記事の監修
Web集客・マーケティングの専門家として、13年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。
2019年、平成から令和と年号が変わり、Web環境も著しく変化を見せてきています。ある意味、厳しくもあり、信ぴょう性の向上にもつながるオンラインの進化ともいえるでしょう。そのような状況の中でWeb施策を新しく取り組む必要の高い課題について解説していきます。
これら3つの課題についての紹介と、「これからのWeb環境にどのように対応していくべきか?」について注目してみます。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
yahooアフィリサイト広告配信停止
まず、2019年5月8日に広告掲載基準が変更された「yahooアフィリサイト広告配信停止」について案内します。Yahoo!プロモーション広告にてアフィリエイト目的の広告が出稿できなくなりました。
広告配信停止の背景
アフィリエイト広告は、サイトへのリンクを設置して広告主が紹介する商品やサービスの申し込みページへの誘導が目的の成果報酬型広告となります。Yahoo!検索結果に直接関係のない第三者の利益獲得のための広告クリック誘導を目的とする出稿はできなくなったのです。
今回のYahoo!アフィリエイト広告の変更にて、Yahoo!が提供するすべての広告配信サービスでの掲載ができなくなりました。
原則的には、2019年6月3日からアフィエイト広告の出稿はできなくなります。この処置に対してYahoo!側は、「広告の有用性を高め、広告品質を向上させることが目的」と公表しました。
Yahoo!の提供するサービスのうち、特に潜在層への認知効果の高かったYDN(ヤフーディスプレイネットワーク広告)を活用した薬事法などの違反に抵触する広告への指摘が増えたことも要因となります。そのようなYahoo!側からの指摘が続く中、アフィリエイト広告への一斉排除が健全化への取り組みと判断されたわけです。
今後の対策は?
ただし、同じアフィリエイト広告でもルールを守った法人が運営する広告や、Yahoo!側が出稿依頼に対して、「適切なWebサイト」と判断されることで出稿が可能になります。つまり、Yahoo!のガイドラインを熟知して、規約に従った内容での広告出稿の場合は引き続きサービスを利用できることになるのです。
今後の対策としてYahoo!広告では、成果報酬型のサイトと判断されないような広告の作成が必要になります。それには、広告を見るユーザーにとって役立つ有用な情報であることが不可欠になってくるでしょう。
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ITP問題
続いて、ITP2.1のアドテクへの影響問題について案内します。ITPとは、Appleにより開発されたWebブラウザで標準搭載されている機能、Intelligent Tracking Preventionの略称がITPです。過剰に行われるデータのトラッキングを防止する機能のことを指します。
または、ITPとはクッキーに関わる振る舞いに対して、制御を働かせてサードパーティーのクッキーを排除する機能のことです。日本国内でのiPhone所有者人口は多いため、通常使うブラウザがSafariの場合も多いことでしょう。そのため、ITPの影響を無視することができないことが現状です。
ITP施策を振り返る
では、ITPの過去に行われた施策について、振り返ってみましょう。Appleは、ITP1.0のリリース時にアドテク広告向けの対策としてアドブロック機能を追加したのです。このITP施策により、リターゲティング広告を活用する広告主にとって死活問題となったのが発端でした。
ITP施策は、AppleのSafariブラウザ特有の標準機能として、サードパーティークッキーにより。反復して表示されるアドテク広告を遮断することを可能にしたのです。このITP対策の機能が1.0から現在の2.1までバージョンアップを繰り返してきたことになります。
主なアップデートの変更内容を追って見ていくと次のようになります。
ITP1.0
サードパーティークッキーでは、クッキーが24時間経過すると削除されました。
ITP2.0
サードパーティークッキーでは、その度クッキーが削除されるようになりました。
ITP2.1
Javascriptを経由したファーストパーティークッキーからも、クッキーが7日間経過すると削除されるようになりました。
ITP問題は、サードパーティークッキーだけではなく、ファーストパーティークッキーにまで及ぶようになったのです。そのため、ディスプレイ広告でリターゲティングの機能を活用している広告主にとっては、手痛いブラウザによる対策と言えるでしょう。
ITP2.1のアップデートにより、今までは30日間のクッキーが保持されていたものが、7日間まで縮小されたのです。特にクッキーを生命線とするアフィリエイト広告などは、ファーストパーティークッキーが7日間となると成果報酬につながるクリック履歴が削除されてしまう厳しい状況を迎えています。
現在取り組める対策は?
