記事の監修
Web集客・マーケティングの専門家として、13年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを必要とする層に向けた有益で説得力のあるコンテンツの制作と配信する施策と捉えられていました。コンテンツを保有する企業にとっては商品やサービスの特徴や解説程度の運用だったのです。
しかし、検索エンジンの精度向上とユーザーの情報収集がスマホ中心になってきた現在では、コンテンツマーケティングの運用も大きく変化してきました。つまり、新しい段階へと突入したわけです。
この記事では、新しいコンテンツマーケティングに必要な考え方と運用の流れを解説していきます。また、コンテンツマーケティングの時代変化も併せて案内していくので、企業のWeb担当者の新しい取り組みの参考にしてみてください。
目次
コンテンツマーケティングは第3世代に突入した
コンテンツマーケティングは、第3世代に突入しました。コンテンツを運用してユーザーに価値を提供する行動に必要なものがダイレクトに商品やサービスありきではなくなったのです。
コンテンツマーケティングの時代変化
コンテンツマーケティングが第3世代に突入したことを解説する上で、第1世代や第2世代のことを知らなければ時代変化を捉えることができません。それでは、各世代の内容について取り上げてみましょう。
第1世代「アフィリエイト」
はじめに、コンテンツマーケティングの第1世代にあたるのが「アフィリエイト」です。アフィリエイトは、自社の商品やサービスを抱える企業に変わって、その商品やサービスに興味関心の高いユーザーを紹介するWeb手法になります。
アフィリエイトにおいての成果発生ポイントは、企業に紹介したユーザーが購入や申し込みなどの行動が発生した時点です。その結果、企業が紹介者にあらかじめ設定されたインセンティブ(紹介料)を支払う形になります。
企業のWebサイトの場合、自社の売上や利益ばかりを重視したコンテンツで構成されているため、「実際に、その商品って使ってみてどうなのだろう?」という本来ユーザーが求めているリアルな情報が見えないのです。そのため、企業のしがらみにとらわれない第3者である紹介者が比較サイトやレビューサイトなどでユーザーに役立つ情報を発信していくビジネスモデルとなりました。
ただし、アフィリエイトに関しても個人の紹介者であるアフィリエイターが、企業とのパイプ役になるアフィリエイトサービスプロバイダを介して、企業に左右される内容に調整されることも少なくありません。
それは、アフィリエイト成果報酬の金額によって、比較順位の入替を求められることが横行したからです。そのため、商品やサービスの比較順位に正当性は反映されづらくなり、アフィリエイトを施した比較サイトを経由して実際に商品を購入したユーザーに不信感を膨らませることになりました。
その結果、アフィリエイトが施してあるWebサイトへの信頼性が下がり、検索エンジンの評価もコンテンツとして低品質と位置付けられることになったのです。
第2世代「広告集客の代替え」
アフィリエイト世代に変わって、広告集客が主流になってきました。広告集客は、リスティング広告やPPC広告をはじめとして企業が求める検索結果ページ表示に向けて資金投入をするようになったのです。
資金がかかるが簡単に検索結果ページに表示される広告集客は、企業にとっては取り組みやすい宣伝手段となります。そのため、他社との入札キーワードの競合が始まったのです。
広告集客は、参入企業が増えてくることで広告費の高騰にもつながりました。広告集客は、運用面でもコントロールが難しくなってきたのです。
広告集客では、検索需要と広告に設置されたアクセス先のコンテンツとが合っていないことも見受けられるようになりました。さらにアフィリエイト報酬目的での広告活用が検索需要と一致しない低品質なコンテンツで企業名キーワードの検索結果の質を落とすようになったのです。
