昨今のWeb戦略の注目を浴びているオウンドメディアを企画するのに重要なことは目標設定です。企業のWeb担当者は、目標設定をする前にオウンドメディアの構築に取り掛かり、運用を開始してしまうパターンが少なくありません。
そのため、目標設定が明確でないと効果を実感できない時期にモチベーションを落としてしまい途中で挫折をしてしまう可能性もあるのです。または、目標設定が曖昧なままコンテンツを作成していくうちにメディアのコンセプトから外れた方向性に向かってしまうことも考えられます。
この記事では、方向性に迷ってしまう企業のWeb担当者の指標の参考になるオウンドメディアの企画で重要な目標設定について解説していきましょう。また、オウンドメディアには目標設定が必要な理由とその方法について詳しく見ていくので参考にしてみてください。
目次
オウンドメディアの企画は難しい?
オウンドメディアの目標設定が必要な理由の前に、オウンドメディアの企画作成の難易度について解説します。オウンドメディアの企画は、どの程度難しいのでしょうか?ここでポイントになる企画を難しくさせる点を取り上げましょう。
- デザイン
- サイトタイトル
- ロゴ
上記にあげた3つの選定は時間効率を落とし、場合によっては運用までいかないまま挫折してしまうことも考えられます。それでは、オウンドメディアの企画作成でつまづくポイントを見ていきましょう。
オウンドメディアの企画作成でつまずくポイント
オウンドメディアの企画作成が難しいのは、上記にあげた3つの選定を最初の段階で選定しておく必要があるからです。例えば、自社で上記の3つの選定(デザインサイトタイトル・ロゴ)を決めていくとなると、企業の企画担当は慎重になり過ぎたり、意見の相違が起きたりで中々、まとまらなくなります。
そのため、最初の段階でつまずいて、オウンドメディアの運用まで行かないままお蔵入りになってしまう可能性もあるのです。または、オウンドメディアを軌道に乗せるまでの予定を大幅に遅らせてしまうことになります。
自社で企画作成をする場合、はじめに注意しておく点を紹介しましょう。それは、デザインやロゴなどを細部まで覚えているユーザーは少ないことです。つまり、運用前の規格の段階でサイトタイトルやロゴ、デザインを正確に決める必要はありません。
細部まで決めないと先に進まないような企画制作では、運用開始も遅れてオウンドメディアの効果を得るまでの時間も先送りになってしまうでしょう。上記にあげた3つのポイントは、運営途中で変更することはWebの動向に沿うためありうることです。
逆に言えば、ユーザーが本来求めているコンテンツを提供していくために調整をしていく感覚で企画段階で見切り発車するぐらいの認識が必要でしょう。
オウンドメディアの企画の重要性
オウンドメディアの企画が難しい点は、制作段階で選定に悩むことと案内してきました。先ほど取り上げた3つの選定については、流動的に捉えることが時間効率を上げることにつながるのです。
だからと言って「流動的だから全て変更自由」と認識してしまうのは違います。オウンドメディアの企画の重要性は、最初に決めておくべき重要な選定もあるからです。オウンドメディアの企画段階で明確にしていることを上げてみましょう。
特にオウンドメディアの企画段階で明確にしておくポイントを取り上げましたが、中でも最初の目的が最も重要になります。企業が自社のWeb戦略として、オウンドメディアを運営することの目的を明確にしておかないと社内での認識に差異が生まれてきます。
または、一向にユーザーからの反応がない時期に社内からネガティブな意見も受けることになるからです。このような認識の違いをなくすためにも企画段階で、オウンドメディアの運営の意義と目的を共通認識しておくことが重要になるでしょう。
オウンドメディアの企画には目標設定が必要
オウンドメディアの企画段階では、目的が重要と説明してきました。目的を明確にして目的を追求した行動をするためには、目標設定が必要になります。
例えば、スマホの画像編集アプリの使い方に特化したメディアを起ち上げたとしましょう。目的がアプリのダウンロード数とした場合、目標設定もないまま運営をしていたらどうなるでしょうか?
スマホアプリのダウンロード数が目的だけど、目標設定もないままメディア内で画像をアップしていくだけでは何も変化が起きないのではないでしょうか。ダウンロード数の目標数値をデータ分析していないため、「どのようにダウンロード数を伸ばしていけば良いのか?」わからないまま放置している状態になるのです。
このような目的はあっても、目的のための目標設定がされていない状態では、オウンドメディアの運営は効果を得られない施策になってしまいます。そのような状況にならないために、どのように目標設定をしていけば良いのか説明していきましょう。
ゴールがなければ途中で挫折しやすい
オウンドメディアの企画段階で、最も重要な目標設定のやり方を解説します。目標設定は、ゴールを設けることが重要になるのです。その理由として、ゴールがない目標設定は挫折しやすいことが挙げられます。
先程上げた例の「スマホアプリのダウンロード数」にしても、数値が明確に設定されていないと具体的な取り組み方法が見えてきません。つまり、最初にゴールとなる数値目標を明確にして、細分化して具体的な取り組みまで落としていくのです。
ゴールの数値があまりにも現実的でない場合、具体的に細分化しても無理な数値目標になってしまいます。ただし、企画の段階で無理な数値目標を現実に到達可能なレベルに修正することができることがメリットとなるでしょう。
テーマの共有認識が重要
オウンドメディアの目標設定では、数値目標以外に目的に沿ったテーマの共有認識も重要になります。先程のスマホの画像編集アプリで言えば、数値目標がダウンロード数に設定されているのに社内の別の部署では、画像編集アプリの販売数を目標と認識していれば認識に違いが生じてしまうのです。
ここで重要なのは、自社でオウンドメディアの企画する段階で、目的に沿った目標設定を共通認識すること。社内でのオウンドメディアの運営テーマも共通理解できるようになるでしょう。
