GoogleのサードパーティCookie完全廃止に向けた今後のWeb集客とは?

GoogleのサードパーティCookie完全廃止に向けた今後のWeb集客とは?

記事の監修

株式会社めぐみや 代表取締役社長

大浦 理

Google PartnerGoogle Partner 認定

Web集客・マーケティングの専門家として、13年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。

2020年に入って、SEO環境において大きな変化が訪れました。2020年1月14日にGoogleより発表された「GoogleのCookieサポート廃止」を2年以内に終了する意向です。いままで、GoogleのCookieによる恩恵を受けていたWeb管理者にとって、大きな影響を受けることでしょう。

この記事では、2020年1月に発表されたGoogleのCookie廃止について、そもそも「GoogleのCookie」とは何か?についての解説から始まり、Googleの目的、今後のWeb集客への影響について取り上げていきましょう。

また、Cookie廃止により今後、有用になってくるWeb施策についても解説していきます。企業のWeb集客に取り組んでいるWeb担当者にとって、新しい方向性の発見となる役立ち情報となれば幸いです。

この記事はこんな人におすすめ
  • クッキーCookie)について知りたい方
  • GoogleのCookie廃止について知りたい方
  • Cookie廃止によるWeb集客への影響を知りたい方

クッキー(Cookie)とは?

クッキーとは、ウェブサイトがユーザーのコンピューターに一時的に保存する小さなテキストファイルの一つです。主に、ユーザーがサイトで行った操作や設定、ログイン情報などを記録しておくために使用されます。

なぜクッキーが必要なのか?

ウェブサイトは、基本的には状態が保存されない「ステートレス」なシステムです。つまり、ページを移動するたびに新しい「セッション」が始まるということです。クッキーがあれば、その情報を用いてユーザーが前に訪れたページと連動させることができます。例えば、オンラインショッピングサイトでは、カートに入れた商品を記録するためにクッキーが使用されます。

クッキーのリスクと対策

クッキーは便利ですが、プライバシーの侵害やセキュリティのリスクもあります。例えば、サードパーティクッキーによってユーザーの行動が追跡されることがあります。これを防ぐためには、ブラウザの設定でクッキーの許可を管理することが可能です。

GoogleのCookie廃止とは

続いて、Googleから発表されたCookie廃止について見ていきます。具体的にどのような見直しとなるのでしょうか。GoogleのCookieとは、検索エンジン大手Googleが提供するブラウザ「Google Chrome」におけるトラッキング用サードパーティ製Cookieのことを指します。

具体的には、Webサイト閲覧者の分析に必要な設定となるトラッキングに活用するサードパーティ機関が提供するCookie(ブラウザに保存されたデータとサーバの交換技術システムのこと)が廃止されるのです。

Apple社では、2018年の段階でSafariブラウザに適用したサードパーティCookieの廃止がGoogle Chromeにも提供されることになります。

サードパーティCookieの段階的な廃止

2020年1月14日、Googleからの発表によると、サードパーティCookieは2年間かけて段階的に廃止していく意向です。今後、2022年までの期間にテストを繰り返しながらの段階的な処置になります。

2020年1月15日に発表されたサードパーティCookieの廃止について

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サードパーティCookieの制限による未来は?

今回、施行されるGoogleの制限は、広告業界や出版社にとって大きな変革をもたらすことになるでしょう。その理由として、ディスプレイ広告やリターゲティング広告をはじめとするオンライン広告は、ユーザーのWeb閲覧行動となるCookieを頼りに行われてきたターゲティング施策だからです。

そのため、広告業界や出版社をはじめとする、広告の運用が核となる業種にとって「Cookieの廃止」は大きな分岐点となるでしょう。

2022年までの猶予

それでも、今回のGoogleによるCookieの廃止に対して、2年以内という期間の設定が穏やかな制限施行となるのです。発表からすぐに施行されないことから、企業の変革期間も考慮した対応になります。

2年間の猶予の中で、オンライン広告システムに依存してきた企業の変貌が必要不可欠になるのです。広告運用を糧にしてきた企業にとっては大きな変革時期と判断できるでしょう。

Googleの目的は?

