いま注目を浴びているコンテンツマーケティングによるWeb集客は、広告運用とくらべて、長期的な集客を目指せることから、取り入れている企業も増えてきています。ただしコンテンツマーケティングは、気軽に取り組めるほど簡単な集客方法ではありません。
コンテンツマーケティングは、多くの企業が内製で取り組みはじめるけれど、途中で挫折してしまう企業も少なくないのです。その理由は、コンテンツマーケティングに投入する人的リソースや、効果が出るまでの時間が必要な点があげられます。
コンテンツマーケティングを内製で取り組んだ場合、自社人材から専属の担当者を用意しなければいけません。そのためコンテンツマーケティングを専門業者に代行してもらう企業も増えてきたのです。
今回の記事では、コンテンツマーケティングの代行を外部の業者に依頼する際に、知っておくべきポイントを紹介します。コンテンツマーケティングの代行を考えている企業のWeb担当者にとって、代行選びのヒントになれば幸いです。
目次
①目的に合った企画・目標を立てくれるか?
コンテンツマーケティングを代行業者に依頼するために知っておくべきポイントの1つは、代行業者が企業の目的に合った「企画や目標」を立ててくれるどうかになります。
コンテンツマーケティングは、Webマーケティングの一環です。そのため、SEO的なテクニックへの理解が必要になります。代行業者によっては、すべてSEO的なテクニック面を重視して、依頼主のビジネスを無視した施策になっていないか?判断する必要があるでしょう。
コンテンツマーケティングの目的は、企業によって様々です。企業によって、目的がちがうことから、企画もちがってきます。それなのに成功パターンだからといって、依頼主のビジネスを十分にヒアリングしないまま、企画を提案してくる代行業者は、注意したほうがいいでしょう。
クライアントのビジネスへの理解
コンテンツマーケティングは、企画段階から簡単に設定できる施策ではありません。必要以上にヒアリングしてくる代行業者ならば、クライアントのビジネスを理解して、2人3脚で取り組んでくれる姿勢が伝わってきます。
コンテンツマーケティングは、品質の高いコンテンツを発信することが大切です。クライアントのビジネスを理解しないで、企画を立てたり、目標を立てたりする代行業者では、表向きだけの仕上がりになるでしょう。
コンテンツマーケティングのKPIを実現するには
コンテンツマーケティングを実行するにあたり、目標設定(KPI)は、必要不可欠です。コンテンツマーケティングのKPIを実現するには、クライアントのビジネス形態に合った最適なゴールの設定が必要になるでしょう。
クライアントのビジネスが会員登録獲得の場合や、商品購入ではKPIの指標もちがってきます。設定するKPIが、自社のビジネスに合っている目標となるか確認が必要です。さらに発信するコンテンツにどの程度反応があったのか?数値化されたKPIであることがポイントになります。
②見込み客に響くコンテンツを制作してくれるか?
コンテンツマーケティングのもっとも大事な部分は、見込み客に共感を与えるコンテンツであることです。代行を依頼する時点で、機械的な対応の場合はできあがったコンテンツを確認する必要があります。
コンテンツマーケティングの目的は、自社のビジネスに大きな価値をもつ見込み客との関係性を築く場所をつくることです。制作しているコンテンツが見込み客に響かない内容であれば、本末転倒になるでしょう。
見込み客の心理分析ができるか?
代行業者が見込み客に響くコンテンツをつくれるか?判断する材料として、「心理分析ができるかどうか」があげられます。コンテンツマーケティングで活用されるWebメディアでは、Webページの導線に訪問してきた見込み客の心理状態に適したコンテンツを用意することが大事です。
コンテンツマーケティングを代行する業者ならば、Webサイト上のユーザー行動を推測する能力があることが求められます。具体的には、インターネットを使ったキーワード検索してきた見込み客に対して、検策行動から「どんな不安をもって検索してきたか」「どんな欲求をもって訪問してきたのか」を先回りして、解決することがコンテンツ制作に必要なのです。
成果を追求していく姿勢があるか?
さらにコンテンツマーケティングを代行する業者に必要な姿勢があります。それは、依頼されたコンテンツ制作に対して「成果を追求していく姿勢があるかどうか」です。たとえば、Webメディアの場合、コンテンツを配信したから成果が出るとは言えません。
すべては、配信したコンテンツの結果により、課題を見つけ出し改善・修正をくり返していくことです。成果の追求は、Webページの検索順位やページ遷移、滞在時間、回遊性、CTAなどから判断して、品質の高いコンテンツを目指しているかで判断できます。
データによる数値分析と改善の提案
成果を追求した姿勢には、コンテンツを配信した結果をもとにして、データによる数値分析から、改善の提案ができる業者に依頼することが必要です。
③運用のサポート体制があるか?
