ザイオンス効果とは?活用事例や注意点を理解して有効的に導入する方法

ザイオンス効果とは?活用事例や注意点を理解して有効的に導入する方法

記事の監修

株式会社めぐみや 代表取締役社長

大浦 理

Google PartnerGoogle Partner 認定

Web集客・マーケティングの専門家として、13年間にわたり厳格な基準と緻密な戦略をもって中小企業の成功を導く。
一時的な集客の手法に頼ることなく、中長期的な効果を持続させる本質的なWeb集客の構築に注力。
『恵ある集客を。』をスローガンに掲げてクライアント様のサービスや商品の核心的な魅力を、的確にターゲットに伝えることを重視したWebサイト運用をサポート。

何度も認知させることにより、好印象を与えていくザイオンス効果について、Webマーケティングの視点で「どのように活用したほうがいいのか?」に焦点をあてて解説します。この記事では、Web集客におけるザイオンス効果についての解説と活用事例、注意点などをご案内いたします。

Web集客の結果に満足していない企業のWeb担当者の方は、ザイオンス効果を使った施策に役立ててみてください。

この記事はこんな人におすすめ
  • ザイオンス効果について知りたい方
  • ザイオンス効果のビジネス活用について知りたい方
  • ザイオンス効果の事例について知りたい方

ザイオンス効果とは

ザイオンス効果とは、対象者に何度もくりかえし接触機会をもつことにより、好印象や高評価を与える効果のことです。ザイオンス効果は、発案者である米国の心理学者のロバート・ザイオンス博士の名前をつけた心理的効果になります。

ザイオンス効果のことを単純接触効果ともいい、恋愛や営業などで使われてきた古くからある心理テクニックです。人の認知機能は、興味関心がない状態から何度も頻繁に目に触れるようになったりすることで親近感をおぼえるようになります。

親近感が強まれば、無知による警戒心や不安などが薄れてくるでしょう。結果的に繰り返し接触して認知されたものに対して安心感が高まり、好印象に変っていくのです。このような流れで相手への印象や評価を良くすることが、ザイオンス効果による影響になります。

ザイオンス効果の由来

ザイオンス効果の由来について紹介しましょう。1968年に米国の心理学者ロバート・ザイオンス博士は、ザイオンス効果のことを対人関係の中にある熟知性の原則として論文発表しました。知覚的流暢性誤帰属説(ちかくてきりゅうちょうせいごきぞくせつ)という説があり、ザイオンス博士をはじめとする研究者の間で受け入れられてきた人間の心理状態があります。

知覚的流暢性誤帰属説は、ある刺激を何度もくりかえし受けることにより、知覚情報を処理する能力が上がっていく状態のことです。その状態により刺激に対して親近感を持つようになります。たとえばスポーツの場合、反復練習を積み重ねていくうちに練習に対しての「苦しみ」や「つらさ」が軽減されていくことが考えられるでしょう。何度もくり返すうちに、カラダが慣れてきて楽に受け入れられるようになります。さらに練習行為自体に親しみを感じるようになる状態です。

ザイオンス効果では、知覚的流暢性誤帰属説が人間の心理状態に起きうる要因として、単純な行動により何度も接触することから親近感を持たれる点に着目しました。この心理状態を視覚や聴覚、味覚、臭覚などにも活用して対人関係にもあてはめるようになったのです。

参考データ:単純接触効果の知覚的流暢性誤帰属理論における誤帰属過程の再検討

ユーザーを引き寄せる法則

ザイオンス効果は、ユーザーを引き寄せる法則とも定義されるでしょう。ザイオンス効果をビジネスで活用した場合、営業は相手先に何度も足を運んで、相手の役に立つ行為をくり返します。

たとえば、営業マンが何度も訪問してきて、毎回相手先に役立つ情報を提供し続けていたら、嫌な感情がわかなくなるでしょう。逆に、営業マンの持ってくる情報が知りたくなって、「今度いつ来るのか?」相手先から連絡が来るようになることも考えられます。

このようにザイオンス効果は、相手のほうから接触してくるほど強力な関係性をつくることができるでしょう。つまり、ザイオンス効果はユーザーを引き寄せる法則なのです。

心理学的な要素

ザイオンス効果の心理学的な要素とは、人間の対人関係において「熟知性の原則」がはたらく仕組みになります。熟知性の原則とは、ある人と会えば会うほど、理解すればするほど好きになっていく状態です。何度も会うことにより好意的になる心理状態を指します。