それでは、Cookieの廃止によるGoogleの目的について取り上げてみましょう。GoogleのCookie廃止で考えられる大きな目的は、Webページを閲覧するユーザーに向けて安全性を高めることがあげられます。

Webにおける広告システムにも大きな影響を持つGoogleは、サードパーティCookieに規制をかけて、健全な広告システムを保持することで経済的に優位に立つことを目指しているのです。

Googleが狙うWebの動向

Googleが狙う今後のWeb動向では、従来のDSP広告システムにおけるリターゲティング広告などに代替するシステムを構築していこうとしています。それは、2年間の猶予の中で段階的にテストを繰り返して、代替案を現実化させていくことです。

フィンガープリント

先述したサードパーティCookieの廃止を進めることにより、広告業界側からは、「ユーザーの広告体験の減少」を不安視するようになりました。そのため、Cookie以外のユーザー行動を活用したターゲティングの増加も考えられるようになったのです。

その広告活用手法がフィンガープリントになります。フィンガープリントは、ユーザーが利用する端末のIPアドレスやフォント、ブラウザ解像度などのデータからターゲティングを行うユーザーにとって制御不可能な不透明なシステムです。

フィンガープリントは、増加傾向になりましたが、ユーザーにとって制御管理ができないためプライバシーの点からも問題視されるようになりました。

プライバシーサンドボックス

そのような流れから、2019年にGoogleはCookieではなくプライバシーが保たれる広告手法としてプライバシーサンドボックスを提唱するようになったのです。広告手法に完全な規制をかけてしまうことは、Web業界の収益全体にも影響を及ぼすことに配慮した取り組みになります。

プライバシーサンドボックスは、2019年に発表されたばかりで提案状態です。そのため、具体的なシステム内容は開示されていません。しかし、コンセプトとしてユーザーのプライベート性を保ちつつ、広告運用側の収益も損ねないシステムの構築を段階的に進めていく姿勢なのです。

Googleは、ユーザー目線だけではなく、広告運用業者に向けた「変更への対処」まで考慮をしています。そのための「Cookieを廃止する」事前発表であり、猶予期間中に新しい広告運用手法への代替案を待つことができるのです。

Web集客への影響

それでは、Web業界に大きな影響を及ぼすことが懸念されるGoogleのCookie廃止について、具体的にWeb集客へどのような変化が起きるのでしょうか。見ていきましょう。

広告運用への影響

Web集客の肝になる部分を「広告」でまかなってきた企業にとって、今回のCookie廃止は大きな影響を及ぼすことになりそうです。ただし、広告運用全般と言えることではなく、「広告運用の出稿方法によって効果が期待できなくなる」という認識となるでしょう。

リスティング広告への影響

今回のCookie廃止の発表をしたGoogleでは、広告手法がサードパーティCookieではないことがあげられます。そのため、Googleが提供するGoogle広告ではCookieの影響を受けることがないのです。

その理由として、Google広告(リスティング広告をはじめとする)で利用するユーザーデータは、ファーストパーティCookieを活用していることがあげられます。Googleの保有するファーストパーティデータ保有量は多く、サードパーティに頼る必要がないのです。

さらに、リスティング広告は検索キーワードに準拠した広告手法のため、今回のCookie廃止の影響はないでしょう。

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アドネットワークへの影響

広告の配信をネットワークシステムにより管理運用する手法のアドネットワークには、テキスト広告からディスプレイ広告など様々な広告種類があります。

その1つとなるユーザーのWebサイト訪問履歴を活用するCookie頼みになるターゲティング広告への影響があげられるでしょう。訪問ユーザーの行動傾向を分析して最適な広告を配信していく手法には、見直しが必要になります。

そのため、アドネットワークの中でも「1部の広告システムには影響が出てくる」という判断になるでしょう。

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リターゲティング広告への影響

次にあげるリターゲティング広告については、GoogleのCookie廃止の影響を大きく受けることが考えられます。リターゲティング広告は、一度アクセスしたWebサイトの訪問履歴(Cookie)をもとに訪問ユーザーに対して関連広告を配信していく仕組みです。

