「ウチのサイトのアクセス数、今日はどうなっているだろうか?」
Webサイトの担当者は、日々のサイト流入数を気にして、アクセス解析の画面を開く日課が定着していることでしょう。Webサイトが安定したアクセスを保っていれば安心できますが、チェックした際に昨日よりアクセスが減少していた場合、あわててしまうことも少なくありません。
「急にアクセス数が減った」「先月よりアクセス数が落ちた」などと、あわてないでとれる改善策はないのでしょうか?この記事では、Webサイトのアクセス数が減少したときにチェックすべきポイントについて解説します。さらにチェックポイントをふまえて、アクセス数減少を改善する効果的な対策を紹介しましょう。
日々進化しているGoogleのアルゴリズム更新に一喜一憂している企業のWeb担当者は、アクセス減少時の対処法として役立ててみてください。
目次
アクセスが減少したときのチェックポイント
Webサイトのアクセスが減少したときのチェックポイントについて紹介します。Webサイトをチェックする際は、あらゆる方向性から判断していくことが大事です。アクセス減少の要因を特定するには、あわてず1つひとつ確認していきましょう。大枠では、次の4つの視点が考えられます。
- 測定が正しいか
- 減少しているページが特定できるか
- 内部要因か
- 外的要因か
測定が正しいか確認
アクセス減少の要因として、アクセス数をチェックしているGoogleアナリティクスなどアクセス解析の数値が正しいかどうかも判断する必要があるでしょう。アクセス数が正しいかどうかについては、アクセス解析の注意事項を理解しておくことが大事です。
リファラースパム
いままでのアクセス数値自体が間違っている可能性もあります。リファラースパムといって、増えていると認識していたアクセスがスパム行為の場合です。このケースは、ひんぱんに起きる事象ではありませんが、数値が正しいかどうか疑問を感じた場合、調べてみる価値があります。
リファラースパムのチェックは、アクセス参照元のURLを調べ悪質なサイトか判断しましょう。注意したいのは、参照元サイトにアクセスしないことです。参照元URLのドメインを検索窓に入れて調べることにより、すでに被害があれば悪質なサイトとして情報公開されている可能性があります。
クロスドメイントラッキング
クロスドメイントラッキングとは、1つのWebサイトが複数ドメインによる構成でできあがっている場合です。自社ビジネスの注文ページが別ドメインだったり、会社ブログを別ドメインで運営していたり複数のドメインでサイト内を構成していることも考えられます。クロスドメイントラッキングの対処法は、成果計測を正しく設定しなおす必要があるでしょう。
自分のアクセスまたはサイト制作会社からのアクセス
アクセス数の測定を正しくするためには、自分のアクセス(企業全体のアクセス)やサイト制作を依頼している制作会社からのアクセスを除外する必要があります。もし、関係者のアクセスを除外しなければ、業務のためにWebサイトを動かしている時間帯がもっともアクセス数を増やすことにもなるでしょう。
また、サイトリニューアル時や社内でWebサイトの紹介をした時にアクセスが増えたりするのも関係者によるものです。関係者(身内)からのアクセスに関しては、アクセス解析で事前にIPアドレスの「除外設定」をする必要があります。
減少しているページを特定する
アクセス数が減少したときは、減少しているページを特定することも大事です。特定するページのチェックについて解説しましょう。
チャネルチェック
チャネルチェックでは、おもにOrganicやPaid Searchなどをチェックします。オーガニックサーチ(自然検索)において、アクセス数が減少していた場合、SEO的に評価が下がっていることが考えられるでしょう。自然検索でのアクセス減少では、検索順位下落が大きな要因となります。または、何かの要因によりページが表示されていないことも要因の1つです。
アクセス解析において、Paid Searchではリスティング広告を経由したセッション数をあらわします。Paid Searchの減少とは、リスティング広告経由のアクセスが減っていることです。Googleアナリティクスでは、チャネルをチェックすることにより、流入別のアクセス状態を調べることができます。Googleアナリティクスのチャネルチェックで確認できる種類は次の通りです。
- Organic Search:自然検索(GoogleやYahoo!など)による検索結果からの流入
- Direct:直接流入(URLを直接入力・メール記載URL経由・アプリからの誘導など)
- Referral:他のサイトに設置してあるリンクからの流入
- Social:SNSからの流入
- Paid Search:リスティング広告経由の流入
メディアチェック
メディアチェックでは、検索エンジンによって表示されている状況が違うか確認します。Googleアナリティクスでは、「すべてのトラフィック」項目から「参照元/メディア」を選択することにより、どの検索経由から訪問したかチェック可能です。
アクセス減少の変動があれば、検索エンジンによる影響が考えられます。ただし、Yahoo!検索エンジンは、Googleの検索結果を参考としているため、検索サイト同士で大きな差が出ることは考えづらいでしょう。
デバイスチェック
デバイスチェックでは、Googleアナリティクスの「デバイス別セッション数」によりデバイス別のアクセス数をチェックできます。チェック対象のデバイスは、PCとスマートフォン、タブレットなどです。デバイス別でチェックして、PCのみアクセス数に変動があった場合、PC表示のうえで何らかの原因があることが考えられるでしょう。
ディレクトリやページグループのチェック
Googleアナリティクスと連動して活用するWebサイトの状態をチェックするツール「サーチコンソール」があります。サーチコンソールを活用すれば、現状を診断することが可能です。ディレクトリやページグループなど、詳細にチェックすることにより、どのページに問題があるかどうかエラーを見つけられます。