そのため、企業からの入札キーワードの規制や広告出稿におけるガイドラインまでも制約が厳しくなってきたのです。
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第3世代「これからはブランディング」
インターネットユーザーの検索エンジンへの信頼性を強化するために、アフィリエイトや広告では簡単に集客できなくなってきました。そのような時代の流れから、コンテンツマーケティングも見直されてきたのです。
今後は、コンテンツマーケティングによる企業のブランディング活動が重要視されるようになります。それは、企業の商品イメージ戦略ではなく、企業の持つ商品やサービスに関連するユーザーに役立つコンテンツの情報発信です。
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これからのコンテンツマーケティングに必要な考え方
それでは、企業のブランディングにつながるコンテンツマーケティングに必要な考え方を解説していきましょう。
コンテンツSEO
まず、コンテンツマーケティングに必要な考え方は、検索結果ページで自社の持つWebサイトの露出回数を増やしていくことです。そのためには、小細工のないコンテンツをWebサイトに組み込んでいく必要があります。
具体的には、Webサイト内の文章や内容、画像や動画など検索ユーザーに興味を持ってもらえるような役立つ情報がコンテンツとなっていることが重要です。
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Web上に資産を形成
コンテンツマーケティングによって、検索ユーザーに向けた役立つ情報を発信していくことが結果的にWeb上に資産を形成していくことにつながります。その理由は、企業色の強い販売サイトではないWebサイトは、ユーザーにとって居心地の良いメディアコンテンツだからです。
さらに、ユーザーに役立つ情報メディアを形成することは、企業の規模を超えた大きな資産価値を生み出すことにもなります。
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消費購買行動の変化を理解する
コンテンツマーケティングの運用では、常に時代の変化を察知しておくことが必要です。知っておくべき変化は、インターネットの普及によるユーザーの消費購買行動の理解になります。
現在の消費購買モデル
現在では、モバイル端末の普及によりユーザーの消費購買行動はスマホ中心になっている傾向です。消費購買モデルをスマートフォンに照準を合わせることが標準になってきました。
スマホの普及により想定される行動ポイント
そのため、スマホ表示に適したコンテンツやスマホユーザーが操作しやすい商品購入フォームを用意しておくことが求められます。さらに、スマートフォンによる「ユーザーの行動ポイントはどの部分になるか?」を想定しておくことが必要です。
たとえば、スマホの画面表示に合わせたフォントの大きさや操作性によるスクロール、ページ内に設置したユーザーが「自分ごと」と捉える具体的な提案などが挙げられるでしょう。
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コンテンツマーケティングはいつ始めるべきか?
次にコンテンツマーケティングの運用をいつから始めるべきか?解説していきましょう。コンテンツマーケティングでは、直接的に商品やサービスを販売することはしません。あくまでも自社の商品やサービスに関連するテーマにより、ユーザーに役立つ情報を提供していく手段です。
言いかえると、コンテンツマーケティングを展開する企業のファンを増やしていくような感覚になります。
開始するタイミングについて
企業の発信する情報に共感を持つユーザーを増やすためのコンテンツマーケティングを開始するタイミングは、一体いつ頃が良いのでしょうか?
