Googleの評価基準として見直され始めているロングテールSEOについて、従来ならば、過去の被リンクによるトップページ対策に過ぎなかった手法が今後のコンテンツSEOで重要な部分を占めています。この記事では、これからのWeb集客で重要になるロングテールSEOについて、注意点や方法など詳しく解説していきましょう。
目次
ロングテールSEOとは
まず、ロングテールSEOとは、どのような手法になるのでしょうか?ロングテールSEOを理解するためには、ロングテールの法則を知ることが必要です。
ロングテールの法則とは、SEO対策において多くのアクセスユーザー数を誇る人気の高いWebサイトがあるとします。そのWebサイトのアクセスは一部のメインキーワードだけではなく、アクセス数が少ないキーワードも追加して増大させていくことで結果的にメインキーワード以上のアクセス流入結果につながることです。
基本的な考え方
基本的には、ロングテールのことをインターネットの仕組みを活用して、実店舗では、陳列不可能な数の商品を陳列することで、商品数の多さにより訪問者を増やすイメージになります。
このような状況は、オンライン大手販売サイトのAmazonによりロングテールが全体売上の80%を占めていることから有効的とされているのです。売上の80%が、多くの売れにくい商品が占めていることから、関連するニッチなキーワードを重要視するようになりました。この流れがロングテールの基本的な考え方なのです。
ロングテールSEOによる効果
続きまして、ロングテールSEOがWebサイトにどのように効果をもたらすのか?について解説します。ロングテールSEOの効果は、1ページ1ページのアクセスが少なくても結果的にWebサイト全体のアクセスを量産して、Webサイトの評価を上げることです。
つまり、競合が集まる人気の高いビッグキーワードでの対策ではなく、アクセスの少ない複合キーワードによるWebページを追加量産していくことの積み重ねになります。それにより、結果的に多くのアクセスを生み出す増大なWebサイトとなるのです。
メリットとデメリット
次にロングテールSEOを行う上でのメリットとデメリットについて解説していきましょう。
メリット
ロングテールSEOのメリットは、積み重ねてきた関連する複合キーワードによる複数のWebページから内部リンクを強化できる点です。それにより、検索エンジンからのWebサイト自体の評価も高くなります。
デメリット
ロングテールSEOは、Webサイトの全体テーマとなるメインキーワードに関連する複合キーワードごとにWebページを追加していく積み重ね作業が必要になるため、時間と労力が必要となるのです。自社Webサイトの担当者の日々の分析やWebサイト更新の負担がかかる面が大きなデメリットとなるでしょう。
その際、ロングテールSEOの施策から取り組みまでを専門家に相談してみることも解決策につながります。Webコンサルから運用代行までを請け負ってくれる業者などはお勧めです。
ロングテールSEOがなぜ重要なのか?
