記事の監修
Web集客・マーケティングの専門家として、13年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。
最近、話題のオウンドメディアについて、「ウチの会社でも取り入れてみようか迷っている」というWeb担当者様もいることでしょう。ただ、企業戦略として取り組む場合、人的コストや費用をかけて「どのような効果が期待できるのか?」という点を理解する必要があります。
そこで今回の記事では、オウンドメディアの効果について、広告経由で自社Webサイトに誘導してきた取り組みとは違うメリットを取り上げていきましょう。また、オウンドメディアの効果を知るために分析する効果測定や目標設定について合わせて解説していきます。
- オウンドメディアの効果について知りたい方
- オウンドメディアで効果が得られない場合の主な理由を知りたい方
- オウンドメディアの効果測定方法を知りたい方
目次
オウンドメディアとは
オウンドメディアは企業や個人が自ら所有・運営するデジタルプラットフォームのことを指します。一般的に、ウェブサイト、ブログ、SNSアカウントなどがこれに該当します。オウンドメディアは、ブランドやサービスの価値を長期的に伝える手段として非常に重要です。トラディショナルメディア(テレビ、新聞など)やアーンドメディア(口コミ、レビューなど)とは異なり、オウンドメディアは企業が全ての要素を自らコントロールできる点が最大の特長です。
この自由度の高さがオウンドメディアの最大の魅力であり、専門的な内容やニッチなターゲットに対しても効果的なメッセージを送ることが可能です。加えて、SEO(検索エンジン最適化)やSNSマーケティングと連動させることで、集客力を高めることができます。結果として、継続的なコミュニケーションにより顧客ロイヤルティが高まり、長期的なビジネスの成長をサポートする役割を果たします。
オウンドメディアが注目される理由
オウンドメディアが注目される主な理由は、その「持続性とコントロール性」にあります。多くの企業が短期的な宣伝や広告に頼る中、オウンドメディアは長期的なビジョンに基づいた情報発信が可能です。特に中小企業にとっては、低予算でも高いROI(投資対効果)を期待できる手法として有効です。
また、第三者メディアに依存するリスクを減らし、ブランドイメージを一貫して構築することができます。情報の発信元が自社であるため、顧客に対する信頼性も高まります。更に、オウンドメディアは他のマーケティング活動と連携しやすく、例えば、Eメールマーケティングやイベントプロモーションなどと相乗効果を生むことがあります。
オウンドメディアを運営することで、顧客データや行動履歴を収集し、それを基にしたパーソナライズされたマーケティングが行いやすくなるという利点もあります。これにより、消費者に更に密接に寄り添ったサービスや商品を提供することが可能になり、ビジネスの競争力が向上します。
オウンドメディアの概要と注目される理由をご理解頂いたところで、次はオウンドメディアの効果を以下のセクションで詳細に説明します。
オウンドメディアの効果
オウンドメディアの効果を解説する上で重要になってくるのが、オウンドメディアで得られる恩恵のことです。従来、自社のWebサイトを宣伝するために広告出稿が主体だった企業の場合は、オウンドメディアの効果に驚くことでしょう。それでは、オウンドメディアの効果を5つほど取り上げてみましょう。
求められたユーザーとの出会い
まず、オウンドメディアは、企画段階からターゲットとなるユーザーに向けたコンテンツの配信を目的とします。広告から自社Webサイトへ誘導していた企業のWeb担当者様にとって、今までは顧客との偶然の出会いを日々期待していたことでしょう。しかし、オウンドメディアでの顧客との関係は違います。
検索結果で表示された広告から誘導されたユーザーではなく、自分にとって必要な情報を提供しているWebサイトを見つけて訪問してくるユーザーなのです。