リターゲティング広告の手法は、ユーザーの「興味関心」に再度提案を仕掛けていく広告配信になるため、ユーザーによっては過度な広告の露出と捉えられることも少なくありません。

リターゲティング広告で活用されるCookieがWebサイトのサードパーティCookieの場合、GoogleのCookie廃止は大きな抑制となるのです。

想定した広告展開が必要

いままで取り上げてきた広告の種類、リスティング広告やアドネットワーク、リターゲティング広告など特徴によっては活用ができなくなります。企業が1つの広告手法(特にリターゲティング広告)に依存してビジネスを展開していた場合、会社の存続にも影響を及ぼすことになるでしょう。

そのため、広告展開は1つの手法にかたよらないことが重要です。これからは、広告運用の先に見えるユーザーにとっての利便性、安全性などを想定しておくことが必要になります。

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Cookie廃止が追い風になる企業

さて、いままでGoogleのCookie廃止によるWeb業界の負のイメージを取り上げてきました。しかし、今回のCookie廃止が追い風となる企業もあるのです。

いままで、広告を主体として顧客とのタッチポイントを作ってきた企業は新しい手法への変革が必要になってきます。Cookie廃止が追い風になる企業は、広告を主体としないコンテンツによる集客ができることが見直されてくるのです。

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Cookie廃止により対策が必要な企業

逆にCookie廃止により対策が必要な企業は、どのように取り組んでいくべきなのでしょうか。先ほどもふれましたが、広告を主体とした企業にとって2年間の猶予の間に変革をしていかなければなりません。

DSP広告などCookieデータ依存の広告運用の見直し

具体的には、サードパーティCookieで成り立つDSP広告などCookieデータに依存した広告運用システムの終わりが来ているのです。そのため、DSP広告ではない新たな広告運用の見直しや広告に依存しないWeb集客の手法が必要になります。

ただし、従来からDSP広告を主体とする企業は、AppleのSafariによるCookie規制が起きた時点で今回のWeb動向を予測していることも考えられるでしょう。つまり、先述したGoogleから代替案として開発中のプライバシーサンドボックスへの移行による利便性や安全性の高いツールを活用に切り替えることです。

今後のWeb集客に向けた対策

最後になりましたが、今回のGoogleのCookie廃止発表を受けて、今後のWeb集客に「どのような影響」をもたらすのでしょうか?いままで解説してきた広告に依存している企業の場合は、今回の変更発信元になるGoogleから提供されるプライバシーサンドボックスを待つことも1つの方法です。

ただし、移り変わりの激しいWeb業界では、ユーザーの興味関心をツールの都合で待っているわけにもいきません。また、検索エンジンのシステムに依存し過ぎた施策では新しい変更のたびに影響を受けていくことにもなりかねます。

そこで、ポイントとして取り上げることは、これからのWebで集客をしていく場合、システムの利便性に依存した広告の出稿よりも、自社メディアからの情報発信の拡散やCookieにたよらないターゲティングが必要になるのです。

それでは、上記にあげた2つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

自社メディアからの情報発信

広告の運用によるWeb集客の場合、広告出稿に費用がかかりますが、ユーザーの動向や行動結果を知るには時間がかからない利点があります。しかし、今回のCookie規制により、サードパーティCookieデータを活用する広告システムは使えなくなるのです。

いままで、広告頼みのWeb集客を主体としてきた企業の場合でも、Googleからの提供を2年間待つことは必然的になっています。つまり、Cookie頼みの広告運用から新しい広告システムへの移行も時間がかかるということです。

ここで、大きな代替案後してあげられるのは、自社メディアを制作して運用していく施策になります。自社メディアの場合、専門的な知識や経験も必要になりますが、広告の運用と違い、ある程度成長させることにより、安定したWeb集客が期待できるのです。違ういい方をすると、広告展開によるWeb集客よりも根強い顧客獲得に力を発揮することでしょう。