続きまして、ロングテールSEOの重要性について見ていきましょう。特にアクセス解析を活用していくことでロングテールSEOの重要性を再認識できます。
それは、アクセス解析の活用により、Webサイトがメインに流入キーワードとするメインキーワード全体のアクセス数よりもニッチな少ないアクセス数の複合キーワードを合算したアクセス数のほうが多いという事です。
つまり、ロングテールSEOで集めたアクセスは、Webサイト全体のアクセスの土台になっていることが理解できます。1つのテーマを持ったWebサイトをテーマに関連した複合キーワードでコンテンツを増やしていくイメージです。この積み重ねにより、検索エンジンのGoogleに評価されていくので長期間かけた安定したWebサイト運用を目指すことに向いている手法となるでしょう。
以上の理由から、検索エンジン最適化対策に向けてもロングテールSEOは重要性があります。
従来は過去の被リンクによるトップページ対策だった
従来のSEO対策では、過去の被リンクからWebサイトのメインとなるトップページに送る被リンク効果が重要視されていました。
しかし、この闇雲なトップページへの被リンク行為が、関連性のないWebサイトからのリンクだったり、自動的に設定された被リンクだったり、リンク販売業者より購入した不自然な被リンクだったりしたのです。
このような状況の中、検索エンジンでは不自然な被リンクに対して対策が施された経緯になります。
コンテンツによるロングテール集客が評価される
現在のWeb集客では、不自然な被リンクの増加や関連性のないWebサイトからの被リンク、関連性のないWebページの水増し追加なども評価を下げる対象となるでしょう。
そのため、Webサイトのテーマに沿ったメインキーワードを中心にして深堀されたコンテンツが重要視されていくのです。コンテンツ中心のWebサイトを運用していくためにロングテール手法は、検索エンジンからも評価されていく重要な取り組みとなるでしょう。
ロングテールSEOを進めるうえでの注意点
ここまでロングテールSEOのメリットや重要性について、解説してきました。検索エンジンに評価される取り組みとして、安定したWebサイトの運用が見込めることでしょう。ただし、ロングテールSEOの手法を行う上で知っておかなければならない注意点があります。
この注意点を無視して、Webサイトのページコンテンツを量産してしまうと検索エンジンに対して逆効果になるのです。ロングテールSEOの注意点は、ドアウェイページを作成しないことになります。
ドアウェイページとは、ページ内容は変わらないのにページコンテンツ内の「色・地域名・店舗名」のみをタイトルや見出しだけを変更して量産していく手法のことです。このような手法は、自動ツールなどで作成も可能になります。そのため、品質の低いコンテンツとしてGoogleより評価を下げる対象となったのです。
具体的には、「英会話スクール+地域名」で「英会話スクール+大阪」「英会話スクール+仙台」「英会話スクール+横浜」など、または「大手チェーン店名+店舗名」なども同様になります。このようなページの量産になると自動化してページを増やすことが可能になるのです。
ロングテールSEOが効果的でもドアウェイページの方向性に進まないように注意をしましょう。
ロングテールSEOで重要な部分
それでは、いままでのポイントからロングテールSEOを行う上で重要な部分を取り上げてみます。どの部分を重要視してロングテールSEOを進めていくべきか?間違った方向にウェブサイトを運用していかないためにも知っておくべき部分を見ていきましょう。
コンテンツ設計
まず、ロングテールSEOで重要な部分の1つは、コンテンツ設計になります。ロングテールSEOでのコンテンツ設計とは、Webサイト構造を設計段階で選定しておくことです。
運用前のWebサイト構築段階において、テーマに沿ったメインキーワードを軸にして構造状態があやふやなままだとロングテールSEOで追加していくニッチキーワードによりテーマから外れてしまう可能性もあります。
メインキーワードを主体としたテーマを選定した場合、そのテーマの中で展開していく深堀されたニッチキーワードを活用していくのです。その際、大小カテゴリは重要なコンテンツ設計となります。ロングテールSEOの量産には、コンテンツの脱線がページの一貫性を弱めることにもなるのです。
最適なトピック記事の提供
さらに、ロングテールSEOにおいての重要な部分は、Webサイトのテーマに適したトピック記事の提供になります。それは、特化されたテーマの業界での最新情報であったり、実際にあった事例であったり、検索ユーザーに役に立つコンテンツ記事を提供することが大切です。