たとえ興味のない相手でも、何度も反復して接触することにより、警戒心や違和感が解放され親しみがわいてくる点がザイオンス効果の心理学的な要素です。

マーケティング的な要素

ザイオンス効果のマーケティング的な要素は、テレビコマーシャルが例となります。テレビコマーシャルの場合は、短い宣伝動画を一定期間何度も放映するため、だんだんとおぼえてしまい親しみがわいてくる状況があてはまるでしょう。

マーケティングでは、何度も目にする広告に対して知らないうちに潜在意識の中で記憶され、肯定的なイメージに変わる状態がザイオンス効果です。

ザイオンス効果の科学的根拠

ザイオンス効果、または単に「見慣れの効果」とも呼ばれるこの現象は、心理学的な研究に深く根ざしています。その主要な研究結果は、人が同じものに何度も接触することで、それに対する好意度が高まるということを示しています。これは日常生活のさまざまな側面、特にマーケティングや広告などの領域で見られます。

しかし、全ての研究者がザイオンス効果の存在を支持しているわけではありません。一部の研究者は、この効果が常に正確に作用するわけではないと指摘しています。これに対する反論として、ザイオンス効果は適切な状況と繰り返しの頻度で最大の効果を発揮するとされています。

主要な研究結果

ザイオンス効果については、多くの研究が行われてきました。その中で特に重要な研究結果の一つに、1968年にロバート・ザイオンスによって発表されたものがあります。彼は、人々が何度も同じものを見ると、それに対する好意度が上がることを明らかにしました。この研究は、広告やマーケティング、社会心理学などの多くの分野に影響を与え、今日までその有用性が認識され続けています。

さらに、ザイオンス効果は、同じものを繰り返し見ることによる親しみやすさが、人々の行動や判断に影響を与えるという、人間の認知と行動についての深い理解を提供しています。

批判的視点と反論

一方で、ザイオンス効果に対する批判的な視点も存在します。一部の研究者は、この効果が常に確実に作用するわけではないと指摘しています。例えば、過度な繰り返しや、消費者が初めてその情報に触れた状況が否定的であった場合、ザイオンス効果は必ずしもポジティブな結果をもたらさない可能性があるという意見があります。

しかし、これに対する反論として、ザイオンス効果は特定の状況や繰り返しの頻度で最大の効果を発揮するとされています。つまり、この効果は適切に活用すれば、マーケティング戦略や人間の行動理解において非常に有用なツールとなるのです。

ザイオンス効果のビジネス活用

ザイオンス効果をビジネスで活用する場合、顧客となる相手先を何度も訪問することで相手に好印象を持ってもらいます。ザイオンス効果は、ビジネスの世界でも行動心理学として相手におぼえてもらうことによるイメージアップ戦略となるのです。

人と人との出会いは、偶然が重なることにより運命的な力を感じることもあります。ビジネス面でも、「またお会いしましたね」という偶然が重なることにより、相手が運命的な印象を持つことでしょう。ザイオンス効果のビジネス活用は、くり返しの接触による親近感を与える効果なのです。

苦手克服のためのザイオンス効果

ビジネスでのザイオンス効果の活用は、苦手克服にも効果があります。それは、営業先の相手に対して苦手意識があっても、くり返し接触することにより、お互いの誤った認識もとけて、好意的な関係になってくる状況になるからです。

また、ビジネスパースンはスキルアップのために、ザイオンス効果を活用することにより、反復練習と実践の場数を増やすことにつながります。ザイオンス効果は、ビジネススキルを高める苦手な顧客対応の克服にも効果があるのです。

計画的な反復訴求

苦手を克服するためにザイオンス効果を活用する際、計画的に反復訴求することもあります。営業先の相手が好意的に捉えないことを前提として、計画的に反復訴求する方法です。計画的でなければ、相手に対して度が過ぎる訴求にもなるので、ザイオンス効果を使うには、計画にそった反復訴求が必要となります。

相手目線の反復訴求

ザイオンス効果をビジネスで活用するには、相手目線を意識した反復訴求が大事です。相手目線を無視した訴求では、逆効果となってしまいます。計画的に反復訴求する際に、相手の反応によるシナリオ変更も用意しておくことが必要です。相手目線であり、相手に役立つことを基準とした訴求方法が必要となります。