その答えは、コンテンツマーケティングの重要性に気がついた「今」です。コンテンツマーケティングは、Web上の資産価値も高くなることから運用が順調になるまで時間や手間がかかります。そのため、早く始めれば成果も早く訪れるということです。
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コンテンツマーケティング運用の流れ
それでは、実際にどのようにコンテンツマーケティングを運用していけばよいのか?作成手順にもつながる運用の流れを案内していきましょう。
企業ブランディング活動に必要なこと
コンテンツマーケティングは、自社の商品やサービスを含めた企業イメージをブランディング活動のことです。企業ブランディング活動には次の4つのポイントが重要になってきます。
- 消費者が得る価値の明確化
- 企業イメージやコンテンツデザインと消費者とのマッチング
- 商品やサービス利用の実体験からのイメージ
- 実現欲に向けた消費者の自尊心形成
消費者が得られる価値の明確化
企業ブランディングによって、消費者がどのような価値を得られるのか?を明確に伝えていくことが必要です。たとえば、牛丼チェーンの「吉野家」の場合、「うまい、安い、早い」というテーマを自社のブランドイメージとして浸透させてきました。
実際に「吉野家」を利用する顧客層は手軽さと価格の安さ、安定した美味しさを念頭に利用するようにイメージの形成になったのです。
企業イメージやデザインと消費者のマッチング
また、企業イメージとデザインが消費者のイメージと合致していないとブランディングは上手くいきません。企業イメージが人手不足でブラックなのに、「安心ていねい」なイメージを打ち出していたり、ロゴマークのデザインも子供向けの動物キャラクターを使っていたり、実際の商品やサービスとはかけ離れたイメージになっていることも少なくありません。
いざ消費者が実際にサービスを活用しようとすると、イメージとは違うサービスの提供に「想像していたものと違っていた」となるからです。
実体験からの利用イメージ
消費者が知りたい情報は、商品やサービスを実際に使ったユーザーの体験談です。他人が利用した実体験を参考にして、自分が利用してみた時のイメージをふくらませます。そのイメージが自分ごとにあてはまったときに購買行動への意欲は増してくるからです。
実現欲につながる消費者の自尊心形成
消費者は、その商品やサービスが欲しくて購買行動に起こすわけではありません。実際に消費者が求めているものは、その商品やサービスを利用した結果、得られた状態です。得られた状態を実現できた状態として、企業のブランディングイメージに打ち出していきます。消費者の自尊心を形成することになり、実現欲を満たすことができるのです。
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具体的な運用ルールの取り込み方
次にコンテンツマーケティングを運用するうえでの具体的な運用ルールの取り組み方について解説していきましょう。
顧客をひきつける魅力的なコンテンツ提供
常に顧客(潜在ユーザー)にとって魅力的なコンテンツであることが第1条件です。コンテンツマーケティングは、提案の積み重ねになります。その都度、「このコンテンツはユーザーにとって役立ち魅力的であるか?」を念頭におくことが重要です。
コンテンツによりファンを集める
あくまでもコンテンツは、商品やサービスを売る販売ツールではありません。目的は、コンテンツにより企業のファンを集めることです。自社の商品やサービスを購入してくれるであろう見込み客の濃い信頼関係を築くことが運用の目的となります。
コンテンツマーケティング運用時の注意点
最後にコンテンツマーケティングの運用で注意しておきたいポイントを取り上げてみましょう。
コンテンツでは商品を売らない
まず、運用するコンテンツでは、商品を売らないことを理解しておくことです。先述しましたが、あくまでもコンテンツは、ファンを集めるための集客ツールになります。せっかく共感を持ったファンを逃してしまうことになります。
商品を勧めるには、コンテンツ内ではなく、外部の販売サイトを自然な形で紹介する流れが大切です。
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コンテンツ制作には時間がかかることを理解
また、コンテンツマーケティングの特徴として、コンテンツ制作には時間がかかることを理解しておきましょう。コンテンツを積み重ねて、その分野にまつわる有用な情報が整理されながら充実してくることで、大きな情報サイトと成長していくのです。
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コンテンツマーケティングは直接的な効果ではない
さらに、コンテンツマーケティングでは、企業の商品の販売数を伸ばす直接的な効果ではないことを知っておきましょう。コンテンツマーケティングによって、自社のブランディングが構築されるのです。その結果、長期的な消費者からの信頼と共感を得ることにつながります。
まとめ
いかがでしたか?コンテンツマーケティングについて、企業は「早く売上につなげたい」と願うことでしょう。しかし、コンテンツマーケティングの役割とは「顧客と共感でつながる信頼関係の構築」です。
この部分を履き違えて、ユーザーに役立つ情報を発信することよりも、自社の商品を売り込んでしまうことを優先しないことが重要になります。ぜひ、Web担当者のコンテンツ制作の参考にしてみてください。