサイトに、やらないことや受けない条件が書かれているかどうかです。ネット印刷は、デザインの相談について書いていませんが、データは自分で用意する前提と書いています。そのため、デザインの相談には応じていないと判断できます。同業2社は注文を500部からとしているので、少部数の注文を受けていません。自作には相談に乗る相手がいないので、デザインの相談も電話での急ぎの相談もできません。ネット印刷・同業2社・自作のどれに対しても、実際にやっていない要素が結論に1つは入っていることになります。電話での急ぎの相談は、ネット印刷と同業2社のどちらについても、実際にやっているかがまだ分かりません。同業2社のデザインの相談と、ネット印刷の100部前後の注文も同じです。どれも、やるともやらないとも相手のサイトに書かれていないので、ホームページからは確かめられません。お客様から、同業2社のどちらでも「デザインのデータは自分で用意するように言われた」と聞けていたとします。その場合は、デザインの相談も、同業2社が実際にやっていない要素に加えられます。

社内では「高品質」「短納期」を言いたくなりますが、どちらも同業2社が伝えているので、結論には入れません。急ぎについては、刷り上がりの早さの代わりに、電話の相談で応えることを結論に入れています。価格の安さも、ネット印刷と比べられると勝てないので外します。この会社がホームページで最初に伝えるのは、価格より先に「メモ書きの原稿から相談できる」ことです。「チラシ デザイン 依頼」での表示がほとんど無く、この強みがまだ検索するお客様に届いていないためです。

3C分析の結論をWeb集客に生かす

3C分析の結論の使い道を、Web戦略・サービスページ・記事のテーマとともに示した図解。

3C分析の結論は、Web戦略・サービスページ・記事のテーマの3か所に使うと、ホームページの言葉がそろいます。分析した表をしまい込むと、ページを直すたびに判断がぶれます。分析を終えたら、すぐに使い道を決めておくのが近道です。

結論を、事業の方針を1枚にまとめたWeb戦略の「誰に」「なぜ自社か」に書く

Web戦略は、Webを通じて事業目標を達成するための基本方針です。別の記事では、中小企業のWeb戦略を「誰に・何を・なぜ自社か・どの経路で・何で測るか」の5項目にして、1枚に整理する方法を紹介しています。3C分析の結論のうち、「(誰)に」の部分はWeb戦略の「誰に」の欄に入ります。「(何)で選ばれる」の部分は選ばれる理由にあたるため、入れる先は「なぜ自社か」の欄です。残りの欄の書き方は「Web戦略とは?中小企業が1枚で立てる手順と戦術との違い」で解説しています。

サービスページの冒頭と「選ばれる理由」に、結論を置く

結論の1文は、お客様向けの言葉に言い換えて、サービスページの冒頭に置きます。ページを開いた人が最初に読む場所で、「誰に・何で選ばれるか」が伝わるようにするためです。記入例の印刷会社なら、冒頭に「メモ書きの原稿からご相談いただけます」と書き、価格表はその後に置きます。

ページに「選ばれる理由」のブロックを設けている場合は、自社の欄に書いたお客様の言葉を、そのまま根拠として並べます。お客様の言葉を載せる前には、文面と社名を出してよいかを、お客様に確かめる手順も必要です。

顧客の欄に集めた検索語から、記事のテーマを選ぶ

顧客の欄に書いた検索語は、記事のテーマの候補になります。記入例の「チラシ デザイン 依頼」で検索する人は、デザインを頼めるかどうかを知りたい人です。この人に向けて、メモ書きの原稿から仕上がるまでの流れを記事にすれば、結論の1文と同じことを別の入口から伝えられます。

記事のテーマを思いつきで選ぶと、結論とずれた内容が増えていきます。テーマを顧客の欄の検索語から選ぶと、記事とサービスページで同じ話が続くので、読んだ人が迷いません。

「結論は出たが、サービスページや記事に落とし込む時間が無い」という場合もあるでしょう。めぐみやのWeb集客コンサルティングでは、結論の反映先を一緒に決め、サービスページの修正作業までを月額の範囲で行います。記事の制作は、別のサービスとしてお受けしています。

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めぐみやのWeb集客コンサルティング

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中小企業が使える3C分析の材料|手元の記録とWebで集まるデータ

3C分析の材料を、顧客・競合・自社の欄ごとの手元の記録とWebのデータとともに示した図解。

3C分析の材料は、手元にある記録と、Webで無料で集まるデータの2つから集められます。調査会社のデータや大がかりなアンケートが無くても、3つの欄は埋まります。欄が埋まらないときは、この章の表から足りない材料を探してください。