オウンドメディアの方向性に合った潜在ユーザーが訪問してくることで、顧客に変わる可能性が高くなるでしょう。つまり、オウンドメディアの訪問ユーザーは、偶然の出会いではなく求められたユーザーとの出会いになるのです。
このように必然的なユーザーを顧客化できる可能性が高いことがオウンドメディアの効果の1つと言えるでしょう。
興味関心度の高いユーザー
オウンドメディアを運営する企業が求めるユーザーとは、必然的に出会うことを想定できます。企業が求めるユーザーは、自社ビジネスに興味関心度の高いユーザーです。興味関心度の高いユーザーは、段階を上げながら態度変容します。
●潜在顧客
興味関心度の高さは、急速に上がるわけではありません。まず、顧客は潜在顧客の状態から始まります。自社ビジネスに対して興味関心をふくらませて段階的に意識が高まるイメージです。顧客は、潜在的な要素を持っています。その潜在的な要素がメディアコンテンツとの出会いで興味関心を引きだします。
●見込み顧客
潜在層は、やがて見込み顧客へと段階が上がります。メディアコンテンツでは、見込み顧客に対して売り込みをするのではなく、自然の形で確度を上げていきます。確度を上げていく行為は、見込み顧客を育てていくイメージです。
●購買顧客
見込み顧客は、メディアコンテンツで用意したあらゆる情報によって購買意思を固めていきます。この段階では、購買決定の意思を強固にするための後押しも必要です。メディアコンテンツで伝えてきた情報の積み重ねから提供する情報に対して好意的に受け止められることが考えられます。
興味関心度の高いユーザーに向けた施策
オウンドメディアに訪れた興味関心度の高いユーザーは、次のような施策でより関係性を高められます。
●メディア記事
オウンドメディアで訪問者の興味関心度を高める施策は、メディア記事がもっとも重要と考えられます。メディア記事との接点は、検索エンジンの検索結果ページです。潜在顧客は、知りたい情報を求めて検索エンジンを利用します。
●導入事例
導入事例は、製品やサービスの利用方法や効果を実際の顧客の声で伝えられます。これにより、読者に対する説得力が向上し、購買意欲を高めることが可能です。また、読者は製品やサービスの興味関心だけではなく、信頼性も向上できます。そのため、ブランドイメージの向上にも役立つでしょう。
●ウェビナー開催
メディアの施策としてウェビナー開催を取り入れることは、顧客と直接コミュニケーションを強化できます。顧客からの質問や意見を聞くことで、製品やサービスの改善点の把握にもつながるでしょう。ウェビナー開催は、ブランド知名度の向上にも役立ちます。興味関心度の高い見込み客の確度を高める有効手段とも考えられます。
●ホワイトペーパーダウンロード
ホワイトペーパーは、オウンドメディアの最後の部分で訴求する詳細な資料です。ホワイトペーパーは、本来有料で提供してもおかしくない品質の資料を無料で提供することが一般的です。資料の中身に興味関心を持った見込み客が自身の個人情報(担当者名や企業名、メールアドレス、電話番号など)と引き換えでダウンロードする仕組みを構築します。
ブランディング
次に企業のイメージや商品の認知度をアップさせるブランディング効果がある点です。
売り込みのないオウンドメディアは、ユーザーに適切なタイミングで適切な情報を届けることができます。
オウンドメディアは、企業のブランドの信頼度を高める役割となるでしょう。
なぜならば、ユーザーにとって有益な情報を発信していることで、ブランディングの効果を発揮しているからです。
このように、企業の運営するオウンドメディアは、方向性を外さなければ自然とブランディング効果を向上できます。
メディアテーマをはじめ認知拡大を目指せる
ブランディングは、消費者に認知されるための一連の戦略的活動です。ブランディングにより、企業や製品が一貫性のあるイメージを構築できます。消費者は、製品やサービスを認識しやすくなって企業が提供する価値やメリットについての理解を深められます。