現在のITP問題への打開策について、対策に取り組んでいる最中と言えるでしょう。そのため、正式なITP問題への対策が明確に公開されるまでは、様子を見ることが無難な状況でもあります。それは、確実な回避方法が確立されていないため、闇雲に修正してしまうことのリスクのほうが大きいからです。
特にソースコードの改変などに慣れていない企業のWeb担当者にとって、軽はずみな修正は逆効果になってしまうことが考えられます。専門知識のある業者に相談してみることが賢明ではないでしょうか。
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Chromeでクッキー機能を制限
続いて3つ目の課題「chromeでクッキー機能を制限」について、見ていきましょう。先ほどのSafariブラウザに引き続き、自由度の高いchromeまでクッキーに制限かけることになったのです。これは、Webブラウザを利用するユーザーの個人情報を保護する働きの強化ともいえるでしょう。
グーグルの機能制限の流れ
今回のグーグルの施したchromeブラウザのクッキー制限の流れを解説していきます。chromeのクッキー制限の対象は、サードパーティークッキーです。そのため、クッキー制限により影響を受けるのは、リターゲティング広告になります。
つまり、アクセス解析やリターゲティングによりユーザーをトラッキングする分析が不十分になるわけです。2019年5月に機能制限をchromeのプロダクトマネージャより発表されたばかりなので、各Web開発者は対策に取り組んでいる状況になります。
2019年5月7日より新機能のテストがchrome上で可能になっており、クッキーの機能が変更されている流れです。この機能改善は、ユーザーのプライバシーとセキュリティの向上が目的とされているため、さらに2019年中にクッキー制限機能を拡大する方向になるでしょう。
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過去のアップデートから読み解く
Googleの発動したアップデートの歴史は、Googleの進化の歴史ともいえるほど様々なアルゴリズムの変更を行ってきました。では、具体的に過去のGoogleによるアップデートからWeb環境の変化を読み解いて見ましょう。それぞれのアップデートについて詳しく解説していきます。
パンダアップデート
パンダアップデートは、2011年に英語圏を中心に発動され、2012年7月に日本でも実施された検索アルゴリズムアップデートです。ユーザーが検索したキーワードに対して、全く関連性のない低品質なコンテンツに対してペナルティを発動するアップデートになります。
低品質なコンテンツで作成されたWebページに対して、検索結果の上位に表示されないように調整する機能です。パンダアップデートにより、単純にキーワードを羅列しただけの中身のない意味不明なWebページを検索結果から排除することになりました。Google検索エンジンの信頼と信ぴょう性の向上のためには、進化して当然の機能と言えるでしょう。
また、パンダアップデートの導入直後では、自動更新による実施でしたが、一時期のパンダアップデートは、手動による告知後のアップデート更新となりました。しかし、2013年3月より、アップデートの完全自動化となったのです。
ペンギンアップデート
2012年4月にはじめて発動された低品質な被リンクに対してWebサイトの評価を調整していくアップデートになります。また、SEOを無視したスパム行為とも判断される違反対象となるWebサイトへ実施されるアップデートです。パンダアップデートと同じく、アップデート対象の違反サイトと判断されることで検索結果の順位を下げられることになります。
ペンギンアップデートは、何度かの更新を経て2016年9月23日の公表を機に、Googleのコアアルゴリズムに含まれるようになったのです。
ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデートは、直接検索表示ランキングに影響があるアップデートではありません。会話型の文字列に対して、含まれているキーワードへの検索結果を返すことができる変更になります。つまり、ユーザーの検索意図を読み取り、予測した検索結果を表示することが可能になったのです。
ペイデイローンアップデート
ペイデイローンアップデートは、2013年6月11日に実施された「ローンやクレジットカード関連」また「アダルトコンテンツ」などの一部のキーワードに対して、検索結果がスパムだらけの検索クエリに発動したアップデートとなります。ペイデイローンアップデートは、一般的なキーワードには影響のない、スパム排除が目的となるアップデートです。
モバイルフレンドリーアップデート
2016年10月に実施されたWebページが、モバイル(スマホやタブレットなど)表示に対応していることを判断するアルゴリズムになります。スマホやタブレットなどモバイル環境の増加に伴い、Webサイトのデザインやフォントの大きさ、ボタンの配置位置の感覚などが、スマホユーザーにとって使いやすいことを評価するアップデートです。
モバイルファーストインデックス
モバイルファーストインデックスは、2018年3月27日に発動されたWebページの評価基準をパソコンではなく、スマホ対応表示されていることで評価するアップデートになります。モバイルファーストインデックスの実施により、デザイン的にパソコンでの表示がまとまっていても、スマホで表示がユーザーにとって見にくければ、評価を下げられることになりました。
スピードアップデート
スピードアップデートは、2018年7月に全Webサイトを対象に読み込み速度の遅いページの評価を下げるアルゴリズムを採用しました。ただし、スピードアップデートでは読み込み速度が遅くても、ユーザーに役立つ検索意図と関連性の強いページであれば、対象外となります。また、スピードテストの表示速度の基準については、明らかになっていないことが現状です。
フロリダアップデート
フロリダアップデートは、2019年3月に実施されたコアアップデートの別の呼び方になります。ここ最近では、最も大きなアルゴリズムの更新として順位変動にも大きな影響がみられました。フロリダアップデートは、基本的にユーザーに役立つWebページであることが評価基準とされていますが、詳細については明らかにされていません。
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今後の対策すべきこと
これまでGoogleによる過去のアップデートを紹介してきました。コアアルゴリズムアップデートの発動により、常にアップデートが実施される状況になっています。そのため、Web担当者には、検索ユーザーの役に立つコンテンツ制作能力が求められるようになったのです。今後の対策として、検索クエリとの関連性の高さや関連ページの多いサイトを目指して、高品質なWebサイト制作に取り組む必要があるでしょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか?Webブラウザのクッキー制限やGoogleのアップデートの精度向上に伴い、これからのWebで生き抜くためには、しっかりしたコンテンツを作成する必要があることを理解いただけたことでしょう。そのような状況の中、弊社では企業のWeb担当者との打ち合わせを介して、よりユーザーに役立つオウンドメディアの制作にも注力しています。ご検討いただければ幸いです。
- Yahoo!広告がアフィリエイト広告の規制を強化しルール違反のサイトに出稿制限を設けた
- AppleのIntelligent Tracking Prevention (ITP)によりクッキーを用いたトラッキングが厳しくなり対応が必要
- Google Chromeがサードパーティークッキーの制限を強化しリターゲティング広告への影響が生じる
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