検索キーワード流入数のチェック
サーチコンソールでは、検索キーワードによる流入数の変動もチェック可能です。アクセスの減少を確認したうえで、どの検索キーワードからの流入数が減少したか原因をつきとめられます。
内部要因か
Webサイトのアクセスの減少に対して、内部要因の場合はサイトの修正が必要です。サイトの修正では、サーチコンソール上で指摘されたページの修正やサイト全体の表示の修正などがあげられます。修正箇所によっては、相当な手間と時間を要することもあるでしょう。
たとえば、ページ量とコンテンツ量の多いオウンドメディア運営の場合、全ページの修正が必要となれば、手作業で対応することも必要です。本業の片手間で行うには、担当者の負担も大きくなることが考えられます。サイト規模なども含めて、専門家に相談してみることが必要です。
外的要因か
外的要因の場合は、おもにGoogleアルゴリズム更新の発動による部分が大きくなります。昨今のコアアルゴリズムアップデートにより、日々の変動が標準化している状況です。とくに大きな変動があった際の検索順位の変動の場合、サーチコンソールなどで原因をつきとめて対処していく必要があります。
可能性ある要因を1つずつチェックして特定する
Webサイトのアクセス減少は、可能性のある要因をそれぞれチェックして、特定していくやり方が大事です。いままで紹介してきたチェック項目のどこに原因があるかは、確認しなければ見つかりません。そのためチェック項目をすべてつぶしていく方法が必要なのです。
チェックする際は、アクセス減少のポイントとして、該当箇所や減少時期を明確にしていきます。減少箇所と減少時期を特定できたら、原因を推測していく流れです。その際のポイントを紹介します。
- アクセス数以外に変化がないか
- 検索量に変化がないか
- クリック率に変化がないか
- 検索順位に変化がないか
- Googleからのクロール数に変化がないか
- インデックスガバレッジに変化がないか
- 表示回数に変化はないか
- 該当ページに関連するページに変化はないか
- ペナルティを受けたのではないか
もし、1つでも変化を見つけたら、ていねいに追求していくことが必要です。その際に原因も明確にするため、対処した取り組みを記録しておきましょう。
アクセス減少に効果的な改善策
アクセス減少に効果的な改善策について紹介します。アクセス減少を改善するためには、チェックによる修正だけではなく、現在のアクセス経路以外のアクセス流入を考えることも必要です。現在の施策で修正に時間をかけるより、新しくアクセス流入が見込める施策を用意することも将来的に有効な手段となります。
リスティング広告出稿によるアクセス回復
自然検索によるアクセス流入が多い検索エンジンの評価を受けてきたページの場合、アクセス減少により掲載順位が下がっている状況です。その場合、SEOを施した改善となります。ただし、SEOを施した改善の場合、すぐに回復するかどうかは知ることができません。
できる限りの対処をしたうえで時間がかかることへの理解が必要です。その際、回復までの時間をリスティング広告出稿によりアクセスを集めることも1つの手段となります。リスティング広告の運用は、流入が見込めるキーワードの掲載枠を購入できれば、早めのアクセス流入が見込めるでしょう。
ただし、リスティング広告の運用は、費用対効果を管理する必要があります。リスティング広告は資金さえあれば実行できる集客方法となるため、競合他社の参入を覚悟しなければいけません。競合他社が参入した場合、資金力の競争となり結果的に費用対効果の悪い施策にもなるのです。
長期目線で取り組むコンテンツマーケティング
リスティング広告の運用では、競合との入札単価競争があるため、結果的にコストをひっ迫することになるでしょう。短期的な施策ではなく、長期目線で捉えた場合、コンテンツマーケティング戦略が有効的です。
コンテンツマーケティングとは、インターネットユーザーに役立つコンテンツの提供を中心としたWeb集客手法となります。コンテンツマーケティングでは、概念が検索ユーザーに役立つコンテンツの提供となるため、検索エンジンから悪い評価を受けにくい戦略となるでしょう。
コンテンツマーケティングは、長期的なスパンでみる施策です。リスティング広告の運用とは真逆となる成果が発生するまでの時間と手間を理解する必要があります。
類似記事コンテンツの統合やリライト
既存のWebサイトをコンテンツマーケティングにそって修正する際は、類似記事コンテンツの統合や大幅なリライトが必要です。検索キーワード上位掲載を目指すために量産したページであれば、コンテンツ重視に切り替えることが重要となります。1つひとつのリライトや統合など、主観的な判断ではなく、客観的な要素のみで取り組みましょう。
あらゆる流入経路をつくることが大事
Webサイトの改善以外にも、SNSやYouTube動画などあらゆる媒体からの流入経路をつくることが大事です。小さなアクセスが広がり、やがて大きなアクセスとなることを目的として、あらゆる流入経路を作っておきましょう。
Webサイト運用体制の構築
コンテンツマーケティングを導入するには、Webサイトの運用体制を構築する必要があります。先ほどもふれましたが、コンテンツマーケティングは長期的な時間と手間がかかるため、運用体制に左右されます。Webサイトの運用体制については、自社のみで判断しないで専門家の見解を参考にすることをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「アクセスが減った、落ちた」と頭を抱えているWeb担当者に向けた原因チェック方法と改善策」について解説してきました。原因のチェックについては、1つひとつ確認して正確に原因をつきとめていくことが大事です。
アクセス減少の改善策については、リスティング広告による一時的な補いに取り組んで、コンテンツマーケティングによる長期的な施策を取り入れていくことが必要となります。ぜひ、取りくんでみてください。