また、ブランディングにより製品やサービスが一貫性のあるイメージを持つことで、消費者の注意を引きやすくなるでしょう。一貫性のあるイメージを持っている企業は、消費者がその企業のイメージとして認知されやすくなります。消費者は、ブランドを認識すると、その製品やサービスに対して肯定的なイメージを持つことが考えられます。
ブランディングは競合他社との差別化を実現
一貫性のあるブランディングは、「製品やサービスが競合他社のものとどのように異なるのか」を説明するために役立ちます。競合他社と異なる部分は、自社の特徴として差別化を実現させます。たとえば、USB接続で利用できる卓上コンデンサマイクを商品として取り扱っているとしましょう。A社やB社、C社の3社が似たようなスペックで販売していました。スペック以外ではそれぞれに以下のような特徴があります。
- A社:コンデンサマイク+卓上スタンド+ポップガード+収納バッグのセット・10,000円
- B社:コンデンサマイク+卓上スタンドのセット・9,800円
- C社:コンデンサマイク+卓上スタンドのセット・13,000円
これら3社を比べると、一番セット内容で充実していているのがA社です。もっとも価格が安いのがB社となるでしょう。ところがC社のコンデンサマイクの性能にスイッチ切り替え時の音がしないという付加機能があったとしましょう。コンデンサマイク特有のスイッチ切り替え時の音を嫌う人であれば、付加価値を感じるかもしれません。この場合、価格が高くてもC社のコンデンサマイクは「スイッチ切り替え時の音がしないコンデンサマイク」という差別化が実現します。
これは、あくまでも差別化を説明するための例に過ぎませんが、差別化できる要因は商品やサービスの価格やセット内容の充実さだけではなく、機能がもたらす付加価値とユーザーニーズのマッチングにあります。競合他社にはなく、自社のみが持っている部分を差別化部分として見つける必要があります。
ブランディング成功の秘訣は自社の強みの明確化
ブランディングで成功するには、競合他社と差別化できる部分を見つけることが大事です。その差別化できる部分は、自社の強みとなるでしょう。自社の強みは、自社ブランドの訴求ポイントにもなるため、明確にしておきましょう。
ファンとのコミュニケーション
訪問してきたユーザーにとって居心地の良いオウンドメディアは、ユーザーニーズのあるコンテンツを提供していくことでファンになっていくことが考えられるでしょう。
ユーザーが求めている情報が用意されていることで、メディアへの親近感も向上する可能性があります。そのため、オウンドメディア上でファンとのコミュニケーションが自然と深まっていくのです。このように、オウンドメディアには、ユーザーがメディアのファンになって親近感を持つ効果も期待できます。
テーマを絞るから読者層の属性も絞られる
オウンドメディアのテーマが広いと、読者層の対象範囲も広くなります。そのため、対象読者の属性も20代~60代の社会人というようなイメージで大勢に向けた情報発信となる可能性があります。オウンドメディアは、その他大勢に向けた情報だと具体性に欠けるため効果を期待できません。テーマが絞り込まれていないと、具体的な情報を提供できなくなり結果的に訴求の弱いメディアとなるでしょう。現代の情報収集は、スマートフォンを介して多様化されています。そのため、対象読者を具体的に絞り込むことが求められるでしょう。
テーマを絞ることは、対象読者を絞ることにもつながります。たとえば、テーマが先ほど例にあげた「コンデンサマイク」の場合、「どんな目的に使うコンデンサマイクなのか」を明確にすることが大切です。動画配信サイトでのライブ配信で使う人が多ければ、「ライブ配信に必要なマイク」としてテーマを絞り込みましょう。すると、同時に読者層も「ライブ配信を楽しむ人」に絞れます。さらに年代や性別などを絞り込むことでより具体的な訴求が可能になるでしょう。