粘り強い反復訴求

相手に役立つことを基準とした訴求方法は、相手に対して嫌悪感をあたえないことが大事です。そのため、理解していないときは、好意的でなかったけれど、自分に役に立つ内容と理解できれば好意的になります。あくまでも「あなたに役立つ内容」という姿勢をくずさないことです。

ビジネスにおいてのザイオンス効果は、顧客目線を第一として反復訴求します。反復訴求では、粘り強さが必要です。相手目線の内容になるため、嫌悪感を持たれることは考えられません。もし、相手が好意的でない場合は、どこかに相手目線ではない部分が伝わってしまっているからでしょう。伝える内容が相手都合を優先していれば、好意的になるのがザイオンス効果のビジネス活用となります。

ソーシャルメディアでの活用方法

ソーシャルメディアはザイオンス効果を利用するのに理想的な場と言えます。ブランドや企業は、自分たちのメッセージを一貫して繰り返し投稿することで、フォロワーの間でブランド認知度を高め、好意度を向上させることができます。さらに、繰り返し同じメッセージを見ることで、フォロワーはそのブランドに対する親近感を感じ、エンゲージメントが向上します。このように、ソーシャルメディアはブランドや企業がザイオンス効果を最大限に活用することを可能にしています。

ザイオンス効果とブランディング

ザイオンス効果はブランディングにおいて重要な役割を果たします。ブランドのロゴやスローガン、商品イメージなどに消費者が繰り返し接触することで、そのブランドに対する認知度や好意度が高まるのです。この効果は、消費者がブランドに対して肯定的な印象を持つことを促進し、結果的には販売促進につながります。したがって、ザイオンス効果はブランディング戦略の一部として有効に利用することが可能です。

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ザイオンス効果の事例

ザイオンス効果の事例
次に、ザイオンス効果の事例について解説しましょう。ザイオンス効果は、対人関係で幅広く活用できます。ザイオンス効果がマーケティングにおいて、「どのようなはたらきをもたらすのか?」の事例の紹介です。

TVCMの場合

TVCMにおけるザイオンス効果は、古くからある反復認知の方法になります。番組と番組の間で放映されるCMは、設定された期間内に何度も視聴されることになるでしょう。このCMの原理は、視聴者の接触回数を増やす効果になります。

TVCMは、短い時間(30秒や1分30秒など)でわかりやすく企業の宣伝を行うため、キャッチコピーの活用が必須です。そのため、ザイオンス効果によりCMで流れていたセリフやキャッチコピーを視聴者に認知されるようになります。

Webマーケティングの場合

Webマーケティングにおけるザイオンス効果は、どのようにはたらきかけるのでしょうか?Webマーケティングの場合は、コンテンツ(Webサイトなど)や広告、メルマガなどがあげられます。Webマーケティングにおけるザイオンス効果は、TVCMと比べると認知されたい相手を選んで公開することが可能です。

TVCMの場合は、番組のスポンサーとなって不特定多数の視聴者にみてもらうことになります。Webマーケティングは、あらかじめ視聴者ターゲットを設定することができるので、自社のビジネスにあった効率の良さを発揮できるでしょう。

Webコンテンツにおけるザイオンス効果

Webコンテンツにおけるザイオンス効果の1つとして、スマートフォンのプッシュ通知があげられます。インターネットユーザーの8割以上がモバイル端末から情報を収集していることから、プッシュ通知によるアプリの利便性に好感をもつユーザーは少なくありません。

Webアプリの場合は、自動的な処理になるため反復回数も多くなります。アプリによるザイオンス効果は、現代の自動化された施策の1つではないでしょうか。また、昨今ではSNSへの投稿でもザイオンス効果が生まれます。ツイッターなどで、一貫したコンテンツを投稿していることにより、認知されるケースがザイオンス効果です。

●コンテンツマーケティングの有効性

また、Webコンテンツにおけるザイオンス効果は、更新頻度が高く膨大なページ数のあるWebメディアがザイオンス効果を与えやすくなります。コンテンツマーケティングの1つ、オウンドメディアなどは潜在ユーザーに向けた情報を長期的に更新していくことが必要です。