3つの欄ごとの材料一覧

欄ごとに、手元で見つかる材料と、Webで無料で集まる材料を並べました。

欄 手元にある材料 Webで無料で集まる材料
顧客 既存のお客様の声(選んだ理由・決める前に迷った点)、問い合わせや見積もり依頼の文面 検索窓に出る言葉の候補(サジェスト)、Search Console の検索語、Yahoo!知恵袋などの質問、Googleトレンドで見る検索の増減
競合 商談や見積もりで名前が出た相手、断られたときの理由 主な検索語で出る検索結果の上位、比べられた相手のサイト、口コミ
自社 受注の記録、お客様の声、社内では当たり前になっている作業の手順 Search Console の表示回数・順位・クリック、GA4(Googleアナリティクス)の「探索」で見るページごとの閲覧数

手元の材料は、実際の取引の記録なので、欄の中身の根拠になります。Webのデータは、まだ取引の無いお客様や、商談では名前の出ない競合を知るのに役立ちます。両方を並べておけば、思い込みで欄を埋める心配もありません。

表に出てくるSearch Console・Googleトレンド・GA4は、どれもGoogleが無料で提供しているツールです。Search Console は、自社のサイトがGoogleの検索でどう表示されているかを調べるツールです。Search Console のデータをどの欄に置くかは、次の見出しで説明します。Googleトレンドは、ある言葉の検索が増えているか減っているかを見るツールです。GA4(Googleアナリティクス)は、サイトに来た人がどのページを見たかを調べるアクセス解析のツールです。その中の「探索」という機能を使えば、ページごとの閲覧数を並べられます。自社の欄には、どのサービスのページがよく見られているかを書けば十分です。

Search Console の検索語は「顧客」の欄に、順位とクリックは「自社」の欄に置く

Search Console(サーチコンソール)の画面には、検索語と、自社のページの順位やクリックが並びます。3C分析では、この2つを別の欄に置きます。

検索語は、お客様がどんな言葉で探しているかを示すので、顧客の欄の材料です。順位とクリックは、自社がその言葉でどれだけ見つかっているかを示す成績なので、自社の欄の材料です。データの出どころでまとめず、何を知るためのデータかで欄を分けると、顧客の欄に自社の成績が混ざりません。なお、Search Console で分かるのは、どの言葉で見つかっているかまでです。その言葉で来た人に選ばれたかは、問い合わせの内容やお客様の声で確かめます。

競合の欄は、商談で名前が出る相手と、検索結果の上位の両方から書く

商談で名前が出る相手と、Webで比べられる相手は、同じとは限りません。地域の印刷会社なら、商談では市内の同業の名前が出ても、検索結果の上位にはネット印刷が並ぶことがあります。ホームページで集客するなら、検索結果の上位に出る相手も競合の欄に入れておきたいところです。

検索結果を見るときは、主な検索語で実際に検索し、上位に出るページが何を伝えているかを読みます。上位のどのページにも書かれていない内容が、自社の言える差の候補です。

あわせて読みたい

3C分析とSWOT分析・4P分析などの違い|使う順番

3C分析とほかのフレームワークの違いを、SWOT分析との違い・使う順番・4C分析と6C分析とともに示した図解。

3C分析は、SWOT分析やSTP分析などと組み合わせて使われますが、それぞれ見る範囲と使う段階が違います。この章では、違いと使う順番を整理します。

主なフレームワークとの違い

3C分析と組み合わせて使われる、主なフレームワークを並べました。

フレームワーク 見るもの 3C分析との関係
PEST分析 政治・経済・社会・技術という、業界の外の大きな変化 3C分析の前に、市場の動きの背景を知るときに使う
3C分析 顧客・競合・自社という、事業のすぐ周りの環境 事実をそろえる中心の枠
SWOT分析 自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威 3C分析でそろえた事実を、4つに分けて評価する
STP分析 市場の分け方・狙う相手・立ち位置 3C分析の結論の「誰に」を、さらに細かく決める
4P分析 商品・価格・流通・販促の4つ 結論を、具体的な売り方に落とす

3C分析とSWOT分析の違い:3Cは事実を並べ、SWOTはその事実を4つに分けて評価する

3C分析とSWOT分析は、混同されやすい組み合わせです。Yahoo!知恵袋にも「3Cの「自社」は「強み、弱み」、「市場、競合」は「脅威、機会」と対応しているように思えます。(以下略)」という質問があります。

先に答えると、自社の欄は強み・弱みに、顧客と競合の欄は機会・脅威に、おおむね対応します。ただし、両者は何をするための枠かが違います。3C分析は、顧客・競合・自社の事実を並べるための枠。SWOT分析は、並べた事実を、自社にとって強みか弱みか、外部の機会か脅威かに分けて評価する枠です。たとえば、記入例の競合の欄にある、ネット印刷の「価格の安さ」は、3C分析では競合の事実として書きます。SWOT分析では、価格で比べられる注文が流れていく脅威として扱います。なお、SWOT分析の機会や脅威に入るのは競合だけではありません。法律や景気の変化も含まれます。