価値を見いだすポイントが同じだから共感を得られる
対象読者を絞り込むことは、オウンドメディアの持つ価値も具体化されます。先ほどの「コンデンサマイク」であれば、「ライブ配信に適したマイク」として具体的な訴求ポイントを提案できるでしょう。たとえば、スイッチのオンオフの切り替え音のないマイクであれば、配信中の切り替えで異音の心配がなくなります。
商品に価値を持つ対象者が明確であれば、その価値を見いだすポイントへの共感が期待できるでしょう。オウンドメディアには、メディアを通じた読者の共感を得られる効果を期待できます。
自然検索からの質の高い集客
オウンドメディアに集まる訪問者は、需要の高い検索キーワードの結果ページに掲載された広告を経路して訪問してきたユーザーではないのです。
自然検索により上位表示された結果、見つけてもらい訪問してくるユーザーになります。
訪問ユーザーの求めているコンテンツを提供していることから、質の高い集客へ結び付けていく効果を期待できるのです。
オウンドメディアは、ある程度の規模に成長してくることでニーズの高いユーザーの獲得が見込めるでしょう。
オウンドメディアの成長はSEO効果の向上にもつながる
オウンドメディアの成長は、SEO効果の向上にもつながります。その理由は、オウンドメディアの集客経路路なるのが検索エンジン経由のアクセスだからです。検索エンジン経由のアクセスの場合は、検索エンジンの評価を受けて検索結果ページに上位表示されなければなりません。検索結果で上位表示されるには、コンテンツの品質などが求められます。
質の高いコンテンツは長期的な集客に役立つ
検索結果で上位表示されるためのコンテンツの品質は、専門性や権威性などが求められます。つまり、そのテーマに関して競合サイト以上の品質を担保することが大事です。品質の高いコンテンツは、検索エンジンに評価されるため、検索上位に掲載されます。その結果、長期的な集客に役立つことが考えられます。
広告費の削減
オウンドメディアの効果として、コストの削減になる点が企業にとって魅力的ではないでしょうか。それは、自然検索で見つけてもらうこととソーシャルネットワークで共有されることで、広告経由での露出の必要がなくなるからです。
今までは、広告を経由して訪問してきたユーザーの成約率と広告出稿費用のデータを気にしていたのであれば、コストを考える必要がなくなります。
つまり、オウンドメディアは広告に頼る集客ではないため、大きな広告費の削減につながるからです。
ここまでオウンドメディアの効果を5つほど紹介してきました。
まとめると次の通りになります。
- 必然的に潜在層を集められる
- ブランディングできる
- ユーザーに親近感を持ってもらえる
- 質の高い集客につながる
- 広告費が削減できる
効果で得られることを並べてみると魅力的なメリットばかりに受け取れますが、広告を活用した集客とは違うため、効果を実感できるまでの長期的な継続が必要になるのも事実です。
オウンドメディアは、すぐに効果が得られる施策ではないという点を理解しておきましょう。
広告費を掛けずに検索エンジン経由での集客が期待できる
オウンドメディアは、広告費を掛けずに検索エンジン経由の集客を期待できます。検索エンジン経由の集客は、広告出稿とは異なり掛けるコストとは関係なく長期的な集客が期待できます。ただし、成果を出せる前に時間を要します。
専門性が高くなるほど長期的な集客を期待できる
オウンドメディアは、成果を出すまでにターゲットとなる読者層の求めるコンテンツを返します。読者層が求めるコンテンツを追求するため、高い専門性が必要です。専門性を追求することが結果的に、長期的な集客へとつながります。オウンドメディアのターゲットを絞った一貫性のあるコンテンツの提供が長期的な集客を後押しするでしょう。
あわせて読みたい
オウンドメディアで効果が得られない場合の主な理由
今までオウンドメディアで得られる効果を取り上げてきました。ここでは、逆にオウンドメディアで効果が得られないときの主な理由を見ていきます。効果が得られないときに振り返れる確認事項になるでしょう