そのため、オウンドメディアのページ数や更新頻度も多くなり、検索キーワードが合致するユーザーに対して、「また、このサイトが出てきた」という状態をつくることになります。たとえば、「外付けHDD 修理」という検索ワードで情報を収集しているユーザーがいる場合、「外付けHDD 寿命」や「外付けHDD 故障」「ハードディスク 自分で治す」など、関連するキーワードで自分の求める情報を探す行動に出るでしょう。

その際、毎回検索結果の上位に表示されているページが同じオウンドメディアであれば、「このサイトは、外付けHDDの修理に関して最も詳しいサイトだ」と高評価を持ってもらえることになります。このように、コンテンツマーケティングでは、検索エンジンの評価によりザイオンス効果が発揮できるのです。

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オウンドメディアの場合

オウンドメディアの場合のザイオンス効果は、検索ユーザーに対して毎回検索結果の上位表示で確認されることが1つの効果となります。そのためには、検索エンジンの評価を受け続けることが大事です。オウンドメディアの場合は、サイトテーマに一貫性をもってコンテンツの専門性を高めていくこと自体が評価につながります。

たとえば、先ほど紹介した「外付けHDDの修理」をコンテンツテーマとしてオウンドメディアを運営している場合、あらゆる状況においての修理方法を追加していく形式です。テーマから外れないで、外付けHDDの修理についてコンテンツを増やし続けていくことにより、メディアの専門性が向上します。コンテンツの専門性が高まれば、ページ滞在時間やアクセス数も増え、結果的に検索エンジンの評価を上げ上位表示となるでしょう。

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広告におけるザイオンス効果

広告におけるザイオンス効果の場合は、リマーケティング広告があてはまります。あるWebサイトに訪問したユーザーに対して、くり返し広告を表示する手法です。Webサイトには、訪問ユーザーが興味関心を持って訪問することが前提となります。

その心理状態から、Webサイトを離脱後も興味関心の高い広告が表示されることにより、その広告に対してザイオンス効果がはたらくのです。

たとえば、ダイエットの情報を知りたくて、自宅でできる食事ダイエットの方法を解説しているWebサイトに訪れたとします。そのWebサイトの情報を確認した後に、他のWebサイトを訪れたときに「ダイエット関連の広告」が表示される状態です。

ユーザーは、ダイエットを自分が気になっていることと捉えて、広告をクリックする可能性が高くなるでしょう。広告によるザイオンス効果は、リマーケティング広告の仕組みにも活用されているのです。

広告活用の場合

ザイオンス効果を広告で活用する場合、ユーザーの興味関心の高い広告をくり返し表示させることが必要となります。必要なポイントは、表示する広告がターゲティングできていることです。ターゲティングが不十分なままで興味関心の低い広告を何度も表示させてしまうと、逆効果になります。

ユーザー自身が興味関心を持っているコンテンツであれば、広告だとしても嫌悪感を覚えることが少なくなるでしょう。広告活用の場合は、ターゲティングの精度と適正表示回数を考慮した反復訴求が大事です。適正回数については、後述しますが、10回までを上限とすることが必要となります。

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メルマガでのザイオンス効果

メルマガによるザイオンス効果とは、ユーザーが商品購入や会員登録など、何らかの形でメールアドレスを提供したことにより、企業から届くメルマガによるものです。メルマガによるザイオンス効果は、商品購入のアフターサービスであったり、アップセルやクロスセルなど、バックエンド商品の紹介であったり、ステップメールで届けることが多いでしょう。

メルマガの場合は、届け先の相手に迷惑メールと判断されないことに配慮しながら、適切な段階で接触回数を増やしていくステップメールを送ることが効果的です。ユーザーが何度も届くメールを待ち遠しくなるようになれば、ザイオンス効果が発揮できたことになるでしょう。

メールナーチャリングでの活用場面

ザイオンス効果のメールナーチャリングでの活用場面では、届け先の相手が絞られていることが前提となります。メールナーチャリングでは、ステップメールとして段階による訴求が必要です。そのため、あらかじめメールコンテンツを明確なターゲット設定のうえテーマをしぼります。