コンテンツマーケティングの代行は、コンテンツを配信するメディアを公開したら終わりではありません。制作したコンテンツを配信してから、分析をしながら改善や更新をするための運用サポートが重要です。コンテンツマーケティングの代行業者を選ぶ際は、運用のサポート体制の有無についても、確認しておく必要があるでしょう。
とくに運用面では、予期せぬ検索エンジンのアルゴリズム更新に振り回されることが頻繁に起こります。コンテンツの制作だけ依頼して、運用を自分で行う場合は、運営におけるトラブルやエラーなど的確に処理しなければいけません。
経験や知識にとぼしい担当者では、運用も思うようにいかなくなることが考えられます。そのためコンテンツマーケティングの代行は、運用までサポート体制のある業者であることを事前に確認しておきましょう。
コンテンツマーケティングは長期的な施策
コンテンツマーケティングは、コンテンツを公開してからが本格的な始まりです。そのためコンテンツにより成果を実感するまで時間がかかります。常に軸となる捉え方は、発信するコンテンツに対して、「ユーザーの課題を解決できる内容を返しているか」を確認することです。
長期的な施策となるため、コンテンツマーケティングにメリットがないと判断される場合もあります。しかしコンテンツマーケティングは、インターネット上の資産となり、コンテンツの力で検索エンジンの評価を得たり、SNSで拡散されたり、ブランディングが形成されたりと効果は絶大です。そのための長期戦略と捉えておくべきでしょう。
コンテンツマーケティングの費用相場
コンテンツマーケティングの代行を依頼した場合の費用相場について案内します。費用については、幅が広く「どこまで依頼するのか」によって、ちがってくるでしょう。一般的には、制作において企画や配信コンテンツの構成などを自社で用意できる場合、代行業務が記事コンテンツ作成のみならば、月額10万円以下で依頼が可能です。
よくある費用形式では、初期費用と月額料金の組み合わせになっています。全体的な費用相場は次のようになります。
- 初期費用:10万円~30万円以上
- 月額運用費用:8万円~50万円(依頼範囲による)
- 記事制作費用:1記事につき2万円~8万円ほど
上記の金額は、あくまでも費用相場であり、依頼内容によって低くなることも高くなることも考えられるでしょう。
制作費用
コンテンツマーケティングの制作費用では、どこまで依頼するかによって料金も変わってきます。ここでポイントとなるのが、代行業者にすべて丸投げしてしまう場合です。依頼主からの要望がなければ、代行業者の認識によってコンテンツが作られていきます。
せっかく代行業者にすべてを任せているのに、できあがったコンテンツが自社のビジネスと食いちがうこともあるのです。冒頭でも紹介したとおり、依頼主のビジネスを理解する姿勢のある代行業者でなければ、丸投げはおすすめできません。
またコンテンツマーケティングの制作費用は、運営込みで依頼する場合、月額費用が安くなる可能性があります。逆に制作のみ依頼する場合は、決められた範囲内で納品して終了となるため、料金が高くなることが考えられるでしょう。
運用費用
コンテンツマーケティングの運用費用について、ほとんどが月額費用での依頼となります。運用を依頼する範囲によって、費用も変わってくるでしょう。
ただしコンテンツ記事の制作に関しては、ライターなどに記事単位で発注も可能なため、必要性に応じてコントロールすることができます。
コンテンツマーケティングの費用対効果
コンテンツマーケティングを代行業者に依頼することは、制作から運用まで費用が発生します。さらにコンテンツマーケティングの運用は、長期的な取り組みとなるため、コストの負担も大きくなるでしょう。
しかしコンテンツマーケティングの費用対効果は、継続することにより長期的な認知拡大と見込み客の共感、SNSによる拡散、ブランディング効果を期待できます。長期的な目線では、費用対効果の高い取り組みになるのです。
外注に依頼できる内容は?