目標設定が高すぎる
まず、オウンドメディアの運営で目標設定が高すぎることで、理想と現実の違いに挫折してしまうWeb担当者様も多いのではないでしょうか。
「競合他社が始めたから・・・」という理由で、コンセプトも目標も決めないでオウンドメディアを運営していたら、「思ったより手間も時間もかかるのに効果が出ない」という結果に挫折する可能性が高くなります。
オウンドメディアは、費用対効果が大きい分、長期的な目線で取り組む必要があるのです。
また、目標に設定した需要のあるキーワードで検索上位表示をして、アクセスを増加させていくことは、狙うキーワードにより「目標設定が高すぎる」という判断になるでしょう。
目標設定が高すぎると既にある大手企業のオウンドメディアを上回るコンテンツの量と質が求められるので、相当な労力と時間が必要になります。
さらに長期間の取り組み中、オウンドメディアは収益を生み出してくれるわけではありません。
オウンドメディアの制作に関わる担当者は、売上の上がらない作業を淡々と続けていく必要があります。企業としての捉え方は、「将来のための見えない投資」という認識になるのです。
この部分を把握したうえで「高すぎないけれど結果的に自社の強みを訴求できる目標」を設定することが理想的でしょう。
SEO対策がされていない
次にオウンドメディアで効果の出ない理由として挙げるのは、SEO対策が不十分な点です。
SEO対策は、ユーザーの検索意図に対しての最適な答えとなるWebサイトを上位表示させる仕組みになります。
オウンドメディアを必要とするユーザーに見つけてもらうため、SEO対策は欠かせない施策となるのです。
例えば、「オウンドメディアはコンテンツを充実させたほうがいい」という観点から、専門用語ばかりの読みにくいテキストだけのページを作ったとしても、ユーザーの離脱率が高ければ上位表示されないことが考えられます。
まさに読者のことを考えない情報提供者の主観だけで作成したWebサイトは、SEO対策が不十分と言えるでしょう。
SEO対策が不十分だと、検索結果上位にも表示されません。結果的にユーザーに見つけてもらうことができないため、訪問者のいないオウンドメディアになってしまうのです。これからの時代に合ったSEO対策について解説している記事を参考にしてみてください。
コンテンツに費やすリソース不足
また、オウンドメディアのコンテンツによっては、リソース不足のため途中で続かなくなることも考えられます。継続できないことは、効果が出る域まで到達できない状態です。
せっかく運用開始したオウンドメディアもコンテンツ作成に時間や労力がかけられなくなることで断念してしまう可能性があります。
具体的なリソースとして挙げられるのは次の通りです。
- コンテンツアイデア創出のための調査
- コンテンツ作成のための取材
- 画像・イラスト・動画撮影及び編集
- 記事構成
- 記事執筆と更新
- 記事の校正
- メディアデザイン管理
- SEO対策とWebサイト診断
- SNSとの連携
- 会員との関係性の構築と維持
- 今後の施策立案
これらの作業を自社の人員だけで取り組む場合、専属的な業務になっていくことも考えられます。また、外注に委託する場合は、メディアの方向性を共通認識できるまで更に時間や労力がかかるでしょう。
ここに挙げたリソースは、あくまで一例にすぎませんが、メディアの規模によって増減するのです。また、自動化できるツールなどは、有効的なモノから逆に検索エンジンからペナルティ判断を受けるリスクもあるので慎重に検討することをおすすめします。
自社のオウンドメディアが成果が出ていないことから、運用代行を考えている場合は、詳しく解説しているページがあるので参考にしてみてください。
あわせて読みたい
オウンドメディアの効果測定方法
では、オウンドメディアの効果を具体的に見ていくにはどうすればよいののでしょうか?