メールテーマは、コンセプトをもって設定して、ターゲットの状態にそって適正なメールを配信するのです。ここで重要となるのは、ユーザーがステップメールに対して好意的であることがあげられます。つねに好意的であることが前提となるため、配信内容はユーザー目線であることが原則です。また、メールナーチャリングによるザイオンス効果の目的は、ユーザーの「ファン化」になります。ファンとなったユーザーは、興味関心のあるテーマをもとに共感と信頼が生まれてくるでしょう。

SNSでの活用場面

ザイオンス効果をSNSで活用する場合、ステップメールやメディア投稿と同じく、SNS上への行動が必要となります。基本は情報発信になりますが、SNSの特性はコミュニケーションの形成です。そのため、相手に対しての反応が重要となります。

自社の見込み客になる潜在ユーザーに向けて、興味関心の高い役立ち情報を投稿し、同時にコメントやフォローなどでコミュニケーションをはかる流れです。SNSにおいても、小さな取り組みを継続していくことが大事で、ザイオンス効果は反復訴求となります。

営業の場合

営業の場合は、担当者の労力が必要となりますが、古くからザイオンス効果を取り入れている企業は少なくありません。最初は、胡散臭かった担当者でも何度も足を運ばれることによって、人間性も理解できて好感を持つようになる点がザイオンス効果です。

営業では、相手先に何度も訪問することにより、無意識のうちに親近感を持ってもらうことがザイオンス効果の狙いになります。

数をこなす「訪問数」「商談数」反復による認知

BtoBの訪問営業では、接触時間ではなく接触回数を重要視します。1回の訪問で長い時間をかけても、相手の信頼や安心がなければ商談はまとまりません。そのため、営業では訪問回数や商談数の「数をこなす」ことが必要になります。

とくに、営業の場合は、担当の人間性も大きな影響力を持っているので、さまざまな理由づけをして接触頻度を増やすことが大事です。

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ソーシャルメディアの場合

ソーシャルメディア上でのザイオンス効果の活用例としては、一貫したブランドメッセージの繰り返し投稿が挙げられます。これにより、フォロワーはそのブランドに対する親近感を感じ、エンゲージメントが向上します。また、ソーシャルメディアの特性上、ブランドのメッセージはフォロワーだけでなくその友人やフォロワーにも広がり、ブランドの認知度を一層高めることができます。

ザイオンス効果の注意点

ザイオンス効果の注意点
ザイオンス効果による接触頻度を増やすことが、相手に好印象を与えることについて解説してきました。ただし、ザイオンス効果は使いすぎると逆効果になることもあります。逆効果になると、営業の場合は相手に対して「業務妨害」と思われてしまうこともある点に注意しましょう。

ここでは、ザイオンス効果の注意点として、「どの程度の頻度で活用すればいいのか」について、逆効果になる度合いなど案内していきましょう。

ザイオンス効果が逆効果になることも

そもそもザイオンス効果は、相手との関係性がマイナス状態であると逆効果になってしまいます。たとえば、初めて訪問した相手先で、営業担当者が外履きの靴を脱ぐ場所を間違えて訪問先の床を汚してしまった場合、その後の商談に優位にはたらきにくくなるでしょう。

さらに、顧客に対して失礼なふるまいをしておいて、謝罪もなく一方的な営業をかけてしまったら、相手の不愉快な感情を高めてしまいます。このケースの場合は、営業が靴を脱ぐ場所を間違えたとしたら、大げさなくらいに謝罪はする必要があるでしょう。

ザイオンス効果を活用するには、相手の感情が「好きでもなく嫌いでもない」フラットな状態であることが有効的です。くれぐれもザイオンス効果による逆効果にならないように注意しましょう。

ザイオンス効果はどの程度の頻度で導入すべきか

ザイオンス効果の導入頻度について、解説します。ザイオンス効果の効果的な回数は、活用の限界から見ていくことが必要です。

ザイオンス効果の限界(接触回数ピーク10回)

ザイオンス効果の限界となる回数は、一般的に10回までとなります。男女間のザイオンス効果では、男性から同じ女性へ10回以上のプロポーズが通用しないということになるでしょう。

ザイオンス効果の限界10回は、あくまでも目安になるので別の思惑により相手が10回以上の接触を待っていることもあります。ただし、通常はザイオンス効果をはたらきかけてくり返し接触することは、10回までと想定しておくことが必要です。