次にコンテンツマーケティングを代行してもらう場合、外注に依頼できる内容を紹介します。
Webサイト制作代行
Webサイト制作代行の場合、次のような内容を依頼可能です、
SEOコンテンツ企画・制作代行
SEOコンテンツの企画や制作を代行業者の場合、次のような内容を依頼できます。
- SEO対策
- デザイン制作(スマホ対応など)
- キーワード選定
上記の内容を中心にして、検索エンジンの評価を獲得しやすいコンテンツの制作となるでしょう。SEOコンテンツの場合は、検索エンジンに最適な視点を重要視するため、クライアントの求めるコンテンツと認識ちがいが生じる場合もあります。
ただしWebサイトを広告運用以外で認知拡大させる目的であれば、SEO対策が必要不可欠になるでしょう。
オウンドメディア企画・制作代行
オウンドメディアの企画や制作代行業者の依頼内容は、次の通りです。
- SEO対策
- コンテンツ設計
- コンテンツ作成
- デザイン(スマホ対応・SNS連携・フォーム設置など)
- 既存コンテンツの修正・編集など
オウンドメディアの企画・制作代行は、コンテンツ作成を中心にした依頼内容になります。検索エンジンに評価されるためのSEO対策にも対応してくれる場合もあり、オウンドメディア全般で必要となる作業を依頼することが可能です。
ただしクライアントの意向を受けすぎて、ユーザー目線ではない企業寄りのメディアを納品して終了となってしまうことも考えられます。オウンドメディアの場合は、制作だけではなく運用まで依頼することで、メディアの成果が出るまで手掛けてもらえるでしょう。
Webサイト運用代行
それでは、Webサイトの運用代行の内容について案内します。
- サイト更新
- サーバー保守(セキュリティ面)
- ホスティング
- SEO対策(SEO診断によるコンサルティング)
- 必要とされるメンテナンスなど
Webサイトの運用代行は、制作代行以上の依頼内容になるでしょう。そのため外注に依頼する部分と、自社で取り組む部分を切り分けて考えることも必要です。
オウンドメディア運用・診断代行
続いて、オウンドメディアの運用や診断代行での依頼内容を紹介します。
オウンドメディアの運用では、代行業者によって依頼内容にちがいが出てきます。とくにオウンドメディアは、コンテンツの専門性が高いため、代行業者の得意とする分野を調べることが賢明です。
記事作成代行
代行業者に記事作成を依頼した場合の内容を紹介します。
- 記事執筆
- 記事構成制作
- 記事装飾・画像配置など
- 推敲・校正・コピペチェック
記事作成代行の場合は、「どこまで対応可能か」確認のうえで、記事単価を決めて依頼するケースが多いです。依頼する範囲によっても、記事の品質にちがいが出てきます。
コンテンツマーケティングでよくある失敗
コンテンツマーケティングを代行業者に依頼する前に、よくあるコンテンツマーケティングでの失敗例を2つ、紹介しましょう。
具体的な目的やゴールが決まっていなかった
コンテンツ制作を代行業者に依頼する前に、具体的な目的やコンテンツマーケティングによるゴールを決めていなければ、依頼主の理想とかけ離れたコンテンツとなる可能性があります。
さらに長期的な取り組みとなるオウンドメディアの運用において、ゴールが決まっていないと、単なる企業の雑記ブログになってしまうでしょう。オウンドメディアは、規模の大きいサイト運営になるため、事前に「具体的な目的」と「明確なゴール」をもって、代行業者に相談してみましょう。
適切な予算やリソースを把握していなかった
コンテンツマーケティングは、制作や運用にかかる適切なコストを算出していなければ、実行開始してから、リソース不足や予算不足に悩まされることになります。代行業者に依頼する場合も、適切な予算と「どこまで外注化するか」を明確にしておかなければ、予算オーバーとなり赤字運用となってしまうでしょう。
コンテンツマーケティングを代行業者に依頼する際は、自社人材でできる範囲と予算範囲をふまえて、相談してみることをおすすめします。
コンテンツマーケティングを成功に導くには
最後に、コンテンツマーケティングを成功に導くためのポイントを取り上げてみました。
- ユーザーに役立つニーズを意識したコンテンツ作り
- 改善・修正・実行をくり返していく
- 長期的な施策のため継続が重要
コンテンツマーケティングは、常にユーザー目線を意識してコンテンツをつくり、改善や修正して実行をくり返していくことが大事です。オウンドメディアの運用は、長期的な施策となるため、継続していくことを重要視しましょう。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングを代行業者に依頼する場合の3つのヒントについて、解説してきました。コンテンツマーケティングは、Web集客において最も資産価値の高いメディア形成になります。それだけに時間や手間もかかり、運用面でも継続が必要になるのです。
ただしコンテンツマーケティングに成功すれば、広告運用の比ではない認知拡大と企業ブランディングを獲得することができます。そのために代行業者をうまく活用して、Web集客の基盤をつくっていきましょう。