オウンドメディアの効果を測定するには、「きちんと目標設定がされていること」と「効果測定を常に分析していくこと」の2つが重要になります。
目標設定方法
まず、オウンドメディアの効果測定をしていくためには、「このメディアで何を目指すのか?」というコンセプトが必要になってきます。
自社の商品やサービスに関連するユーザーの求める情報をコンテンツとして提供していく中で、「どの部分が自社の強みになるのか」をモチーフにしたコンセプトを掲げることです。
そして、コンセプトに向けたゴールをKGIとして設定します。そのゴールを目指して、戦略や戦術の策定になる具体的にKPIを設計していくのです。KGIもKPIも事実に基づいた現実的な指標でないと単なる理想に近い妄想で終わってしまいます。この点に注意しましょう。
具体的なKGIの目的としては、「認知拡大」「見込み客の獲得」「商品購入への促進」などが挙げられます。
- 認知拡大:閲覧指標
- 見込み客の獲得:集客指標
- 商品購入への促進:成果指標
それぞれ、目的とする指標に向けてKPIを設定していきます。ただし、オウンドメディアは商品販売ページの運営と違って、売上に直結する指標を設定しにくい面があります。
オウンドメディアの性質上、認知拡大や見込み客を増やすことを指標にすることが適しているでしょう。また、KPI設計では、コンセプトから外れないことを意識して設定しましょう。
KGIとKPIの設定でモチベーションを維持
オウンドメディアの目標設定では、コンセプトから外れないようにするためのKPI設計が求められます。KPIで設定する要素は、関係者誰でも共通理解を求められる数値データで設定することが大切です。また、できる限り「A~Dまで」という範囲指定ではなく、明確なKGIやKPIで設定する必要があります。
明確なKPIであれば、達成の判断も分かりやすくモチベーションを維持できるでしょう。
●小さな目標の積み重ねで大きな目標達成を目指す
KPIは、できる限り実現可能な目標で設定する必要があります。小さな目標をつなぎ合わせて大きな目標達成を実現させるイメージです。たとえば、顧客のレビューを一度に100人分掲載しようとすると、負担が大きくなります。1日1人分のレビューを掲載する目標にすれば、負担も軽減され100日後には100レビューの掲載を実現できるでしょう。このように、積み重ねで大きな目標達成を目指すことが大事です。
時間が掛かることを念頭に取り組む
KPIの設定は、目標達成まで時間が掛かることを念頭に取り組みましょう。小さな目標だからこそ、取り組みやすくなることがポイントです。ただし、小さな目標は大きな成果となるまで時間が掛かります。その点を理解したうえで取り組む必要があります。
効果測定方法
効果測定の指標となる目標設定が具体的で明確であれば、効果測定もスムーズに運びます。先程のKGIで設定した3つの目標は、「閲覧指標」、「集客指標」、「成果指標」です。
これら3つの指標を基準として、メディアの課題や目標達成状況の効果測定をしていくことになります。
効果測定で確認するデータは、Googleアナリティクスなど解析ツールで分析できる数値です。
それぞれのKPIの分析対象データは次の通りです。
オウンドメディアのテーマによっても成果指標が異なってくるため、これは、あくまで参考となります。特に注意して確認しておきたいことは、閲覧指標でしょう。集客も成果も閲覧がなければ始まりません。オウンドメディアが見つけてもらえなければ、そこから先の効果は全く期待ができないものとなるからです。
KPIが明確であれば改善点も明確になる
KPIは、明確に設定することで改善点も明確になります。先ほどの集客KPI指標や成果KPI指標のデータに対して、どこまで改善するかを目標設定する必要があります。メディアの運営指標は、検索エンジンサービス大手のGoogleが提供するGoogleアナリティクスにより設定可能です。実現可能な目標をクリアしながら、メディアを成長させましょう。
定期的な成果状況をチェックし調整する
オウンドメディアは、定期的な成果状況をチェックし、調整することも大事です。調整する項目について紹介しましょう。
●導線の見直し
オウンドメディアの成果は、トップページやランディングページなどの導線の影響を受けます。訪問してきた読者がページ閲覧途中で離脱してしまう場合は、導線に問題があるかもしれません。ランディングページでは、「いかにページ末尾のCTAまで誘導するか」が重要です。そのため、ページ全体の構成を客観的に捉えて、顧客心理の態度変容にあわせた見直しも必要になるでしょう。
●検索順位を上げるための追加修正
オウンドメディアでは、導線の見直しも含めた検索順位を上げるための追加修正が必要になる場合もあります。メディアは、作ってしまえば終わりではありません。公開してからが始まりといっても過言ではないでしょう。
検索エンジンの検索アルゴリズムの精度は、日々進化しています。そのため、常に読者目線の立場で判断した検索エンジンの評価を上げるための追加修正が求められます。日々の追加修正を行っていれば、大きなアルゴリズム更新があった際に、対処であわてずに済みます。つまり、運営においては日々の小さな積み重ねが重要となってきます。
これらの対応を自社内製で取り組む場合は、相応のリソースが必要です。また、自社内製の場合は取り組んでいる施策が最適であるかどうかの判断も難しくなります。そのため、不適切な施策を続けてしまうこともあるでしょう。そのような回り道をしないためにも外部の専門家の知見を活用することが巡り巡って効率的な判断となります。まずは、気軽な相談から始めてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい
まとめ
オウンドメディアの効果について、いかがだったでしょうか?