ザイオンス効果適正な回数

ザイオンス効果の適正な回数は、限度となる10回まででよいのでしょうか?具体的に紹介します。ザイオンス効果は、適正な回数が決められているわけではありません。だからといって限度回数となる10回まで行うべきでしょうか。ザイオンス効果のポイントは、効果を使う側の都合で考えてはいけません。

あくまでも相手目線となるだけに、ザイオンス効果を実施する相手が負のイメージを持っていないことが条件となります。もし、一方的な訴求をくり返すことにかたくなになってしまった場合、スパム行為や迷惑行為ともとられてしまうでしょう。重要な指標は、ザイオンス効果を働かせる相手が、反復訴求する内容に「0以上のプラスイメージ」を持っていることです。

プラスのイメージを持っている相手に対して、ザイオンス効果をもたらす場合、適正な回数は7回以上10回未満となります。これは、7という数値が「ラッキーセブン理論」や「7転び8起き」の言い伝えによるものであり、考えられる数値目安です。あくまでも適正回数を意識するのはなく、回数を重ねていくうえでの相手の変化をくみ取り、適正な回数で抑えておくことが必要となります。

短期間集中型で取り組む

ザイオンス効果を活用する際は、長期間かけてやるべきではありません。ザイオンス効果は、短期集中型で取り組むことが大事です。その理由は、相手の記憶の中で良いイメージが保たれていることを基本として考え、良いイメージのうちに適正な回数を反復していくことが重要だからです。

たとえば、良いイメージを持っているときこそ、訴求に対して好印象が高まり、引き続き訴求が有効的となるでしょう。ただし、良いイメージのまま、他の情報を入れてしまい好印象の温度感が下がってしまった場合、相手は冷静な判断をすることが考えられます。そのためザイオンス効果では、相手が好印象を持っている状態を維持できる期間を目安とすることが大事です。期間の目安としては、短期間集中型となるでしょう。

時間ではなく機会数

ザイオンス効果は、時間ではありません。1回の訴求に時間をかけて少ない回数で効果を得ようとするのは間違いです。よくあるのは、長時間のセミナーを開催してセミナー講義中に延々と商材販売を反復訴求することがあげられます。そのセミナーに参加して、はじめて知った商材に対して、その日のうちに購買に至らせるケースも少なくありません。ただしそのような押し売り的な営業スタイルでは、後で購入者の不満を増やしてしまうことになります。

セミナーに参加した受講生に対して、訴求するのはセミナーにおいて1回限りです。たとえ1日がかりのセミナーであっても、1回のセミナーが1回の機会となります。ザイオンス効果で大事なのは、長時間かけて訴求することではなく、訴求する回数と機会数を同じくすることです。

短期間集中型と組み合わせて考えた場合では、セミナー後のサンキューメールや電話などを活用して、さりげなく反復訴求することが必要となります。

ザイオンス効果の最適な活用とは

ザイオンス効果は、使いすぎても逆効果になるため、限られた回数を相手に好印象を高めてもらえるような接触機会として、シナリオを想定することも必要になります。ザイオンス効果がうまくはたらいていると、接触の度に相手が「今度は、いつ来られますか?」と求められている状態になるでしょう。相手に求められている状態をくり返し、次回の接触に反映させていくことが、ザイオンス効果の最適な活用になるのです。

マーケティング戦略での活用

ザイオンス効果はマーケティング戦略において有用です。消費者が繰り返しブランドに触れることで、そのブランドに対する認知度と好意度が高まります。これは、ブランドロイヤルティの向上や、新製品の販売促進に役立つ可能性があります。また、ザイオンス効果を利用したマーケティング戦略は、消費者の購買行動を促すだけでなく、長期的なブランドロイヤルティを築くことも可能です。

顧客エンゲージメントの向上

ザイオンス効果を利用することで、顧客のエンゲージメントを向上させることが可能です。特にソーシャルメディア上では、一貫したブランドメッセージの繰り返し投稿により、フォロワーとのエンゲージメントが高まります。これは、ブランドへの信頼感や好意度を高め、結果的にはブランドの成功に寄与します。

ブランド認知度の向上

ザイオンス効果はブランドの認知度を向上させることが可能です。消費者がブランドのロゴやスローガン、商品イメージなどを繰り返し見ることで、そのブランドに対する認知度が高まります。これは、ブランドロイヤルティの向上や、新製品の販売促進に役立つ可能性があります。