ロングテールSEOでは、従来から関連するニッチなキーワードから時代背景などが影響して発生する最新キーワードまでを含めて、検索ユーザーの興味関心を高める方向性に運用を進めていくことになります。以上、2つの重要な部分を無視してWebサイト構築から運用までを進めてしまうとロングテールSEOでは、違った方向性に進んでしまうことがあることを理解しておきましょう。
ロングテールSEOのやり方
さて、最後にWebサイトを運用していくうえで効果の高いロングテールSEOを取り入れていくために、「実際、どのように始めていけばいいのか?」ロングテールSEOのやり方について解説していきます。手順としては、次の通りです。
- ページキーワード選定
- キーワードからページタイトルを選定
- 選定キーワードから更に関連するキーワードを展開
ロングテールキーワードを選ぶ
最初の手順として、ロングテールキーワードを選定します。はじめに選定する必要があるのは、トップページのメインキーワードとなるサイトタイトルです。最初の段階で決めるテーマキーワードの検索ボリュームによってWebサイトの規模が決まってきます。
テーマキーワードを選ぶことにより、Webサイトの全体像も見えてくるのです。そして、次にテーマキーワードより、1段階下のレベルのカテゴリに活用するサブキーワードの選定です。具体的には、メインキーワードが「英会話スクール」であれば、サブキーワードは「オンライン」「マンツーマン」「初心者向け」「独学」「教材」「アプリ」などになります。
また、「英会話スクール」だけだと「どのような属性の検索ユーザーに届けたい情報なのか?」ターゲットが明確ではありません。その場合、「英会話スクール ビジネス」とテーマキーワードに選ぶことで対象ユーザーが、「英会話教室をビジネスにしたい人向け」となります。
ここで肝心なのは、最初のメインキーワードにより、ある程度のユーザーの絞り込みも必要になるのです。そして、サブキーワードをカテゴリキーワードとして、さらに検索結果から複合キーワードを見つけ出します。このリサーチにより抽出した検索ボリュームの少ないニッチなキーワードをロングテールキーワードとして、カテゴリ配下の記事ページに活用していくのです。
ロングテールキーワードからタイトルを決定
先ほど抽出した検索ボリュームの少ないニッチキーワードをロングテールキーワードとして活用するのですが、ロングテールキーワードを含めたページタイトルの選定も必要になります。例えば、Webサイトのタイトルが「英会話スクール選びのヒント!体験して自分に合った学び方」とします。カテゴリは、先ほど取り上げた「オンライン」」「マンツーマン」などです。
「英会話スクール マンツーマン グループ 初心者」と4語の複合にまで絞り込むことで「この記事ページでは、英会話スクールをマンツーマンか、グループレッスンか迷っている初心者に役に立つ内容を提供」という方向性が見えてきます。このような流れでロングテールキーワードからページタイトルを選定してページコンテンツの方向性までを設定していくのです。
選定キーワードから関連キーワードを展開する
上記のような流れの中でロングテールを展開していくのですが、選定されたキーワードから関連するキーワードも見つかります。例えば、「英会話スクール マンツーマン グループ 初心者」から「英会話 高校生 マンツーマン」や「マンツーマン レッスン 効果」など関連キーワードをピックアップして記事ページを作成して展開していくのです。
関連キーワードをWebページに反映させる
関連キーワードをWebページに反映させる際にロングテールSEOの場合は、地道に1つ1つのニッチキーワードに関する情報記事コンテンツを作っていきます。この段階で自己判断により1つのWebページに多くのロングテールキーワードをまとめないで、1つの関連キーワードにつき、1ページを作る流れで取り組んでいきましょう。
関連キーワードを活用して新しいWebページを追加していく
関連キーワード1つにつき、1ページの制作をして追加していくことの積み重ねです。ニッチな複合関連キーワードだからこそ、その情報を知りたい「特定の誰か」まで絞り込まれた濃いコンテンツ記事となるので、常に新しいWebページとして追加していくことを続けていく姿勢がポイントになります。
まとめ
いかがでしたか?ロングテールSEOについて定義から、重要性、注意すべきこと、やり方まで解説してきました。今後の検索エンジンの目指す方向性から判断して、安易な自動ツールに頼った施策は淘汰されていく可能性が高いです。
これからのweb集客には、過去の被リンクによるトップページ対策からコンテンツでのロングテール集客に移行していくことが見えてきています。その分、企業のWeb担当者の負担も増えてくることもあるでしょう。専門業者に相談することで、任せられる部分を依頼して業務負担の軽減につながることになります。