今回、効果が出ない理由も併せて解説してきました。
オウンドメディアは、すぐに結果の出る手軽な取り組みではないことが理解できましたか?
全体をまとめて伝えたかったことは、多くの実践者が効果を実感できる前に運用をやめてしまうことです。
せっかく運用を始めたオウンドメディアを途中で断念してしまわないためにも、取り組んだ先に見える安定した効果を解説してきました。また、効果を測定する際の目標設定の重要性も理解いただけたのではないでしょうか。
この記事を役立ててもらい、オウンドメディアの長期的な制作工程の先にある安定した「自社ブランディング」や「集客」を目指していただければ幸いです。
あわせて読みたい
オウンドメディアの効果に関するよくあるご質問
最後によくあるご質問をいくつかご紹介致します。
みなさまのWeb集客にお役に立てば幸いです。
その他、ご不明な点がございましたら以下のリンクよりお気軽にご相談下さいませ。
無料オンライン相談はこちらからどうぞ。
Q
オウンドメディアとは何ですか?
A
オウンドメディアは、企業や団体が自ら保有・運営するメディアのことを指します。例えば、公式ウェブサイトやブログ、SNSアカウントなどがこれに当たります。
Q
オウンドメディアの主な効果は?
A
オウンドメディアの効果には、ブランドの認知度向上、信頼性の獲得、コンテンツによる顧客とのエンゲージメント向上などがあります。
Q
オウンドメディア運営のメリットは?
A
コンテンツを自由に管理・制作できる点、長期的に安定した集客が見込める点、広告コストが不要な点などがメリットとして挙げられます。
Q
オウンドメディアとペイドメディアの違いは?
A
オウンドメディアは自社で所有・運営するメディアで、ペイドメディアは広告などの有料での露出を得るメディアを指します。
Q
効果的なオウンドメディアの運営方法は?
A
ターゲットを明確にし、彼らのニーズに合わせたコンテンツを提供し、定期的に更新することが重要です。
Q
オウンドメディアのROIはどのように計測するのか?
A
訪問者数やコンバージョンレート、セッション時間などのKPIを設定し、これらの指標からROIを計算することができます。
Q
オウンドメディアのデメリットは?
A
運営には時間や労力がかかること、初期の投資が必要であること、継続的なコンテンツ制作が必須であることなどがデメリットとして考えられます。
Q
効果的なオウンドメディアのコンテンツとは?
A
ターゲットの興味や悩みを解決する情報を提供するコンテンツや、エンゲージメントを高めるエンターテインメント性のあるコンテンツが効果的です。
Q
オウンドメディアの成功例はありますか?
A
多くの企業がオウンドメディアを成功させていますが、例としては、特定の専門分野で深い情報を提供し、業界のリーダーとしての位置づけを強化した企業や、エンターテインメント性を取り入れて多くのファンを獲得した企業などが挙げられます。
Q
オウンドメディアの今後の展望は?
A
デジタル化が進む中で、オウンドメディアの重要性はさらに高まると予想されます。一方で、ユーザーの情報取得方法も多様化してきているため、適切なターゲティングと独自性のあるコンテンツが求められるでしょう。