スノップ効果とザイオンス効果の違い

スノップ効果とザイオンス効果の違いについて紹介します。いままでザイオンス効果について単純接触効果の説明をしてきました。スノップ効果とはザイオンス効果とは違う希少性に価値を感じる意識の表れです。スノップ効果では、「誰も持っていないモノを持っていたい」という独自性の高い意識がはたらきます。

これは「自分だけの特別な何かを持っていたい」という自己主張にもなる差別化的な要因です。スノップ効果では、流行により周囲の人が同じものを持っていることに対して、価値観を持たなくなる状態を指します。具体的にスノップ効果がはたらきやすいのは、期間限定販売や個数限定などプレミア感と希少性のある商材です。

一見、スノップ効果の方が訴求に対して強い購買意欲を生みだしますが、取り扱う企業が売上拡大を目指し生産を増やせば逆効果となってしまいます。元々人とは違う自分を大切にしているのがスノップ効果なのに、販路を拡大したり、生産数を増やしたりすれば、「周囲が持っている流行の品」になってしまうからです。スノップ効果は、オンリーワンでいたい相手に向けた訴求方法となります。そのため、ザイオンス効果のくり返し頻度に希少性が感じられなければ、失敗に終わるため組み合わせはむずかしくなるでしょう。

ザイオンス効果に関する誤解と真実

誤解: ザイオンス効果は無意識的な影響だけを持つ。
真実: ザイオンス効果は意識的な認識と無意識的な認識の両方に影響を与えます。消費者は、繰り返し見ることで自然とそのブランドや商品に親しみを感じ、意識的にも無意識的にもそのブランドや商品を好むようになります。

ザイオンス効果を駆使した施策は外注に依頼できるか?

ザイオンス効果について、あらゆる角度から紹介してきました。実際に自社の商品やサービスを販売して売上を上げたい企業にとって、バランスよく反復訴求することはむずかしいことでしょう。反復訴求をする中で、つい売込みを強めてしまうことも考えられるのではないでしょうか?

ザイオンス効果は、相手に対して適度な回数を展開していく必要があります。そのため、経験がない場合は、知識や実績のある外注に依頼することが必要です。外注の取り組みを参考にして、自社で取り組むことができるかどうか?判断してみましょう。

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まとめ

今回は、いかがだったでしょうか?ザイオンス効果が、マーケティングでの行動心理に役立つ点が理解できたことでしょう。この記事で紹介したザイオンス効果の注意点をもとにして、Web集客では最適な接触回数のくり返しとなる訴求が大事になります。

企業のWeb担当者は、ザイオンス効果を自然な形で活用して、Web上での接触回数を高めてユーザーに好印象を与えることが今後のビジネスに大きく影響するでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

この記事のまとめ
  • ザイオンス効果とは対象者と何度も繰り返し接触することによって好印象や高評価を得る心理的効果
  • 1968年のロバート・ザイオンスによる研究で好意度が上がることを明らかにした
  • 計画的な反復訴求によって苦手な顧客対応を克服し好意的な関係を築くことが可能

ザイオンス効果に関するよくあるご質問

最後によくあるご質問をいくつかご紹介致します。
みなさまのWeb集客にお役に立てば幸いです。
その他、ご不明な点がございましたら以下のリンクよりお気軽にご相談下さいませ。
無料オンライン相談はこちらからどうぞ。


Q

ザイオンス効果とは何ですか?

A

ザイオンス効果、または単純接触効果とは、特定の人物や物事に何度も繰り返し接触することで、好感度や評価が高まっていくという心理的傾向を表す言葉です。

Q

ザイオンス効果はいつでも有効ですか?

A

ザイオンス効果は一般的に有効ですが、過度な繰り返しは逆効果になる可能性もあります。これは、消費者が同じ情報を見すぎると飽きてしまい、反対に好感度が下がる可能性があるからです。

Q

ザイオンス効果はどのような場面で使われますか?

A

広告やマーケティングの領域でよく使われます。一貫したメッセージを何度も繰り返すことで、消費者の中でそのブランドや商品に対する認知度が高まります。

Q

ザイオンス効果の科学的根拠はありますか?

A

ザイオンス効果は心理学的な研究に深く根ざした現象で、人が同じものに何度も接触することで、それに対する好意度が高まるという科学的根拠があります。この効果は、1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって行われた研究でよく知られています。

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