使う順番:3Cで事実をそろえてから、SWOT・STP・4Pへ進む

一般的な順番は、PEST分析→3C分析→SWOT分析→STP分析→4P分析です。外の大きな変化から事業のすぐ周りへと範囲を狭め、最後に売り方を決める流れです。

中小企業が、この5つを最初から全部そろえる必要はありません。3C分析の結論が出たあとで、「誰に」をもっと細かく決めたいならSTP分析を使います。売り方を見直したいなら4P分析です。このように、足りないところにだけ使えば足ります。どのフレームワークがWeb戦略の5項目のどれの材料になるかは、Web戦略の記事のフレームワークの章でも整理しています。

4C分析・6C分析との違い

3C分析に要素を足した考え方もあります。4C分析という名前で紹介されているのは、3つのCに流通の経路(Channel)を加えたものです。同じ名前で、顧客の立場から4Pを見直す別の考え方もあるので、使うときはどちらの意味かを確かめてください。BtoB(企業向け)の取引向けには、6C分析という考え方も紹介されています。顧客企業の側にも3C(その会社の顧客・競合・自社)があると考え、自社側の3Cと合わせて6つのCで見るものです。部品や業務用の商品を扱う会社なら、顧客の欄に「取引先のお客様は何に困っているか」を1行足すだけでも、同じ視点を取り入れられます。

3C分析がうまくいかない3つの原因

3C分析がうまくいかない原因を、顧客の欄の推測・自社の欄の言いたいこと・3つを重ねないことの3つとともに示した図解。

3C分析がうまくいかない原因は、顧客の欄を推測で埋めること、自社の欄が言いたいことになること、3つを重ねないこと、の3つです。どれも、表は埋まっているのに結論が出ない、または出た結論が使えない状態を生みます。

原因1 顧客の欄を、お客様に聞かずに推測で埋めている

顧客の欄を「品質を重視する」「価格に敏感」のような推測で埋めると、どの会社にも当てはまる言葉が並びます。推測の言葉からは、競合と違う結論は出ません。

お客様に直接聞く時間が取れない場合でも、問い合わせのメールや見積もり依頼の文面には、お客様の言葉が残っています。材料の章の表から、手元に残っているものを探してください。

原因2 自社の欄が「自社が言いたいこと」になっている

自社の欄に「誠実な対応」「確かな技術」のような社内の言葉が並ぶと、顧客の欄と重なりません。めぐみやに寄せられる、売上が安定しないというご相談でも、原因として多いのは、自社の魅力がお客様に伝えきれていないことです。社内の言葉のままでは、魅力があっても、お客様には選ぶ理由として届きません。

直し方は、自社の欄の先頭に、お客様が選んだ理由を書くことです。社内の言葉は、具体的な取り組みに言い換えてから、その後ろに置きます。

原因3 3つを別々に調べて、重ねていない

顧客・競合・自社をそれぞれ調べても、重ねなければ結論は出ません。3つの欄が詳しく埋まっているのに、「では何で選ばれるのか」に答えられない状態です。調べることが目的になると、表は厚くなっても、ホームページの言葉は変わりません。

ご支援の現場で見ると、集客に成功している会社に共通するのは、自社の強みを理解していることです。3つを重ねて結論を1文にする作業は、その強みを、社内の誰もが同じ言葉で言えるようにするためのものです。ステップ4の3つの条件で、表から結論を1文取り出してください。

めぐみやの3C分析のご支援

めぐみやのWeb集客コンサルティングは、3C分析から始まり、その結論をもとに施策の実行と改善まで進めるご支援です。以下は、実際のご支援の始め方と、無料で受けられる診断の内容です。

ご支援を始めるときに、ご支援先ごとに3C分析の資料を作ります


めぐみやでは、ご支援を始めるときに、ご支援先ごとに顧客・競合・自社の3つをまとめた資料を作ります。そのためにご契約後、最初に行うのが、市場と競合の調査と、ご支援先のビジネスについてのヒアリングです。作った資料は半年を区切りに見直し、顧客・競合・自社のどこかが変わっていないかを確かめています。


合成樹脂関連の総合メーカーの南部化成様から寄せられたのは、「進めるうちに、自社の強みや魅力を再確認する機会になっています。」というお声です。

ご支援実績南部化成株式会社様 合成樹脂関連の総合メーカー/静岡県

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ご支援は、現状分析・戦略設計・施策の実行・改善の4工程で進めます。月額は10〜20万円で、初期費用は0円です。最低契約期間は設けておらず、ご契約は1ヶ月単位です。月額には、SEO・LLMO・GEO対策(検索エンジンやAIの回答に向けた対策)、キーワード調査、競合調査が含まれます。加えて、レビューMTG(結果を確認する打ち合わせ)、SNS運用のご支援、内部SEO対策(ページの修正作業)も月額の範囲です。記事制作とサイト制作は別のサービスです。