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Cookie要らずのターゲティング

今回のGoogleからのCookie廃止の発表の前に、公正取引委員会からも個人情報を守る観点からCookieを廃止する意向が示されています。

世論へも方向性が示されているだけに、サードパーティCookieの廃止は間違いなく施行されることになるでしょう。それでは、Cookieに頼らないWeb集客のためのターゲティングはどのような方法があるのでしょうか。

今後の普及が見込まれるウェアラブル製品やスマート家電などを通じたIoTを介して個人データを活用する方法こそ、時代を見据えた正確なユーザーデータ分析になるのではないでしょうか。

Web検索行動以上にパーソナライズ化されたユーザーデータを安全かつ適正に取扱い、インターネットの信頼性の強化も図られていくことになります。GoogleChromeではサードパーティCookieの影響がないファーストパーティCookieのみを利用している点から、Google広告のあり方への変化もないことがうかがえるのです。

今後は、Webの安全性と信頼性の強化されたターゲティングの活用に方向性が取られていくことでしょう。

公正取引委員会、サイトでの「Cookie規制へ」報道(Yahoo!ニュースより)

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まとめ

いかがでしたか?今回は、GoogleのCookie廃止によるWeb集客の大きな影響について解説してきました。いままで、システムの利便性を駆使した「ユーザー目線」からかけ離れた施策が広告運用に見られました。

今後は、広告のあり方もユーザーファーストに向けて、インターネットの安全性と正確性に向けた動きが強まることでしょう。その方向性に合わせた施策として、自社メディアを運用していくことは、Web集客に外せない取り組みになると言えるのではないでしょうか。

この記事のまとめ
  • Googleは2020年1月サードパーティCookieの支援を2年以内に終了すると発表
  • GoogleはサードパーティCookieを段階的に廃止する予定
  • 広告を主な収入源とする企業に大きな影響を与える可能性がある

GoogleのCookie廃止に関するよくあるご質問

最後によくあるご質問をいくつかご紹介致します。
みなさまのWeb集客にお役に立てば幸いです。
その他、ご不明な点がございましたら以下のリンクよりお気軽にご相談下さいませ。
無料オンライン相談はこちらからどうぞ。


Q

GoogleがCookieを廃止する理由は何ですか?

A

Googleは、ユーザーのプライバシーを保護するためと、ブラウジング体験を向上させるために、サードパーティCookieの使用を廃止する方針を示しています。

Q

GoogleのCookie廃止の決定はいつから実施されるのですか?

A

Googleは2022年を目途にChromeでのサードパーティCookieのサポートを終了する予定でしたが、実際のタイムラインは変動する可能性があります。

Q

Cookieの廃止に代わるGoogleの提案は何ですか?

A

Googleは「Privacy Sandbox」という新しい技術を提案しており、これによって個人の識別情報をブラウザ内で匿名化することを目指しています。

Q

広告業界はこの変更にどのように対応していますか?

A

広告業界は、ターゲティング広告の効果が低下することを懸念しており、代替手段や新しい広告技術の開発を模索しています。

Q

GoogleのCookie廃止の影響はユーザーにとってどうなのですか?

A

ユーザーにとっては、よりプライバシーが保護され、より関連性の高い広告が表示される可能性があります。

Q

他のブラウザはどのような方針を持っていますか?

A

他のブラウザ、例えばSafariやFirefoxは、既にサードパーティCookieの制限やブロックを行っています。

Q

Googleのこの決定に対する反応はどうですか?

A

意見は分かれており、プライバシー保護を重視する声や広告業界からの懸念など、さまざまな反応が見られます。

Q

Cookie廃止後、Webサイトのアクセス解析はどう行われるのですか?

A

Privacy Sandboxの中で提案されている技術や、他の非Cookieベースの技術を使用して、アクセス解析が行われる予定です。

Q

GoogleのCookie廃止の影響はグローバルにどれくらい広がっていますか?

A

GoogleのChromeは世界で最も多く使用されているブラウザであるため、この決定はグローバルに大きな影響を及ぼしています。

Q

サードパーティCookie廃止の主な目的は何ですか?

A

主な目的は、ユーザーのプライバシーを保護し、より透明性のあるブラウジング体験を提供することです。

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