外注依頼も視野に入れる
また、オウンドメディアの企画段階で無理な目標を設定した場合、現実的な数値まで調整していくことになります。その場合、数値目標に無理があるのは「人的リソース不足」であれば外注に依頼することで目標数値を落とさないで済むことができるでしょう。
オウンドメディアの構築から運営まで、すべて社内の人材で行う観点から判断してしまうと限界が見えてきます。オウンドメディアは、長期的な取り組みになることから自社で行わなくても良い部分を外注に依頼して、浮いた時間を商品開発や販売に費やしたほうが賢い選択になることも考えられるでしょう。
具体的なオウンドメディアの目標設定方法
それでは、実際に企画段階でどのようにオウンドメディアの目標設定をしていけば良いのか?具体的な目標設定方法を解説していきましょう。
競合他社の動きをリサーチ
昨今では、オウンドメディアを運営している企業は増えています。ただし、運営開始してからオウンドメディアの継続をやめてしまう企業も少なくありません。やめてしまう企業の共通点が目標設定があいまいで長期目線の取り組みに社内の人的リソースが不足してしまうことが考えられます。
目標設定は重要なことを念頭に置いて、現在自社と同じ市場で展開している競合他社の動きに注目することも必要なデータ分析になるでしょう。言い換えると、目標設定をする前に競合他社の動きをリサーチすることが重要なのです。
競合がどのようなテーマでオウンドメディアを運営しているか?またはコンテンツで提供している内容、どのような誘導経路で販売につなげているか?など事前に分析していくことが必要になります。
KPIツリーで分析
競合他社の動向や自社の現状をデータとして集めたら、それらを基にして自社の強みを生かしたゴールを目標として掲げるのです。この最終目標を設定するのに最適なツールがKPIツリーになります。
KPIツリーでは、最終目標となるKGIに数値や達成目標を設定して、最終目標を起点にロジックツリーで細分化して具体的に取り組める数値やタスクまで落とし込むのです。どこか途中の段階で無理があれば、その時点で別の方法を考える必要が出てくるでしょう。このようにKPIツリーは、行動を起こす前の指標に沿った目標設定に効果的な分析になります。
現状のWeb資産を理解
KPIツリーで分析中に、現実として捉えておきたいのが自社のWeb資産の現状です。目標が大きければ大きいほどWeb戦略で必要な露出経路も増えてきます。自社の公式ホームページのアクセス数が少ないのに、現状の何倍ものアクセスを期待しても中々、現実的ではありません。
自社のホームページ、販売ページ、広告、SNSアカウント、メルマガ読者など保有するWeb資産を認識して、どのように増やしていくべきか?も具体的に見ていく必要があるでしょう。
予測も踏まえて柔軟に対応
上記の自社のWeb資産を参考にして、目標設定をしていく中で、一度設定した目標を変更しないことも継続には必要になります。ただし、Web戦略では目まぐるしい変化にも対応していく必要があるため、予測も踏まて柔軟に目標を調整していくことも必要です。
かたくなに設定した目標に向かって黙々と取り組み姿勢も大切ですが、変化の激しいWebでは、柔軟性も必要とします。
メディア運営指標(グーグルアナリティクス)
変化の激しいWebの動向では、常にメディアの状況を解析していく必要があるでしょう。メディアの運営指標を設定するために必要な解析ツールがGoogleから提供されるグーグルアナリティクスになります。メディアの運営に必要な指標となる解析項目は次の通りです。
セッション数(メディア全体)
セッション数は、オウンドメディアに訪問してきたユーザーの回数を表します。ここでポイントとなるのは、訪問してメディアから離脱した後、30分以内に再訪問しても同じカウント数になることです。
平均PV・滞在時間
次に平均したページビュー数とWebサイトに滞在している時間になります。平均したPV数は、1度訪問したユーザーがオウンドメディア内のページを何ページ回遊しているか?ページビュー数を平均値です。また、滞在時間はセッション時間ともいわれ、1ページ当たりの平均した滞在時間が表示されます。
直帰率
オウンドメディアの訪問数に対して、直帰(訪問後即離脱)した行動のカウントでの計測です。計測は、全体の訪問数に対して直帰ユーザーが何%になるか表示されます。
ページの価値
ページの価値は、オウンドメディアに求めるコンバージョン指標を設定して、その行動に到達したらページ価値が上がる仕組みです。
CV数
オウンドメディアのコンバージョンは、お問い合わせボタンのクリックや会員登録、資料請求など直接購入につながるアクションではありません。または、メディアに関連する商品の販売ページへの誘導もCV数として設定することができます。
外さない目標設定は経験も必要
以上のようなWeb解析を踏まえて、オウンドメディアの現状を把握しながら指標を立てていくのです。自社でWeb指標を目標設定とする場合、外してしまう可能性もあります。その理由は、企業のWeb担当者が専任業務でないことが多いからです。
外さない目標を設定する場合は、Web解析の経験も時間も必要になってくるでしょう。
専門業者に依頼
専門的なウェブ解析をはじめとするオウンドメディアの目標設定の作成方法についてポイントを見てきました。細分化された指標になると、オウンドメディアの運営は自社だけで行うのは負担が大きくなることが考えられます。対策としては、専門業者に依頼することで業務の負担を軽減できることにつながるのです。
まとめ
今回は、オウンドメディアの企画段階で重要になる目標設定について、解説してきました。目標設定が重要な理由が、社内の共通したテーマ認識と継続という事が理解できたでしょうか。
オウンドメディアは、長期的で規模の大きい取り組みになるため、途中で挫折しないように目標設定をすることが重要なのです。
また、企画の段階から専門業者に相談することで時間効率を高めることにつながります。ぜひ、参考にしてみてください。