無料のホームページ診断で、今の検索語と競合サイトとの差をお伝えします

3C分析の材料のうち、自社のサイトがどんな検索語で何位に表示されているかと、競合サイトとの差は、めぐみやの無料のホームページ診断でもお伝えしています。診断でお渡しするのは、検索順位と集客の推移の分析、競合サイトとの比較(表示されている検索語の数・月間の流入数)、課題の整理と今後の方針です。お問い合わせフォームの内容欄に「無料診断希望」とサイトのURLをご記入ください。

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まとめ

3C分析は、顧客・競合・自社の3つの視点から、事業を取り巻く環境を分析するフレームワークです。中小企業では、目的を1つに絞ってから、顧客→競合→自社の順に調べます。最後に3つを重ねて「誰に・何で選ばれるか」を1文にすると、分析を次の打ち手に使えます。結論に入れるのは、顧客が求め、競合が伝えておらず、自社が提供できることだけです。

材料は、お客様の声や問い合わせの記録といった手元のものから集められます。検索語・検索結果・Search Console のように、Webで無料で集まるものも使えます。結論の使い道は、Web戦略の「誰に」「なぜ自社か」、サービスページの冒頭、記事のテーマの3つです。SWOT分析などは、3C分析で事実をそろえた後、足りないところにだけ使えば十分です。

「自社の3C分析を書いてみたが、結論の1文が出ない」「今の検索語と競合との差を知りたい」という方は、お問い合わせフォームからご相談ください。無料のホームページ診断も受け付けています。

この記事のまとめ
  • 3C分析は、顧客・競合・自社の3つから事業の環境を分析するフレームワーク。中小企業では「誰に・何で選ばれるか」を決めるために使う。
  • 進め方は、目的を1つに絞る準備のあと、顧客→競合→自社→3つを重ねて結論を1文に、の4ステップ。結論に入れるのは、顧客が求め、競合が伝えておらず、自社が提供できることだけ。
  • 材料は手元の記録とWebのデータ。結論はWeb戦略・サービスページ・記事のテーマに使い、SWOT分析などは足りないところにだけ使う。

3C分析に関するよくあるご質問

最後によくあるご質問をいくつかご紹介致します。
みなさまのWeb集客にお役に立てば幸いです。
その他、ご不明な点がございましたら以下のリンクよりお気軽にご相談下さいませ。
無料オンライン相談はこちらからどうぞ。



Q

3C分析の読み方は?

A

「さんシーぶんせき」と読まれることが多い言葉です。グロービス経営大学院の用語集でも「3C(サンシー)」と表記されています。「スリーシー」と読む人もいますが、指している内容は同じです。顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの頭文字が、どれもCで始まることから付いた名前です。

Q

3C分析はどの順番で進めればよいですか?

A

一般には、顧客→競合→自社の順に進めます。めぐみやが3C分析を行うときも、この順番です。お客様が何を求めているかを先に知っておくと、自社の欄に、お客様に選ばれる理由を書きやすくなるためです。始める前に、何のための分析かを1つに絞っておくと、調べる範囲が決まります。

Q

3C分析とSWOT分析は、どちらを先に使いますか?

A

3C分析が先です。3C分析で顧客・競合・自社の事実をそろえてから、SWOT分析でその事実を強み・弱み・機会・脅威に分けて評価します。3C分析で「誰に・何で選ばれるか」の結論が出ていれば、SWOT分析は、評価に迷う点が残ったときに使えば足ります。

Q

3C分析は社長1人でもできますか?

A

表を書くこと自体は1人でもできます。ただし、顧客の欄は社長の推測で埋めず、既存のお客様の声や、問い合わせ・見積もり依頼の文面から書きます。書き終えた表を、営業や現場の担当者と読み合わせると、社内で当たり前になっていて見落としていた取り組みが見つかることがあります。

Q

生成AIで3C分析はできますか?

A

集めた材料を3つの欄に振り分ける作業や、表の下書きには使えます。欄に書く中身は、お客様の言葉、競合のサイトの記載、自社の記録から取ります。AIが一般論で埋めた欄は、どの会社にも当てはまる言葉になりやすく、結論で差が出ません。結論の1文は、自社で決めます。

Q

3C分析はどのくらいの頻度で見直しますか?

A

めぐみやのご支援では、3C分析は半年を区切りに見直しています。見直すときは、顧客・競合・自社のどの欄が変わったかを確かめ、変わった欄から書き直します。変わっていなければ、結論の1文はそのまま使います。一般には、大きな競合が現れたときや、主力の商品を変えたときも、見直しのきっかけになります。

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